イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

KULA EVLERI(クラの家並み)

2013-01-08 16:21:20 | 

寒いです!バルカンからシベリアからの寒波で凍っています。温暖なイズミルでさえ氷点下の予報。トルコ全土から大雪のニュースが聞こえてきます。冷えているせいか空気が澄んでぴかぴかお天気、海の上でカモメが日光浴をしている様子が家からも見えます。

KULAのPERI BACALARIの後で向かったのはKULAの町。ここは古い町並みがそのまま今に残る町といわれています。10年以上前に1人で訪れた時は、縁あって地元の人に案内をしてもらい、あちこちの家の中や庭の中まで見せてもらったものでしたが、その時はカメラが壊れて写真が一枚も写せなかったのでした。

 これは共同の水場

再び訪れたKULA、記憶もほとんど残っていませんが、ここに限っては10年の月日はそれほど影響しなかったようです。1月1日ということもあって古い町の中を歩く人はほとんどいません。ひさしが折り重なるように連なり、壁は思い思いの方向を向いています。

オスマン時代の小路にタイムスリップして迷い込んでしまったように思えます。ほとんどが木造で2階建て、1階の多くには窓がなく門の中を覗くと外見からは想像できない位広い中庭が広がっています。2階以上は道に突き出ており、レンガで覆われた屋根には庇があり、庇の多くには絵が描かれています。窓には木製の鎧戸がつけられています。

家の門である木製の開き戸を入ると中庭があり、そこには家畜小屋、物置、台所が見られるそうです。トイレと竈も中庭の一部にあるそうです。

ギリシャ人が住んでいた家の門は道に向かって開き、門から階段で道に降りるようになっています。トルコ人の住んでいた家の門は、中庭へ向かって開きます。これはトルコ人がプライバシーを重要視していたからなのだそうです。トルコ人の家は残念ながら損傷が激しく、ギリシャ人の家はまだしっかりしているように見られるのは、木製と石造りの差なのでしょうか。

 番地表示

道は狭く、車は入ることが出来ないのでしょうか、一度も行きかうことはありませんでした。車にかわって活躍していたのが小さなバイクです。昔は馬や牛が通っていた道なのでしょう。100m先を見通すことも出来ないほど曲がりくねっており日本の城下町を思い出させます。それもそのはず?KULAには城壁跡は残っていませんが、ここもかつては城壁の中の町だったそうです。

すれ違う人は、皆さん温かく「こんにちは」と挨拶すると「いらっしゃい」「KULAを気に入りましたか?」と答えてくれます。道を尋ねるとちょうどそっちへ行くところだからと長い間一緒に歩いてくれたおじさんもいました。

 ANEMON OTEL

かつての大きなお屋敷のひとつZABUNLAR KONAGI(ザブン家邸宅)は2008年にホテルとして改修されました。9つの部屋があるANEMON OTELとなっています。

 この馬にかじられました・・・。

古い町並みから、現在の生活が営まれている商店街へ。こちらは1月1日だというのに鍛冶屋さんがトンカントンカンといつもと変わらぬリズムを刻んでいました。

 

 

寒いけれど春は近づいています。

    

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KULA PERI BACALARI(クラ妖精の煙突)

2013-01-03 16:45:51 | 

あけましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えのことと思います。箱根駅伝は日体大が総合優勝だったそうですね。実家が駅伝コースの近くにあるので、お正月の2日、3日はヘリコプターの音が近づいてくるとTVの中継を見ながらそわそわし出し海岸通の駅伝コースへ自転車を走らせる、そんな年もありました。

トルコの新年は1日がお休み、2日からは学校も会社も普通に始まります。貴重な1日のお休み、2013年初の旅の行き先は、イズミルから約150km、お隣のMANISA(マニサ)県にあるKULA。イズミルにお住まいの日本人Kご夫妻をお誘いしました。

