中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

さすが男山

2009-09-16 18:27:27 | お酒の話(県外)
 札幌と言えばジンギスカン。美味しいラム肉をたらふく…ということはいたしませんでした。良さそうな店はどこも混んでるし、そういう所で慌ただしく焼いても、ゆっくり飲めないのであまり面白くない。美味しい料理はお酒をより美味しくするためにある、というのが私のポリシーですので、「並んでも食べたい物」という物は無いのです。

 そこで札幌最後の夜はちょっと外れの静かな居酒屋へ。実はまだ北海道では旨い日本酒にめぐりあってないのです。北海道はご存知の通り食べ物は美味しいのですが、それに見合うような地酒を知りません。今まで飲んだのはどれも…。米どころじゃないから仕方ないのかな。

 持てる嗅覚を最大限に活かして選んだ居酒屋は、入ってみるとガラガラ。大丈夫なの?ここまで静かじゃなくても良いんだけどな…。ハズしたか?

 とりあえずビール。そして恐る恐るお通しを…。店の当りハズレは、間違いなく「お通し」て決まりますよね。出てきたのは…見てもよくわからない。すみません、何すかこれ?
「地鶏の自家製スモークと地元の玉ねぎです。」
和系の居酒屋には珍しい。食べてみると…おお、自分の嗅覚は間違ってなかった!

 こうなると安心。
「一番お薦めの料理と一番お薦めの地酒を下さい。」
味覚のセンスが信頼できたら後は任せるのが一番です。

 そうして出てきたのが写真の「自家製スモークラムのジンギスカン風」です。「自家製スモーク」にこだわるね。何とも珍しい。よくある固形燃料が下に入ってます。まさか居酒屋で実際にジンギスカンをやるとは思わなかった。

 味は…スモークされてるとは言って保存食みたいな感じではなくて、軟らかい。焼けた玉ねぎの上で温めたせいか、やたらとしっとりしつつ香ばしい。当りだね。そして問題の地酒は…。

 出されたのは何と「男山」。北海道にも山形のとは違う「男山」という酒があるんですよね。今まで何回か飲んだ事がありますが、山形の男山の会員としては「こんな酒に男山って名前をつけるんじゃないっ!」と言いたくなるような酒ばかり。

「ああ、男山ですか…」
「ご存知ですか?札幌の地酒です。」
「知ってはいますが…(札幌のでなければなお良いんだけど)。」
男山って銘柄は本来は京都のもので、それが山形を始め全国に「のれん分け」(とはちょっと違うのかも知れませんが)されたようですね。

 あきらめて飲んでみると…ん、今までのと違う。つんと来る感じがなくて、落ち着いたのど越し。値段は今まで飲んだやつより安いのにグレードが高いみたい。やれば出来るんだね。北海道の地酒独断ランキング1位は男山に決定。そして、やっぱり良いお店でした。

 良いひと時を過ごしました。札幌のイメージも上がりました(何でも酒で判断するのは良くないですが、水が合うっていうのもありますし)。

 今からフェリーに乗りますが、「また来たいな」と思って街を後にできるのは嬉しい事です。

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