イズミルに住んでいるからには春から初夏にかけてこのエンギナルを食べずに過ごすわけにはいきません。エーゲの春を告げる味、一見この物体のどこを食べるのだと不安になりますが、むいてむいて最後に出てくる部分は食感がどことなく竹の子に似ています。それ程美味しい!と言うものではないと思うのですがエーゲっ子にとってはなくてはならない春の味。季節を感じる柔らかい味がします。
ただ調理をする時に気をつけないと指が真っ黒になるのと、手早くむかないとすぐにエンギナルが変色してしまうので私にとってはまだまだ気軽に手の出る野菜ではありません。「さあ買うぞ!」と勢いをつけて買います。
断面図はこんな感じ。この中心部の白いほんの少しの部分を食べます。
先々週まではだいたい1個が1YTL(約83円)くらいでまだまだ高かったのですが(でもきっと他の地方よりは安いと思います)先週パザルへ行った時は1個60クルシュ(約53円)で良いものがありました。安くなったせいで皆10個15個と買って行きます。旬の今はパザルにもエンギナルの屋台が何箇所も出るのですが私が買ったこのおばさんの屋台は他の屋台よりも新鮮で良いものを売っていることが一目瞭然、黒山の人だかり状態で次から次へと売られていました。
2年前初めてエンギナルを知った頃、友達や義妹やお隣さんなどが一様に「エンギナル食べたことある?」「食べたことがないなら食べなくちゃ」「一度あなたにエンギナル料理を作ってあげるわ」と言ってくれました。みなエンギナルを食べさせたかったようです。でもあれから2年、誰も作ってくれませんでした…。あ、唯一お隣さんが公約を守ってくれましたっけ。いかにもトルコ人らしいですね。仕方がないのでパザルへエンギナルを買いに行きその時に買った屋台のおじさんに作り方を聞くとわざわざ商売道具のエンギナルを使ってむき方などを実演してくれました。すると当然ギャラリーが集まってくるわけで、黙っていられないオバちゃんの一人が「じゃがいもを入れた方が美味しいわよ」と言うとそのおじさん「へん、じゃがいもいれるなんて邪道だ邪道!ホントのエンギナル料理はエンギナルだけで食べるもんだ、ほら行った行った!」とじゃがいも派のお客さんを追っ払ってしまったこともありました。
今回私が作ったのは、公約を守ってくれなかった友達が作り方だけ教えてくれたじゃがいも入り邪道のエンギナル料理です。ただ彼女はエンギナルもじゃがいも、人参も全て一口大に切っていました。
食べる部分よりも捨てるところの方がたくさん。
エンギナル4個
じゃがいも2個
人参1本
玉ねぎ1個
グリンピース
ディル
レモン1個
小麦粉、塩
①ボールに入れた水に塩、小麦粉大匙3杯、レモンを絞って混ぜる。
絞った後のレモンも入れておく。
②エンギナルの皮を急いでむいて①につけておく。色が変わらないように
すぐにレモンをすり込むと良い。
③玉ねぎをたっぷり目のオリーブオイルで炒め、サイコロ大に切った
人参、じゃがいもを順に炒める。
④③にエンギナルを加え①の水からコップ1杯、普通の水コップ1杯を
加え、沸騰したら塩をいれエンギナルが柔らかくなるまで煮る。
⑤火から下ろす少し前にディルとグリンピースを入れて5分ほど煮る。
茎(?)の部分も少しこうやって残すとちょっとかわいくありませんか?
もったいないので残った茎の部分も刻んで一緒に煮ました。
Afiyet olsun!
エンギナルのむき方、トルコ語ですがこちらにわかりやすく写真入で紹介されていました。
http://www.lezzet.com.tr/mutfak_okulu/00942/index.php
「トルコ~スパイシーライフ♪日々の思うこと」のyokocan21さんもエンギナルについてブログを更新されました。はるばるイズミルから運ばれていったエンギナルが美味しくお料理された姿をご覧あれ~♪
本日のクムル親子
☆現在のイズミル☆