今回の目的はカッパドキアを模してKULADOKYA(クラドキア)とも呼ばれている地帯を訪れること。きのこのような岩が林立するカッパドキアの世にも不思議な光景をご覧になった方も多いと思いますが、トルコは広い!その他にもあちらこちら、VAN(ヴァン)やKONYA(コンヤ)、ERZURUM(エルズルム)、AFYON(アフヨン)などにも見ることができるのだそうです。

KULAもカッパドキアのライバルの一つ。イズミルからアンカラに向かう道路を一路KULAへ。この日はイズミルを出たとたんに霧が立ちこめました。150km走っても、お昼近くになっても晴れない霧・・・KULAの街に入ってから道を尋ねる目的でチャイ休憩、そこから約15kmのところに「PERI BACALARI(ペリバジャラル=妖精の煙突)」の標識がありました。辺りは円錐形のコニーデ火山様の地形が見られます。

BURGAZ村の中に入ると峡谷が道の両側に広がり、霧でぼんやりした景色の中に羊や山羊が首につけた鈴の音だけが響きます。細い山道を車を進めると山肌にミニミニきのこ岩が見え始めました。4人で歓声をあげながら写真を写します。霧のせいで見通しが悪いのでどんな光景が広がっているのか、全体を見渡すことは出来ませんが、カーブごとに変化する光景には息を呑みました。

行ったことはないけれどグランドキャニオンのような、見たことはないけれどガウディの建造物のような、岩が次々と現れます。この地帯はトルコでも若い火山地帯の一つで歴史家ストラボンはこの地を「燃えた国」と言う意味の「KATAKEKAUMENE」と名づけたそうです。ここから25km離れたところにある火山の裾野には10,000-12,000年前の人間の足跡が見つかったとか。

道の両脇からすぐにこの岩を見ることができるので試しにさわってみると意外と柔らかいのです。粘土よりは固いけれど、このくらいの固さならばもしかしたら行くたびにこの光景は変化していくのがわかるんじゃないかと思えました。

保存地区にされている為、とにかく何もない!すれ違った車は1台だけ、あとは羊や山羊とそれを連れた牧人が岩の上の方をスイスイと歩いていくのみ。きっと春になったら色とりどりの花が咲いてまたまったく違った景色を見ることが出来るのではないでしょうか。霧のない景色も見てみたい、もう一度行ってみたい場所のひとつとなりました。

 

 

大晦日のイズミル湾、年越し花火。

     

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KURBAN BAYRAMI(クルバンバイラム=犠牲祭)

2012-10-31 23:48:24 | 

今年のKURBANBAN BAYRAMI(クルバンバイラム=犠牲祭)は10月25日から28日、前日の24日はARIFE(アリフェ)と言って普通は半日休みになりますが、今年は公務員はこの日も休みになり29日は共和国記念日と言う祝日に当るので6連休の人が多かったのではないでしょうか。夫の会社はARIFEも一応12時まで仕事。クルバンのお肉ではないけれど牛肉2㎏、米、チョコレート、コロンヤ(アルコール香料)が会社から支給されました。そのお土産を見てなんとなく「薮入り」と言う言葉が思い出されました。

アンネ(義母)たちを誘って今年もアナアンネ(夫の祖母)のお墓参りを済ませ、バイラム一日目はアンネの家でお祝いをしながら朝ごはんを頂いた後、旅行へ出発。今回の行き先はEDREMIT KORFEZI(エドレミット湾)沿岸を一路KUCUKKUYU(クチュククユ)と言うところまで。

何年も前に、あるドラマの舞台となったANTANDROS(アンタンドロス)という遺跡に行きたいともう何年も思い続けていたのですが、そばは通るのに入り口が見つけられずに断念すること3回、前回出かけたAYAZMAの帰途ついに入り口を発見、次回の旅先はここだね!と全会一致?で決定したのでした。

EDREMIT KORFEZIはエーゲ海に面する最北の湾で、湾に並行にKAZ DAGI(カズ山)とMADRA DAGLARI(マドラ山脈)があります。すぐ目の前にはギリシャのMIDILLI ADASI(ミディッリアダス=レスボス島)があり、お天気のよい日には島影が、夜には町の明かりが見えることもあるそうです。

