Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

映画「二十四城記」を見た

2009-05-26 23:20:24 | 映画鑑賞
「三峡好人」(邦題・長江哀歌)で2006年のベネチア国際映画祭でグランプリの金獅子賞をとった賈樟柯(jia・zhang ke)監督の新作「二十四城記」 (邦題・四川のうた)を見た。
我が懐かしの留学先の四川省成都市にあった巨大な工場が廃止されるのに伴い、そこの労働者やゆかりの人たちの声をオムニバス形式で集めた、ドキュメンタリータッチの作品。
「タッチの」と書いたのは、労働者本人でなく、有名俳優が元労働者を演じているから。「色、戒 ラスト・コーション」で易夫人役の陳冲(ジョアン・チェン)や「老井(邦題・古井戸)」などに出ていた呂麗萍も出ている。
冒頭はたぶん本当の労働者だった人だろうけど、バリバリの四川語で、中国人も字幕なしで分かるんだろうか、って感じ。
そのあと、呂麗萍が普通話で「おやっ?」と思ってたら、この工場は毛沢東の三線建設で、東北の遼寧省瀋陽から大部分移動してきたものだという。そのとき瀋陽から来たという設定だ。「三線建設」とは、1950-60年代に、米ソ冷戦下で第3次世界大戦が起きるかも、とビビりまくっていた毛沢東が、重要基幹産業を攻撃を受けやすい沿海部などから西南部など山深い田舎に移動させた政策。成都と雲南省昆明を結ぶ鉄道「成昆線」も、このときたくさんのトンネルを掘りながら、多くの犠牲を出しながら開通した。いきなり説明なしで「三線建設」って日本の普通の観客には分からないだろうなあ。
陳冲は上海から来たという設定で、上海語で話す。「芙蓉鎮」で超有名になった劉暁慶主演の映画「小花」(邦題・戦場の花)の主人公に似ていたから小花と呼ばれたとか、半分ホントっぽいリアルな設定だ。この映画には陳冲ももう一人の小花役で出ていた。
2時間以上だったけど、結構見ごたえがあった。ウィークデーの10時20分からということで観客は片手で数えられるほどだったが。

で夕食はいつもの店で重慶火鍋。もちろん辣子鶏(鶏肉の唐辛子炒め)と木須肉片(きくらげと豚肉の卵炒め)も頼んだ。やっぱ四川料理はいいねえ。ビールもジョッキ3杯。