音楽座ミュージカル「メトロに乗って」
2014年10月10日18時30分開演
新宿文化センター大ホール 10列目上手寄り
原作があるので、ネタバレしても大丈夫のはず、ということで書いていますので、ご了承のほどお願い致します。
2007年に舞台を、2009年に舞台版の映画を観ています。今年は2014年、5年ぶりの再会ということになります。
舞台の最後に、野平先生が、「忘れろ」とおっしゃいますが、忘れたくないことまで最近は忘れまして、この舞台もこんな場面あった???でした。
第一幕は、いろいろな登場人物が登場だけしてきて、互いにどんなつながりがあるのかよくわからないまま進行していきます。原作を読んでいる人は、ちょっとした演技で、「あっ、この人、あの人との関係に気付いたのかも」などと思うのですよね。第二幕で怒涛の人間関係解決となりますので、第二幕を楽しみにしてほしい舞台なのです。
この作品の主人公小沼真次は、最初の方の台詞にある通り「取り返しのつかない人生を送って」います。父親の小沼佐吉が築いた大企業体小沼グループからも距離を置き、家族との関係もそこそこ、軽部みち子との関係も付かず離れず、のようにふらふらとした人生を送っています。舞台の主人公としては捕えどころのない、魅力的とは言い難い人物です。
それを演じているのが、広田勇二さん。
初演の初日には、この捕えどころのない役を捕えどころなく演じていらしたように思いました。でも、映画で見て、矛盾しているようですが、捕えどころのない役を捕えていらっしゃるなぁと思いました。
今回の新宿公演は、捕えどころがないという雰囲気はありながらも、一歩踏み込んで、真次の心の迷いをはっきりと出していたように感じました。まあ、最後はまた捕えどころのない、他人のことは考えず、父親佐吉譲りの自分のやりたいように生きていくを選択するのですが。
さて、その一歩踏み込んだをすごく感じたのは、アムールにカメラの買い付けの手伝いをして欲しいと頼まれ、それを受け入れるときの歌です。多分、アムール役の益山武明さんの歌いかけ、演技もいいので、相乗効果ということがあるのだと思います。
この時点で、アムールが自分の父親とは知らない真次なのですが、自分にはない「生きる」ことへの情熱や他人を惹きつける魅力を、アムールの中に見つけ、こんな風に生きてみたいと思ったのかなぁ、と。
すべてに諦めて生きている真次ではなく、本当は熱い思いがあるのかも、と、頑張れ、と声掛けしてしまいたくなる真次にすごく共感してしまいした。
少し書きましたが、益山さんがアムールを好演。歌はやや不安定なところもあるものの、いつも前向きで一生懸命生きていた小沼佐吉を演じ切りました。
「星の王子様」でキツネを演じていらした時に、アムールにぴったりかも、と思ったので、それが当たって嬉しかったですね。
お時さんの井田安寿さんは安定の公演。かっこいい闇市時代と、みち子を身ごもっているときの優しさが見事でした。
何と言っても野平先生の勝部演之さん。小説通りに最後を終わらせるのでは、どこで終わりかわからないのでかなり脚色された場面です。ここでの野平先生が本当にいいですね。
軽部みち子の美羽あさひさんも素晴らしい歌声でした。小さな幸せをしっかり受け止めて生きてきたであろうみち子を好演していました。
昨年の秋は「ラブ・レター」で新宿文化センター大ホールでした。かなりう~~~んという音響でした。音が回るのか、アンサンブルになると歌詞は殆ど聞き取れませんでした。
残念ながら、今回も同じでした。
もう少し小さなホールで観たら、もっと熱い思いが伝わってくるのではないかなぁと思いました。ちなみに、初演は、改装前の東京芸術劇場中ホールでした。改装後のあのホールでこの舞台を観劇したかったですね。
新宿文化センターでの公演は10月12日まで。
このあと、いろいろな区のホールで上演されるようです。ぴったりのホール探しをするためにリピートするのも一つの楽しみかもしれませんね。
2014年10月10日18時30分開演