この地域はオリーブの一大生産地としても知られており、トルコにあるオリーブの木の10%がこの辺りにあるそうです。このオリーブから収穫される260,000トンのオリーブのうち15―20%が食卓用、残りは45,000トンのオリーブオイルとなるそうで、トルコのオリーブオイルの28%がこの地で製造されているそうです(トルコ版Wikipediaより)。

季節はまさにオリーブの収穫時季、どの木もしなるくらいにたわわに実をつけたオリーブでいっぱいです。私の住んでいるイズミル周辺にもいたるところでオリーブの木が見られますが、EDREMIT湾沿岸はその比ではありません。高いところから下界を眺めると建物のあるところ以外すべてオリーブの木で覆われているように見えました。

KAZ DAGIから湾に流れ込む多くの流れが渓谷をなし、川沿いにはポプラやプラタナスの木が木陰をつくり美しい景色と美味しい空気を楽しむことが出来ます。こういう場所があると日本なら落ち葉を踏みしめながら散策かなと思うのですが、トルコはやっぱりマンガル(BBQ)・・・。黄葉した葉が舞う先は煙もうもう・・・。

私達は、下調べをしておいた名所を一つ一つ探しながらドライブ。マンガルをするでもなくチャイを飲んだり写真を写して歩きます。正味2日間で回った場所はANTANDROS(アンタンドロス遺跡)、SAHIN DERESI(シャーヒン渓谷)、 SUTUVEN SELALESI(スュトヴェン滝)、 HASAN BOGDU(ハサンボードゥ=ハサンが溺れた、と言う伝説のある場所)、 ZEUSALTAR(ゼウスアルタル)、 ADATEPE KOYU(アダテペ村)、 TAHTAKUS KOYU(タフタクシュ村)、 PINARBASI(プナルバシュ)、 MIHLI CAYI(ムフル渓流)。

中には10年前に訪れた思い出の場所もあったのですが、10年の月日は素朴な渓流をコンクリートで固めて張りぼてのような醜い人工的な滝に変えており、呆然唖然。

トルコの自然がいつまでも変わらないでいて欲しいと思うのは叶わぬ願いなのでしょうか。

 

 

小さなシクラメン、原種かな?

     

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SONBAHARDA ODEMIS BIRGI(秋のオデミシュ・ビルギ)

2012-10-23 17:40:39 | 

今日は久しぶりにパラパラッと雨が降りました。トルコは25日から28日までの4日間はクルバンバイラム(犠牲祭)の祝日(公務員は24日から)、29日は共和国記念日の祝日で5~6日の連休となります。全国的にここ2・3日は雨マークがついていますが、バイラムにはいいお天気になってほしいものです。

暑くもなく寒くもなく行楽には気持ちのいい季節、JIKAD(日本イズミル文化友好協会)も新しい会員紹介と交流をかねて秋の遠足がありました。行き先はイズミル市内から150kmほどのODEMIS(オデミシュ)と古い家並みが残る町BIRGI(ビルギ)。JIKADの会員でODEMIS出身・在住のTULAY(トゥライ)さんが、この日のプログラムをオーガナイズしてくれました。まずはODEMIS市営のレストランAHRANDI(アフランドゥ)でKAHVALTI(朝食、ブランチ)。市営と言うからあまり期待していなかったのですが、ODEMISを一望できる高台で、ゲームをして笑いながらいくらでも食べることが出来て恐ろしい。

紀元前から今日までにODEMISで発掘された出土品などを展示したODEMIS博物館を見学した後はBIRGIへ。BIRGIは古い石造りの家を保護しながら現在に生かしている美しい町です。最初に訪れたのは4年前、それから4回目の訪問になりますが、行くたびに街並みは修復整備されています。

