秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

大仏師。

2011年02月06日 10時03分03秒 | 京都非観光迷所案内
昨日、山王神社の帰り道(というか、こちらが本命の用事だった
んですけどネ)西京図書館までブラ歩き。

と、突然こんな建物にに遭遇してしまった。屋上やらベランダやら
にアチコチの方向に向かって居並ぶ人形たち・・・。

まるで人形が要塞を守っているかのように見えましたね。近くによって
みて納得。仏像などの製作所でした。


さらに近づいて看板を見たら「大仏師」と書かれた表札が目にとまりました。

「大仏師」なんて聞くと奈良の大仏みたいな大きな仏像を造る匠かな?と思って
しまいそうですが、これは称号です。

仏師の棟梁を大仏師とよび、職人は小仏師で、かつては大仏師は宮門跡を通じ町
奉行に伺い指示を受けていたそうです。

大仏師号は御所の許可が必要だったそうですが、現在はどうなんでしょうね。

昔は仏所で製造されており、七条仏所は「慶派」三条仏所は円勢、賢円、長円の
グループで「円派」、七条大宮の仏所は院尊、院実、院覚らの「覚派」と呼ばれた
そうです。


余談ついでに、大仏とよばれる仏像のサイズは「丈六」(4,8メートル)からで、座像
は半分の2.4メートル以上だそうです。

秀吉が京都に建てた大仏は奈良の大仏より3メートル高くて、19メートルもあったそう
ですが地震で倒壊、その後も建立、火災を繰り返し今では地名として残るばかり・・。

大仏さんは京都では暮らしにくいようですね。奈良の平城京の遷都の理由の一つに
大仏鋳造のため河川が汚染されたため。って説もあります。

どうも人間という生物は権力やお金を余分にもつと、このたぐいの建造物を建てたく
なるようです。バブルの遺跡だと思える大観音なども各地に残されてますよね。