HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

命と生きるということ②

2020年05月12日 | 結婚生活

時系列がはっきりと思い出せないのだけど。
動物に関しては、本当に悲しい思い出しかない。

夫が二女を連れて、少し離れた大きめの公園に行ったとき
小さな段ボールを抱えて帰ってきた。

「これ」

中をのぞくと、子猫が入っていた。
目やにで目は開かず、与えられていた牛乳も
子供が与えたのであろう牛乳パックにストローが刺さっていただけだった。

『どうするの?』

「可哀そうだし」

ワタシタチ夫婦は、祖母から‘この家に住まわせてもらっている’立場だ。
祖母は、動物嫌いだった。
特に、猫は嫌いだったようだ。
長年別居生活をしていた連れ合いが、猫を溺愛していたことも関係あるのだろうか。

そういうこともあり、ワタシはしぶった。
でも、夫が可哀そうを連呼し、僕は飼ってもかまわないと言うので
猫のトイレを作り、餌を買い、目やにを拭き、体を拭き、目薬を差し。
数日すると、それはそれは綺麗に目が開き、
グリーンの目をした茶白の、ハイオクターブで鳴く貴婦人(猫)が現れた。

こと長女は喜び、可愛がり、相性ってあるんだな、と思うのだった。

しかし、それも束の間。

夫は猫の毛が付くと言って怒り始め、それに気を遣わねばならなくなった。

ある日、その猫が窓を開けたとたん、外に出てしまった。
探し回ってすぐに捕まえたのだけど、
それ以来、外に出てしまうことが増えてしまった。

それを、近所の人が(恐らく祖母の友人)が祖母に告げ口したのだろう。
祖母が怒鳴り込んできた。

「ここは誰の家ですか?あなたたちは住まわせてもらっているのよね?
 猫がいると聞いたよ。どういうつもり?私の嫌いなものを家に入れるなんて。
 覚悟があってのことだよね」

ワタシは、こうなると予測していた。
夫は、黙っていた。

そののち、夫の口から出たのは
「君の実家は猫を飼ってたよね。引き取ってもらおう」

逃げるんだ、また。

前の犬のように、否定されるとそれまでなのだ。
その時ばかりは、自分の意見を、欲を通そうとする性格は鳴りを潜め
ただただ自分が悪者にならないように、逃げる。

それが、夫という人間だ。

実家に話を通し、猫を連れて行った。
帰りの車の中で、長女はボロボロになった。
どれだけ、心に大きな傷を残したのだろう。
ワタシは、もう、二度と動物にはかかわるまい、と誓った。
結婚している限り。

そして、この気持ちが、のちに大きなジャンプになった。

実家に帰る度、その猫はワタシを、娘を迎えてくれた。
「もうすぐ、ママが帰ってくるよ、っていうとね、ニャーンって返事をして
 いつもは下りてこない一階に下りてくるのよ」
という母の言葉が、忘れられない。

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