石の職人さんは「僕らにはもう見習いはいないんだよ、この仕事を継ぐ人はいない」と言いながら石を組み合わせる作業を続けていました。

今回はTULAYさんの尽力でBIRGI町の特別オープンツアーバスで案内してくれるとのこと。普通のオープンデッキバスを想像していた私たちの目の前に現れたのはこちら!なんとこのバス、トラクターを改造したものなんです。トラクターでも10分もあれば1周出来てしまうBIRGIを2周もしてみんな大興奮でした。町の人たちは手を振ってくれるのでなんだか有名人になった気分。

バスを降りてBIRGIの人たち手作りのお土産を物色したり町を散策して前回も訪問した「CAKIRAGA KONAGI(チャクルアァ コナウ=チャクル様のお屋敷)」に立ち寄った後は、ODEMISに戻って名物ODEMIS KOFTE(オデミシュキョフテ)を食べました。

小さなお店に突然30人のお客さん。それでもあっという間に30人分が焼き上がり舌鼓を打ちました。

このバターたっぷりが美味しさの秘訣でしょうか。ODEMISは絡農が盛んで乳製品が美味しいことでも有名です。

メンバーの中には大量のトルコスイーツを作って持ってきてくれた人もおり、キョフテの後はデザートと帰路の途中でチャイ(お茶)休憩をかねて持込のデザートを食べる30人。

チャイしか注文しなくてもお皿やフォークまで用意してくれたチャイ店のオーナーは偶然にもメンバーの1人のかつての教え子、色々な人材が揃ってまた盛り沢山の行事を笑顔で無事に終えることが出来ました。

それでは皆さん、IYI BAYRAMLAR(よいバイラムを)!!!

 

BIRGIの町の中でその日を待つクルバン(犠牲)の羊達。

     

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RAMAZAN BAYRAMI(2)ALEXANDREIA(アレクサンドレイア)

2012-09-07 17:38:58 | 

間が開きましたが、ラマザンバイラムの最終日、前日にふと帰り道で通るEZINE(エズィネ)という街について検索をしてみると少し回り道にはなるけれど、ALXANDREIA(アレクサンドレイア)という遺跡が海沿いにあることを発見。早めにホテルを出発しました。EZINEからBOZCAADAという島に渡るフェリーが出る港の近くの村でALEXANDREIAまでの道を尋ねると、ついでに「そこには昔の港があるけどよかったらそこも見て行ってね」と教えてくれました。

 斜めに組まれた石の壁

エーゲ海からマルマラ海、そしてボスフォラス海峡を通って黒海へ続く海を分つダーダネル海峡を望む場所にその遺跡はありました。真っ青な空に真っ青な海、ただそれだけの景色の中に数本の柱が海に沈んでいます。ここがかつてローマ帝国の首都にと考えられた地だったと誰が想像できるでしょう。

戦争があるとローマ人達はここを通って東に向かったそうです。ローマの商人達がここに住んだとも言われています。またこの港からキリスト教をヨーロッパに布教する者たちが旅立ったなどヨーロッパへの重要な拠点だったそうです。

港から数分、オリーブ畑の中に遺跡の案内板がありました。入り口には小さな小屋があって門番さんがいます。入場料は無料。門番さんが「何がどこにあるかおおよそのことを説明しますね」と出て来てくれました。これまで訪れた畑の中にある人知れぬ遺跡の門番さん達のほとんどは、日がな一日昼寝をして時間をつぶしているようなおじさん達なのですが、ここの門番イスマイルさんはちょっと違いました。

 お屋敷の天井模様

最初は控えめに、遺跡の場所を説明していましたが、私たちが興味を持って色々質問をすると、次々と専門的な知識で答えてくれるのです。自分が管理している遺跡のことについて詳しいだけではなく、エーゲ地方のその他の遺跡との関連やその役割などを、それは豊富な知識でわかりやすく説明してくれます。そこら辺のガイドよりもずっとわかりやすい言葉で説明してくれるのでもっと聞き続けていたいと思うほど。

 門番イスマイルさん

自分の遺跡を愛してやまない門番イスマイルさん、偶然一緒になった考古学者のおじさんも「僕はイスマイルさんに感心しました」と心から賛辞を送っていました。最後に雑談をしていると「日本からなどの旅行者がガイドブックを見せてくれるけれど、ASSOSの遺跡の写真はあってもそこよりももっとすばらしい僕の遺跡の写真はないんです」と悲しそうでした。

