Takepuのブログ

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中国女子サッカー失われた10年

2011-09-12 11:23:59 | 時事
ロンドン五輪女子サッカーアジア最終予選で、日本に0-1で敗れた中国。試合前にロンドン五輪出場が閉ざされたことは決まっていたのだが、12日朝、新華社サイトを開けると、トップの位置で「中国女足氷封十年」(中国女子サッカーの凍り付いた10年)との記事が掲載されていた。

ざっと要約すると、
W杯を獲った日本に負け、「鋼鉄のバラ」中国女子は1996年以来、初めて五輪出場権を失った。96年のアトランタ五輪で女子サッカーが正式競技になって以来、成績は下がり続けたが五輪出場は維持していた。2010年のアジア杯で中国がアジア4位になり初めてW杯出場を逃してから、今度は初めて五輪出場もならず、中国女子サッカーは最低の谷に入り込んでしまった。

女子サッカーの悲劇は「空中楼閣」体系の必然の結果だ(これは、女子サッカーの組織が極めてぜい弱だということを表しているようだ)。
2003年に中国はすでに退潮状態で、アジアでは北朝鮮と日本が2大強国で、2004年のアテネ五輪では、アジア出場枠は2。日本と北朝鮮は同じ「死の組」で競い、中国はもう一つの楽な組に入り、五輪出場を勝ち取った。くじ運がよかったことで出場できたにもかかわらず、当時の中国サッカー協会女子部の張健強主任は、中国チームが明らかに下降状態にあることを認めなかった。

上海出身の元代表選手でサッカージャーナリストの孫U+96EFはこう指摘する。中国は攻めでも守りでも、チーム一丸となった連動した動きは見られなかった。どんな選手が必要でどのようなスタイルをとるのかわかっていない。さらに頭を使ってサッカーをしていない、と。特にFWが局面を打開できず、自らの能力を発揮できる状態ではない、低迷状態である、と批判している。

このなかで、北京の地元紙は、サッカー協会の怠慢がこのような事態を招いたのであり、女子サッカーの競技者や愛好者が何人いるのかも分からないままでは、なぜ中国サッカーが荒涼たる砂漠の中でバラの花も咲かせないのか、十分理解できる、としている。


これより前に新華社にアップしていた「中国女子サッカーは空中楼閣から真の金字塔にならなければならない」との記事では、2011年のドイツW杯を見ても、強豪チームの技術的進歩は明らかだった。ドイツの競技人口は100万人、米国は300万人、日本でも3万人だ。中国は代表チームを作るとき、数千人の選手の中から数百人をピックアップするしかない。中国女子サッカーの悲劇は必然の結果だ。

すでに手を打ち始めたらしい。教育部門と体育部門が協力して学生の育成を進める。この夏休みに4つの女子サッカーキャンプを作り、600人の小中学生から才能のある100人を選んだらしい。そして予算を増額させ、試合数を倍増させるという。いずれも学校教育とサッカーを結びつけた早期育成のシステムを模索している。
代表チームについては、特に日本女子の技術を参考に、身体的に劣るアジア人がその欠点を補うプレーを検討するという。特に頭脳派の指揮官や選手が決定的に不足しているため、頭脳的なプレーができないと認めている。将来、これらの分野で向上が見られれば中国女子サッカーは強くなるはずだ、と結論づけている。

W杯で日本が優勝し、一方で中国がW杯も五輪も出場を逃したことは、いまさらながら中国にとって大変なショックだったようだ。このように絵に描いた餅がうまくいくかどうか。人口が多いことから突然強くなることも考えられる。油断は禁物だ。


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