中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

五薫

2020-11-26 22:10:00 | お酒の話し(山形県)
 蕎麦屋に入ると、昼間から酒を飲んでいるお年寄りがいたりします。

…本当に憧れる。

 「いたわさ」とか天ぷらを肴に、いい感じで飲んでいるのを見ると、せめて、あんな風にできるぐらいには、健康面と経済面において、「大丈夫な」老人になりたいものだと思うのです。

 ところが。現実的に考えてみると、蕎麦屋には、あまり大した酒がない。メニューには、だいたい「ビール」と「日本酒」としか書いてない。この場合の「日本酒」というやつをオーダーすると、本当にガッカリさせられることが多いのです。

 たしかに日本酒ではあるが…ときにご主人。ご自分でこの酒を飲んだことがありますか?本当にありますかっ⁈

 と、言いたくなるような酒が出てくる。こんなに美味い蕎麦を出すのに。

 やはり、そう思っていたのは私だけではなかった。

 ということで、蕎麦屋のための美味い酒を、山形の男山が造ったのです。契約している山形の蕎麦屋にのみ販売される、まさに蕎麦屋の隠し酒…「五薫」(ごくん)です。

 特別仕様の酒で、美味いのは知っていましたが、どこの酒屋にも置いていないので、私もほとんど飲んだことがありませんでした。さすがに昼間から蕎麦屋飲みするには、まだまだ身分と年齢が足りてませんので。

 それを今回、男山と懇意にしている方から、特別に頂いたのでした。…これを自宅で飲むことができるとは。

 蕎麦はゆでませんが、開栓。

…まさに「蕎麦前」という感じで、余計な香りが全くなく、静かな味。お新香とか、かまぼこだけで、いくらでも飲んでいられる、優しくてじっくりとした風味です。そして初めから、脇に徹することを心得ている。いっさい不足は無いながら、かといって「やっぱ今日はとことん飲むか!」というほどには魅惑してこない。

 食前酒でも食中酒でもなく、全てを心得た執事のようです。

 行き届いたもてなしを堪能しました。将来、昼間の蕎麦屋でこれを飲むのを目標にして頑張ります。

 皆様にも、世の中が落ち着いたら山形に来て、美味い蕎麦と一緒に、ぜひご賞味いただきたい。

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