 商店街の大理石の道

ALEXANDREIAはアレクサンダー大王の名の下に紀元前310年に建設されました。周囲は8kmの城壁で囲まれていたそうです。その経済力はトロイを凌ぐ程だったそうです。ローマ帝国初代皇帝アウグスチヌスの時代には引退したローマ兵たちの居住地としてローマ帝国の都市の様相を呈していた様です。

 ハマム跡

また紀元3世紀には当時の世界有数のお金持ちだったアテナのHERODES ATTICUSという人がカズ山からこの地まで水路を開き、現在も遺構が残る多くのハマムや泉水を作ったことは往時の豊かさを物語っています。

遺跡からは少し離れたところにあるこのハマム跡、1809年まではほとんど原形をとどめていたそうですが、残念ながら地震で崩れてしまいました。しかしこの大きな建物はトルコにあるローマ帝国時代のハマムとしては最も大きいものの一つであるそうです。

そのままの姿で残る下水道管や斜めに石が並べられたお屋敷の壁や美しい大理石の天井模様など、ほとんど手が加えられていないオリジナルの状態が保たれており、門番イスマイルさんの案内と共にローマ時代へ引きこまれてしまいました。

 

 

ボケボケですが花嫁さんの馬車です。

    

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RAMAZAN BAYRAMI(1)AYAZMA(ラマザンバイラム-アヤズマ)

2012-08-26 16:33:19 | 

今年もラマザン(断食月)が終わり8月19日から3日間のバイラム(祝日)がありました。ちょうど日本のお盆休みと近く、日本の皆さんと一緒に夏休みをした気分。我が家は18日から3泊4日で北エーゲ地方チャナッカレ県の山の中へ出かけました。去年もチャナッカレへ行きましたが今年はトルコでも酸素が最も多いところとして有名なKAZ DAGI(カズ山)です。

今年はどこへ行こうかと特に考えていたわけではなくたまたま見ていたTV番組でKAZ DAGIのAYAZMA(アヤズマ)と言う場所を紹介していました。それを見てすぐに「バイラムはここ?」と二人の意見が一致したのでした。こんなに海が見える景色をトルコで満喫している私ですが、実は海よりも森が好き。と言ってももちろん山ガールではなく森!新緑の緑や枯葉を踏み、水音を聞きながら歩くのが好きです。夫は滝が大好き。

イズミルから300kmあまり、チャナッカレ県のBAYRAMIC(バイラムイチ)KULCULER KOYU(キュルジュ村)の中に一軒だけある温泉ホテルを予約しました。AYAZMAはお隣、EVCILER KOYU(エヴジレル村)にあります。

トルコの道路標識が悪いのか夫が方向音痴なのか、いつも一回で目的地に着かない我が家、迷い込んだ道はりんご畑の中、たわわになったりんごや自生の栗などたくさんの果物が写せたのも迷子の効用?写真の果物たち、全部わかりますか?

AYAZMAというのは「聖なる水」と言う意味があり、その名をつけられたこの場所は国立公園。私達は朝早くに行ったのでまだピクニックをする人はそれほどいませんでしたが、それでも氷の様に冷たい流れを見ながらマンガル(BBQ)の火を起す人達がちらほら。

写真で見ると奥入瀬を思い出させるのですが、奥入瀬と違うところはマンガルの煙とにおい。長い間手をつけていられないほど水は冷たくスイカや飲み物を冷やすのに最適です。ホメロスが叙事詩「イーリアス」の中でこの場所で美人コンテスト?が行われたと書いているそうで、世界最初の美人コンテストが行われた地にちなんで毎年古代ギリシャの衣装に身を包んだ「ミス・アヤズマ」が選ばれているそうです。

