Takepuのブログ

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国民党は朝令暮改

2015-10-09 01:36:28 | 時事
来年1月の台湾の総統選挙に、与党・国民党が候補者に機関決定していた立法院副院長(国会副議長)の洪秀柱女史(67)を降ろそうと、国民党は7日、中央常務委員会を開き、来週、臨時党大会を開き、総統選候補者について協議することを決めた。洪候補の公認を取り消し、党主席の朱立倫・新北市長(54)を公認候補とする方針。



そもそも、7月の公認候補決定については、朱主席も、呉敦義・副総統も、王金平・立法院長も出馬表明せず、唯一立候補した洪女史に決まってしまった経緯がある。総統選立候補を決めている野党・民進党の蔡英文主席に世論調査などで大きく水を開けられ、総統選で惨敗するのを避け、政治経歴に傷がつくのを避けようと、朱主席初め、党の有力者たちは立候補をひかえていたが、総統選で負けるのはともかく、総統選とダブル選挙で行われる立法委員選挙(国会議員選挙)を、洪女史では戦えないと立法委員らから不満の声が上がっていたという。

その原因は洪女史が主張する「一中同表」に代表される中国大陸との統一を志向する政治姿勢で、現在の馬英九総統が親中的な立場を取っているにも関わらず、国民党内ではあまり中国寄りになると選挙を戦えない、との考えが広まっているのだろう。

ただ、以前書いたように、朱主席が新北市長の任期を残したまま辞任し、総統選挙に臨むというのは、新北市民を裏切ることになるほか、当初、出馬しないといっていたにもかかわらず、突然手のひらを返し、正式な手続きを経て選ばれた洪女史をやめさせて、総統選の敗北は織り込み済みで、立法委員選挙を戦おうとの姑息な考えが、台湾住民に受け入れられるのか。

国民党は人心をさらに失い、総統選だけでなく立法委員選挙でも民進党が大勝利し、台湾の独立色が強まり、大陸との緊張が強まる可能性も考えられる。

洪女史は仮処分申請をすることも示唆し、7日の中央常務委員会の会場外では、国民党の方針に反対する人々がデモを起こしていたという。党が割れることも考えられ、台湾政治は大きな転換点に至るかも知れない。