山口県にある「楊貴妃の風呂」を標榜する温泉地のホテルに行った。以前、会社の旅行で行ったことがあるが、また行ってみようということで。
中国四大美女の一人、楊貴妃について、何の脈絡もないわけではなく、日本海に面するこの地に、安史の乱(755年)で都を追われた楊貴妃は死んでおらず(自害説、他殺説あるらしい)、船に乗って日本まで流れ着き、この地で亡くなった、という地元の伝承があるためという。今回行かなかったが、やや離れた海岸沿いに楊貴妃の墓もあるという。で、楊貴妃が玄宗皇帝と遊んだ西安の華清池にある楊貴妃のための温泉の風呂を模して、ホテル内に大理石を用いて再現したというのが、この風呂「華清湯 貴妃湯」。
もちろん、同じものではないが、中央部に蓮の花を模したものがあり、そこから湯がわき出ている。泉質はアルカリ泉のようで、肌がつるつるする。ま、美人になるかな。貴妃湯に入れるのは、女性が午後、男性が午前。
その反対には玄宗皇帝が好んで入ったという、華清池にある風呂を模した(ホント?)という「太子湯」がある。
ホテルには中国人が訪れては色々描くらしく、書画があちこちに飾られている。
で、風呂の後は料理。今回は鮟鱇(あんこう)づくし、ということで、これが鍋の具。鍋は味噌仕立てだった。
キンモクセイのワイン「楊貴妃ワイン」のあとは、これまた楊貴妃が好んだという粥に、クコの実、ゴマ、レーズン、松の実、ピーナッツなどなどを入れたものを食べ、食事に勢いをつける、のだそうだ。
フグは湯引きしたもの。生に比べるとちょっと。ま、勢いで、ということで。
突き出しは左からアンキモ、貝のカラシ和え、次は植物みたいだったけど明太子和えとのこと。アンキモはもうちょっとトロっとしていれば良かったのに。
定番の刺身。ま、そこそこ良かった。地元の近海モノというわけではなかろうが。
鮟鱇の唐揚げ。レモンを絞って梅塩で食べる。骨はあるが、なかなか良かった。でもフグの唐揚げの方が美味しいし好き。
アンキモのステーキ。結構味付けは濃かったし、あぶらギッシュ。これはアンキモからのものか。ま、鮟鱇づくしなら食べておかないと、という感じのもの。
鍋全体は静止画を撮るのを失念。味噌味で野菜も豊富でなかなか健康的で美味しかった。で鍋の具をさらった後は定番の雑炊。卵とネギだけ。醤油味の鍋の時などのように塩をふることもなく、味噌の鍋の素材の味そのままで美味しく食べられた。
考えてみると、今回は肉はまったく食べなかったなあ。
デザートはこれまた楊貴妃が愛してやまなかったというライチ。当時は南方の特産で、交通手段が発達していなかった頃は、西安まで運んでくるのは至難の業だったという。
で、翌朝、朝食を食べて、さあ帰ろうと思って外を見ると雪。最寄りの中国道の乗り口はチェーン規制というので、規制を外れたインターチェンジまで下道を走る。結構すごい雪の中を走る。で、関門大橋を渡りしばらくすると雪のため通行止め。渋滞する下道の国道3号線をひた走り、やっとのことで通行止めが終わったところから再度、九州道に乗り、帰り着いた。お疲れ様。