クレオパトラが泳いだ水場もあるそうですが、本当にクレオパトラがこんなところまで来たのでしょうか・・・。

宿泊した温泉ホテルは森の中の一軒家。部屋にももちろんジャグジーつきのお風呂がありますし、日帰り入浴ができる家族風呂や男女別の温泉プールもあります。3食いつでも好きな時に食べることのできる食事は、毎日スープから普通の家庭料理、オーブン料理、サラダにデザートと日替わりで数種類の中から選ぶことができます。いつ見てもお客さんとおしゃべりしながら厨房とテーブルの間を走り回っているギャルソン氏達、トルコでこんなにお客さんを喜ばせることが天職の様な人を初めて見ました。

酸素も多ければ風も強くて、食事をしていてもスプーンの中のスープが口に入るまでに飛び散り、お皿の上の魚も飛んで行きました。森の中で食べる食事は本当に美味しい。その上椅子が二人がけのブランコになっているのです。はじめ見たときは何これ?と思いましたが食事をしながら、おしゃべりをしながら、チャイを飲みながら、ぼーっとしながらゆらゆら揺れているのがこれまた心地よい、庭付きの家を持つことができたら絶対にブランコで食事です。

3食、昼寝、温泉つきの3日間、美味しい空気を身体中に補充、ラマザン月の断食は完走できなかったけれど、一応がんばったご褒美のバイラムでした。

 

 

ホテルの温泉プール。時間によっては貸切可能。

    

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CAMLIK BUHARLI LOKOMOTIF MUZESI(チャムルック蒸気機関車博物館)

2012-07-08 17:43:49 | 

GUZELCAMLIからセルチュクを通ってイズミルへ戻るのですが、山の中をトルコ国鉄の鉄道が通っています。CAMLIKと言う駅のそばに「蒸気機関車博物館」があると言うのをどこかで読んでカメラ小僧の夫のいい被写体になるかなと頭の中に( ..)φメモしてありました。でもその日の帰りにはちょっと遠回りになるから無理と思っていたのに、なぜか目の前にCAMLIKの駅舎が・・・。

蒸気機関車博物館ですから当然国鉄の駅に付属してあるのかと思っていたのに、小さな駅舎の周りには小さなお店があるだけ。お店の人に尋ねると少し離れたところに、ひっそりと博物館入り口がありました。これでは知らない人にはなんだかわかりません。

入場料5TLを払って入ると、入り口からは想像できない広大な敷地にびっくりするほどたくさんの蒸気機関車が!!!別に鉄道好きではありませんがトルコのことだから「何ちゃって」じゃないの?と高をくくっていたことを反省するほど立派な博物館でした。

かつてお父さん達が国鉄で働いていた息子達が引退した機関車を買い取り、莫大な費用をかけて展示できる状態に修復した個人の博物館だそうです。一体何台あるのかと思って切符売りのお姉さんに聞いてみたら「知らないわー。30か40あると聞いたけれど私もまだ中をゆっくり見たことはないのよ」と言う答え。興味なさ過ぎ・・・。

アタチュルク(トルコの初代大統領)の御用列車も展示してありました。ベッド、バスルーム、会議室など、アタチュルクは一体何度乗ったのでしょう。バスタブやトイレの立派なことにびっくりでした。

それほど期待もしていなかっただけに見ごたえのある蒸気機関車の数々に興奮、中でも360度放射状に線路があり、中のサークルが回転をすると取り出したい?機関車をレールに乗せ回転させて正規の線路に乗せることができるシステムに感動しました(わかりにくい説明ですね)。豪雪の中を走ってきたであろう除雪車や木製のワゴン車など現役時代を想像すると当時のトルコの沿線風景はどんなだったのだろうとタイムトリップしたくなります。

外からは想像できない立派な展示の数々、セルチュク方面へお越しの方はぜひぜひお立ちりください。

 

 

    

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GUZELCAMLI、PANIONIONからKOY SOFRASIへ

