わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

AKURO悪路

2006年10月24日 | 観劇記
06年10月24日マチネ
サンシャイン劇場  3列目の上手より

今後書き直すかもしれませんが、感想を少々。

TSミュージカルファンデーションの作品はこれで3作品目の観劇となりました。
3作ともとても充実した舞台だと感じています。

今回は、平安時代の蝦夷征伐のお話。

謝さんの発想で、大谷さんが脚本を書かれているそうですが、いつも人物が丁寧に描かれていることに感動します。

勿論、脚本も素晴らしいのだと思いますが、キャストもスタッフの熱い思いをストレートに観客に伝えて下さっていると思います。

今回の一押しは、彩輝なおさん。宝塚時代、外部出演でも拝見していますが、今回はその時とは全く違う役作りでした。歌もとても安定しています。今後の活躍がとても楽しみです。

今さんの舞台はなんと昨年の「椅子の上の猫」以来。今回は、勿論、熱い役どころ。というか、坂上田村麻呂ですから、それはそれは凛々しいのです。しかし、作品は蝦夷側からの視点ですので、田村麻呂は非道な行いをするように描かれています。まあ、彼は彼なりの理論で蝦夷を征伐したのだと思うのです。そして、その方法や結果が本当に彼が求めたものだったのか・・・。最後の阿倍高麿(坂元健児さん)との戦いのシーンで今さんは田村麻呂の苦悩をきちんと描いてくださるのですよね。大和の血を引いているであろう私は、そこで、ちょっとほっとしました。極悪非道ではないのだと思えたからです。
今さんの舞台って本当にいつも楽しみです。いつも私に熱い思いを下さいます。悪役のような感じも多いのですが、悪を装うのは弱さがあるからということを、役全体のイメージは壊さないギリギリのところで、きっちりと観客に伝えて下さるのです。

作品としては、ちょっと難しい言葉もあったりして、最初は「ついていけるかなぁ」と不安もありました。しかし、2幕では涙、涙、涙・・・。

これは舞台の中だけの出来事ではないのです。

「戦はいやだ。あんなひもじい思いはしたくない。」

戦争を始める権力者に、普通の人々の思いをきちんと伝えられる世の中であって欲しいと思います。

是非、多くの皆様に、舞台を観ながら、今の世界に思いを馳せて頂きたいと思います。

余談ですが、前から3列目は見応えありすぎでした(苦笑)
何しろ、身長180センチを超える男優さん達があの狭いサンシャイン劇場で激しく動き回るのですから!!!
再演があったら、芸術劇場ぐらいの大きさのハコでお願いしたいと思います。

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