Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

農作物で慌てぬよう

2011-03-19 14:22:02 | 時事
塩問題で露呈した、中国のデマに振り回される状況。上海などでは買いすぎた塩を商店に買い戻してもらおうと圧力をかける厚顔無恥な者まで出てきている始末だという。

さて、日本政府は福島県の牛乳(原乳)と、茨城県のホウレンソウについて、含有放射性物質が規定を超えるとして、出荷停止を決めた。これに対する反応はどうなるだろうか。



パニックを恐れる中国当局は極めて低調にこのことを報じているようだ。
で、牛乳といって思い出すのは、メラミンが混入された粉ミルクによる中国の乳幼児の被害だ。生乳を水で薄めるケースがしばしばあり、そのことがばれないように、メラミンを混入したという。牛乳のたんぱく質濃度を測る際には、その窒素含有量を測定することから、窒素含有の多いメラミンを混入したのが原因のようだ。来日した中国人が大量の日本製粉ミルクを購入して帰る姿がしばしば空港などで見られたが、今後、日本製粉ミルクはどうなるだろうか。別に中国人に買ってもらわなくても結構だが。

かつて香港にいた際、日本でO157問題が騒がれたことがあった。香港メディアは神経質なほどに日本製食品のO157感染問題を報じ、日本系百貨店やスーパーからカイワレ大根などが姿を消したことがあった。今回、牛乳もホウレンソウも当該地区の産品は流通していないそうだが、日本のその他の地域の牛乳や野菜が風評被害の影響を受けないか、全く関係ない塩であれだけ騒いだ国ゆえに、心配だ。


ちょっと古いデータだが、日本の文部科学省が毎日空気中の放射性物質の含有量を発表している。先日の中国各都市のグラフと同様のもののようだが、宮城や福島で、恐らく数値が高いために観測不能で数値が出されていない以外は、茨城、栃木、群馬、埼玉など関東北部地方で数値が高いが、それ以外の地域にはほとんど影響がないことが見て分かる。高い数値でも健康被害を受ける数値より低いとされている。いわんや、数千キロ離れている外国に人的影響を及ぼすことはないだろう。

もちろん、これはあくまでも政府側の発表だ。政府は原発の半径20キロ~30キロ外への避難を勧めているが、米国政府などは大使館員や領事館員のほか、自国民に対して80キロ外に出るように指導している。

もちろん、どちらが正しいとはいえないが、なるべく遠く離れたほうがよいに決まっている。逃げる場所がある外国人らは逃げるのは正しい。放射性物質の影響は短期的にはないと日本政府も説明しているが、長期にわたって観測を続ければ、がんなどの影響がないとはいえないかもしれない。またあまり時間がたってしまえば、被ばくとの因果関係を証明することは難しくなるだろう。

それは今、原爆症や水俣病、石綿(アスベスト)によるじん肺障害を起こした患者に対する国の保障がなかなか進まないのを見ればわかる。もちろん、一義的には病気にならないことが一番だ。因果関係を証明するのがどれほど大変かは、これらの患者団体による訴訟の様子を見ても分かる。

それから、日本では「五十戦士」などとは全く報道されていない。これは英雄を見つけ出して報道する他国メディアの癖なのかもしれない。英での報道で5人が殉職したとされているが、東京電力の作業員が死亡したとの発表も報道もない。日本政府や東京電力が隠しているとの考え方があるかもしれないが、圧倒的に多い日本のメディアが「5人死亡」に気がつかず、おそらく1、2人しかいない英国メディアがこんなスクープをできるわけがない。日本メディアに対して日本政府が口止めしている、報道管制しているということもありえない。どこか外国のメディアのように……。はっきり言ってガセネタだ。情報の信頼性を吟味せず、衝撃的なニュースをかいつまんで騒ぐのは外国での報道の悪い癖だ。

東京電力側はあくまでも加害者だ。それは社長が謝罪したことからも明らかだ。仮に「五十戦士」が活躍したとしても、そのことによって東京電力や政府の原子力発電政策に対する追及をゆるめるわけではない。責任が軽減されるわけでもない。

同様に、外国からの救援隊について多少の報道はあるが、中国隊が外国の救援隊で一番遅く20日に離日した、とか、高い評価を受けた、などとの報道も日本では、失礼ながら、ない。もちろん感謝している。が、日本では救援活動は淡々と行われているのは当たり前で、救援隊にドラマティックに焦点を当てることはあまりない。20日、80歳のおばあちゃんと16歳の少年が地震発生から9日ぶりに奇跡的に救助されたが、ニュースの焦点は彼ら本人であり、彼らを助けた日本の救援隊ではない。

それは救援隊を模範人物として学習して愛国心を鼓舞するような政策とは、日本が一切無縁な社会だからだ。