2012-07-03 16:45:07 | 

イズミルからは少し遠いけれど以前から行ってみたいと思っていたAYDIN(アイドゥン)県GUZELCAMLI(ギュゼルチャムル)を目指しました。近くにはクシャダスやプリエネ、ミレトスエスキドアンベイ村があり、近くを通ることはありましたがあらためて訪れたことはありませんでした。GUZELCAMLI(美しい松のある)という名前になんとなく惹かれて憧れの地でした。

いつか夫が引退したらどこか静かな海辺の街で暮らしたい、その為の下見もかねて(?)ドライブです。6月中旬から夏休みに入ったトルコ、大学入試も終わり世間は完全にTATIL(休暇)モード。でも我が家の旅は日帰りです・・・。イズミルから約120km、まずは町の中へ。普段は人口5000人ほどですから、中心部の商店街もこじんまり、そしてトルコになくてはならないおじさんカフェがいくつか。そこから徒歩で海岸へ10分ほど歩くとサマーハウスやペンション、ホテルが建ち並ぶ光景にかわります。

海沿いの家を「こんな家いいねえ」「ここにはただでも住みたくない」などと気ままにお散歩。海風はイズミルに比べてひんやり冷たく気持ちがいい。GUZELCAMLIの昔の名前はPANIONION(パニオニオン)、玉ねぎみたいな名前ですがかつて紀元前700年頃このPANIONIONにイオニア同盟の各都市の代表が定期的に集まり重要な戦略会議を開いていたそうです。

GUZELCAMLIの畑の中にPANIONIONの11段の劇場跡が残っていました。1950年代に発掘されたそうですが、修復もされずに松林の中にそのまま残っているせいで想像力がよけいに膨らむ様な気がします。

ここから私の本来の目的地KOY SOFRASI(キョイソフラス=村の食卓)を目指しました。GUZELCAMLIからイズミルへ20kmほど山の中へ入りKIRAZLI KOY(キラズルキョイ=さくらんぼのある村)を探します。二つの山に挟まれたKIRAZLI KOYは海から吹く風と美味しい空気で一日に8回でも10回でもご飯が食べられると言われたそうです。この村に住んでいたFADIME NINE(ファディメおばあちゃん)は村の結婚式の料理を一手に引き受けていました。結婚式で出されたFADIMEおばあちゃんの料理の美味しさは何日間も村の話題になるほどだったそうです。

ある日息子の1人が「今まで家族の為、村の為に作ってくれた美味しいお母さんの料理を僕達のレストランで作ってくれないか」と頼みました。FADIMEおばあちゃんがTAMAM(タマム=わかった)と言うまでに3年かかったそうですが、家族経営のこの小さなレストランは今では娘さんやお嫁さんの代になり美味しい村の味を伝えています。

メニューはなくキッチンでお鍋の中を見ながら決めるという私の一番好きなスタイル、つい頼みすぎてしまいますが日頃自分では作ることのない土鍋料理や子山羊料理、日曜日だけ作るというピラフなどを頼んでおなかいっぱい。二人だとそんなにたくさん種類を頼めないのが悲しいところです。

食べきれなかった料理やパンはちゃんとお持ち帰りにしてくれます。店頭では認証オーガニックの野菜や果物も販売、村の名前になったほどのさくらんぼを買ってみましたが甘くて美味しい。1kg5TL(約220円)ということでしたが家に帰って測ったら1300gも入っていました。イズミルまでの道路脇では農家の人たちがもぎたての桃を売っていました。これも一箱22個7TL(約310円)で甘い!日本のような名物お菓子などはあまりないけれどその土地の新鮮果物を食べられるのがトルコの旅のいいところです。

あと2週間で今年もラマザンが始まります。

 

 

 KOY SOFRASI→http://www.koysofrasi.net/

     

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N家の修学旅行

2012-01-18 16:49:51 | 

2010年の2月にお仕事の都合で日本からイズミルへいらしたNさんご一家、イズミルにいらっしゃる間にトルコの色々な面をお見せしたいと思いながらも、2年の滞在期間は本当にあっという間に過ぎ、今月末の帰国日が迫ってきました。

