秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

でぃぷな居酒屋。

2012年05月13日 12時29分01秒 | おもろい関西人。

 昨日仕事中に、N君から電話がありました。「Tのお母さんの仏壇に線香あげに
行きませんか?」・・・・こりゃまた唐突ですな。

そういえば私、お通夜も葬式も出席できなかったよなぁ。高校時代や卒業後もお世話
になったのに、ずっと心にひっかかっていたんですよね。

そこで仕事を早めに切り上げて夕刻、Tの実家へお邪魔して仏壇に手を合わせて、
ようやく、私の中にあったわだかまりの一つが解消できました。

その後はN君と一杯やるつもりだったけど、Tのお兄さんから、「せっかく来てくれたん
やし、ちょっと飲みにいこか?かなりディープな店やし、紹介しときたいねん。」

Tのお父さんはその店に毎夜かよっているそうです。(ホントに定休日以外ずっと)
お父さん自体がかなりディープなんですけどネ・・・。

その日はTは以前からの約束があって顔を出してなかったんですけど、本人がいなく
ても、その兄と父と一杯やる。この事実をとってもT家のオープンさがうかがえます。

てっきり近所の店だと思ってたら、なんと千本二条ですと。オヤジさん敬老パスで
バスを乗り換えながら皆勤?してるとは・・・・。なんてパワフルなオヤジなんだ。

タクシーに乗り込んで、「ところで、今から行く店って、どんなトコがディープなんです?」
と、お兄さんに聞いたんですけどネ。

「ウン、その店、常連しかこん(来ない)店なんやけどな、平均年齢がメチャ高いねん。
一番若い人で65歳やし。」

おっと、それは飲み屋じゃなくて、ケアハウスじゃないの?と聞いたら、まぁ似たような
もんやナ、という返答。

で、到着したのが出世稲荷の正面。店名だけを記したそっけない看板が・・・・・。通りを
挟んだ向かいにある寿司屋はいったことあるけど、こんな店があったとは知らなかった。

千本通りからちょいと路地を西にはいると、そのお店がありました。想像していた店と違い、
こざっぱりしたアルミサッシの表戸。ガラリとその戸を開けて三人で入店。

カウンターに先客は6名。ん、こりゃ確かに平均年齢は高いぞ。私たちの入店によって平均
年齢がぐっと下がりましたけど、通常ならありえない状況です。

一番端っこに腰かけていたのがクダンのTのオヤジさん。「お~○○かぁ!久しぶりやのぅ。まだ
生きとったんかぁ」(○○はワタクシの名前です。)

いや、順番ならオヤジさんのほうが先に逝くはずなんですけどね。でもそんな順次は関係ない
ほど元気一杯の姿をみて、ホンマ、嬉しくて涙ぐみそうになっちまいました。

とりあえず、三人はカウンター席でオヤジさんたちを交えて飲みだしたけど、次から次へとやって
来る常連さんに席を譲って私たちはテーブル席へ。(来店客はすべて65歳以上です)

常連しか来ない店、というか、こりゃ一見さんは入り込めんぞ、この店。お品書きは一切無し。
だもんで、客はママが出してくれる「おばんさい」などをアテに飲むシステムです。

これは仕入れに無駄がなくていいやね。ただ常連でない客にとってはナニを注文していいのか、
分からないし、出された品が幾らなのかサッパリわからない・・・・。

だから、常連さんだけで維持している店なんでしょうネ。ディープというより「でぃぷ」なお店を
紹介してくれたTの兄貴に感謝です。

 

 

 

 



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