新宿文化センター大ホール 10列目上手寄り
原作があるので、ネタバレしても大丈夫のはず、ということで書いていますので、ご了承のほどお願い致します。
2007年に舞台を、2009年に舞台版の映画を観ています。今年は2014年、5年ぶりの再会ということになります。
舞台の最後に、野平先生が、「忘れろ」とおっしゃいますが、忘れたくないことまで最近は忘れまして、この舞台もこんな場面あった???でした。
第一幕は、いろいろな登場人物が登場だけしてきて、互いにどんなつながりがあるのかよくわからないまま進行していきます。原作を読んでいる人は、ちょっとした演技で、「あっ、この人、あの人との関係に気付いたのかも」などと思うのですよね。第二幕で怒涛の人間関係解決となりますので、第二幕を楽しみにしてほしい舞台なのです。
この作品の主人公小沼真次は、最初の方の台詞にある通り「取り返しのつかない人生を送って」います。父親の小沼佐吉が築いた大企業体小沼グループからも距離を置き、家族との関係もそこそこ、軽部みち子との関係も付かず離れず、のようにふらふらとした人生を送っています。舞台の主人公としては捕えどころのない、魅力的とは言い難い人物です。
それを演じているのが、広田勇二さん。
初演の初日には、この捕えどころのない役を捕えどころなく演じていらしたように思いました。でも、映画で見て、矛盾しているようですが、捕えどころのない役を捕えていらっしゃるなぁと思いました。
今回の新宿公演は、捕えどころがないという雰囲気はありながらも、一歩踏み込んで、真次の心の迷いをはっきりと出していたように感じました。まあ、最後はまた捕えどころのない、他人のことは考えず、父親佐吉譲りの自分のやりたいように生きていくを選択するのですが。
さて、その一歩踏み込んだをすごく感じたのは、アムールにカメラの買い付けの手伝いをして欲しいと頼まれ、それを受け入れるときの歌です。多分、アムール役の益山武明さんの歌いかけ、演技もいいので、相乗効果ということがあるのだと思います。
この時点で、アムールが自分の父親とは知らない真次なのですが、自分にはない「生きる」ことへの情熱や他人を惹きつける魅力を、アムールの中に見つけ、こんな風に生きてみたいと思ったのかなぁ、と。
すべてに諦めて生きている真次ではなく、本当は熱い思いがあるのかも、と、頑張れ、と声掛けしてしまいたくなる真次にすごく共感してしまいした。
少し書きましたが、益山さんがアムールを好演。歌はやや不安定なところもあるものの、いつも前向きで一生懸命生きていた小沼佐吉を演じ切りました。
「星の王子様」でキツネを演じていらした時に、アムールにぴったりかも、と思ったので、それが当たって嬉しかったですね。
お時さんの井田安寿さんは安定の公演。かっこいい闇市時代と、みち子を身ごもっているときの優しさが見事でした。
何と言っても野平先生の勝部演之さん。小説通りに最後を終わらせるのでは、どこで終わりかわからないのでかなり脚色された場面です。ここでの野平先生が本当にいいですね。
軽部みち子の美羽あさひさんも素晴らしい歌声でした。小さな幸せをしっかり受け止めて生きてきたであろうみち子を好演していました。
昨年の秋は「ラブ・レター」で新宿文化センター大ホールでした。かなりう~~~んという音響でした。音が回るのか、アンサンブルになると歌詞は殆ど聞き取れませんでした。
残念ながら、今回も同じでした。
もう少し小さなホールで観たら、もっと熱い思いが伝わってくるのではないかなぁと思いました。ちなみに、初演は、改装前の東京芸術劇場中ホールでした。改装後のあのホールでこの舞台を観劇したかったですね。
新宿文化センターでの公演は10月12日まで。
このあと、いろいろな区のホールで上演されるようです。ぴったりのホール探しをするためにリピートするのも一つの楽しみかもしれませんね。
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