AYVALIK(アイヴァルク)へ行きましょうと昨秋から相談をしていたのですが、予定した週末が二回ともものすごい豪雨で断念、今回が本当に3度目の正直。せっかくなのでトロイまで行きましょうと1泊2日の「修学旅行」を計画しました。

前日までずーっと雨が続く梅雨のようなお天気でしたが、当日の朝起きると、青空がかすかに見えます。もしかして晴れ?と期待をしながら出発。AYVALIKに着くまでは何とかもっていたのに、着いた頃からぽつぽつと降り始めた雨はどんどん激しさを増し・・・。

雨の合間にAYVALIKの街の中をぶらぶら散策後、宿泊先のチャナッカレへ向かいました。チャナッカレはイズミルよりもずっと寒くて凍りつきそうでした。でも寒いの大好きな私はとっても幸せ。寒い中を海岸通を4人でお散歩するのも楽しい。

翌日はついに真っ青な空!チャナッカレの街には13日に亡くなった北キプロストルコ共和国初代大統領ラウフ・デンクタシュの為に半旗が掲げられていました。今日の目的地はトロイの遺跡。17時までにイズミルへ戻らなければいけないので散策時間トイレ休憩も含めて30分間!駆け足でしたが、誰もいないトロイの遺跡は私達専用で気持ちがよかったー。

本当に駆け足の1泊旅行でした。でも夫婦二組での旅行はなんだかとても楽しかったのです。Nさんご夫婦はどうだったかな。イズミルにいらしたばかりの頃はお二人の写真を撮る度に夫が「もっとくっついて」「肩に手をおいて」と言っていたのに、すっかりトルコナイズ?されて素敵なツーショットの写真もたくさん写せました。

N家の皆様、TESEKKUR EDERIZ。またいつかどこかで一緒にTATIL(休暇)が過ごせますよう、楽しみにしています。N家の2年間のイズミルの思い出の何ページ分かに私達も参加することができていたらとても幸せです。

 

 

 

カラスのそり遊び(in ロシア)、こうして見るとカラスもかわいい?

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黄葉

2011-12-10 00:02:27 | 

日本の紅葉、美しく錦が織り成す様を見ることができるのも運がよければ…。毎年外苑の絵画館前の銀杏を見る為にお昼休みに職場から走ったものです。トルコで、特にイズミルでは紅葉を見ることもあまりありませんでした。常緑樹が多いのか、木の種類のせいか・・・。でも今年はバイラム休暇の帰り道にも、イズミルで郊外へ出かけた時にも黄葉を見ることができて嬉しかった。

日本にいたら、このくらい目に留めることもないのかもしれませんが、こちらでは黄葉は珍しいので一本黄葉した木があるだけで感動してしまいます。トルコで好きなのがポプラの木と村の風景、バイラム休暇の最終日(もう1ケ月が過ぎましたが・・・)、AKYAKAを後にしてからの山道では、黄葉したポプラがすきっと青空に伸びている中を走ってもう興奮。

行きとは違う、少し遠回りになる道を通ったのですが、それはAYDIN県のBOZDOGANという小さな街にある「MIKADO」と言うPIDE(ピデ=トルコのピザ)屋さんに寄る為。TVのグルメ番組で紹介していて、地元だけではなくイスタンブルからここのPIDEを食べに来る人がいるほど美味しいと聞いて、遠回りをしてくれた夫。

地味~な店内ですが、大勢のお客さんがひっきりなしに入ってきて16時ごろに訪れたのに満員でした。PIDEに乗っている白いものはバターではなくKAYMAK(カイマク=生クリームの濃いもの)、横に添えてあるのはレモンではなくTURUNC(トゥルンチ=ダイダイ)です。

こちらはTAHIN(ターヒン=ゴマペースト)のPIDE。いずれも他のPIDE屋さんでは見かけない味です。イズミルでの知り合いにも店内でばったり会ってびっくり、イスタンブルから食べに来る人がいるというのも大げさではないのかもしれません。紅葉のことを書き始めたのに、ずいぶん脱線してしまいましたね。

 

 

こちらはイズミルの落葉。

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