朝礼の話題

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築土構木の思想

2014-10-08 06:08:03 | 21世紀
築土構木の思想
2014/10/08
 藤井聡さんの、「築土構木の思想」と言う本のPRを見ました。
 築土構木とは「淮南子」に出てくる単語で「土木」の語源だそうです。
 この本では、「土木」が文明の基盤・基本であり、現代日本で「コンクリートから人へ」とか言う政治姿勢は間違っている、と言う事を論じているようで、早速注文したところです。
 私(渡邉)も土木の社会的地位の低い事を、以前より不可解に感じていました。と言いますのは、大学入学の時の出来事からです。
 昭和32年、九州大学に入学し、説明会がありました。当時の工学部長は土木科の水野教授でした。工学部長が壇に上がり、「土木工学科の水野教授です」と紹介を受けると、工学部新入生は、一斉に笑い声を上げたのです。
 土木などは、勉強するものではない、と思っているようでした。その年度以前は、工学部全体で受験採点し、合格者は工学部生とされ、教養部より、学部進学の時、成績により選抜され、高得点の者は、機械工学科・電気工学科と進み、土木工学科には、成績の悪い者が進学する人気投票のようなシステムになっていたのです。その年から、各工学科毎に、志望者が受験することになり、土木科の試験倍率は、他の学科より遙かに低い倍率でした。
 発注者が権限を持ち、施工者は、仕事の受注をお願いする立場で、弱い立場であることは、就職して感じました。しかし、現場での実力は、経験豊富な施工者の方が上で、後、施工会社の責任ある立場になりますと、施工計画や施工方法について、発注者側にアドバイスもするようになりました。
 施工するために、色々な抵抗者と折衝し、清濁併せ飲んでこそ、竣工出来るのです。きれいごとでは済まない事もあり、肉体労働でなければ出来ない事も沢山あります。新聞では汚職や談合などは、施工会社の悪だと叩きます。
 土木工事すれば、施工途中で、騒音や埃、質の悪い作業員などで、近隣の人から、クレームを付けられます。施工業者は、クレームに補償するのが当たり前のように、責められます。地権者はそれが利権であるかのようにサービスを求めます。クレームの口調もひどいもので、聞くに堪えないことも言われます。
 道路・高速道路・鉄道・新幹線・河川・橋梁・港湾・空港・地下鉄・上下水道、各種処理場、それらがあってこその文明生活であり、それらが無ければ、どんな生活なのでしょうか?
 そんな文明の下支えの工事を、景気対策のための投資は要らないというのが、
民主党の人気取り政策です。一人でも反対者のある道路は造らないというのが、美濃部東京都知事で、当時のヒーローでした。自分の事として考えましょう


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