きのう、己の加齢について思わず弱音を吐いた。
偶然であるが、2005年(平成17年)5月17日、11年前、久住山を背景に「野山を歩く」の仲間と撮った写真が
出てきた。きのうはくじゅうの山開きというニュース。
牧ノ戸峠から沓掛山、久住分かれ、扇ケ鼻を歩いた。快晴、ミヤマキリシマが満開だった。
くじゅう連山、阿蘇仙酔峡・高岳、霧島、雲仙・・・全山ピンクに染まる光景を見た。
そのうちに時間ができれば何度でも見られるなんて思っていたが、それは難しいことだった。
林住期はいつか遊行期に移り、山に登るには自分の心臓が苦しくなっているのだ。
浜辺を歩いて帰ってくると団地の入り口、草の露が光る。
郵便が届いている。湯河原に住む旧友のM.Sさん、庭のあじさいの写真、「墨田の花火」?
アジサイの写真とともに緊急報道写真集「熊本地震」(熊本日々新聞社刊)が同封されている。
ページを開けば、ふるさとの災害のすさまじさに涙が流れる。
友が、身内のものたちがいま苦労しているんだ!
午後、カーラジオを聞いていたら、熊本出身の姜尚中(かんさんじゅん)さんが熊本地震の実体験を
話していた。
「うつらうつらしていたとき、激震が来た。地底の巨人が巨大な足で蹴り上げたかと思うような
突然の衝撃だった。揺れが続くなかで東京の高層ビルにいるかと錯覚した。実は熊本のホテルにいた・・・」
巨人の足が蹴り上げたような衝撃、南阿蘇に住んでいた私の友人がベッドから放り投げられたというその激震
だった。