朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

独立の応援

2005-02-01 12:09:40 | Weblog

  K検査(株)のS社長が、新曽根の工場に、突然訪ねて来られました。
  私より二つ上の68才、新しい分野へ進出しようと、フル回転しておられます。
  「渡邉さん 30年になりました」と記念に立派な名刺入れを、頂きました。

  会社を設立されて30年、4階建ての本社を構え、地域に根をおろし堅実に成長されています。
  トンネルのひび割れを、鉄道車両にセットしたビデオや計測機器で、調査するシステムを、実用
 化され、韓国にもそのノウハウを技術移転しています。勿論これは、事業のなかの1ベンチャー部
 門であり、本業はキッチリされておられます。

  S社長は、私の小中高の仲良し中野裕夫さんの勤務していたT検査会社の同僚でした。
  私は、大林組の現場監督で熊本にいました。T検査会社で出来る仕事あり、中野さんに引合した
 ところ、契約出来てSさんが、技術者として、現場の担当になり仕事は無事終わりました。

  2年後、新しく始まった現場で、同じ仕事がありSさんに声を掛けました。
  Sさん38才、私36才の働き盛りでした。
  Sさんは「独立したいと、考えている。独立したばかりの弱小会社でも、この仕事をやらせて貰
 えるか?!」と熱い口調でいわれます。
  中野さんやT検査会社に、義理を欠くかなと考えましたが、頼まれた事を断ることの苦手な私は
  「指値は、コレコレだ。やれるなら推薦する」と答え、工期・工事頻度・必要人員など検討して
  貰いました。 その現場はジョイントベンチャーで、現場の意向も通り易いこともありました。
 
  「ぜひ やらせて下さい」
  「急いで会社を設立して、形を作って下さい。形がなければ話を進められません」
  「個人のままでは、どこかの孫請けですよ」
  Sさんは、会社を登記し、作業用ワゴンを買い、工具・器具・資材を購入し、若い技術者3人を
 そろえました。
  仕事はきっちりこなし、いろいろ無理も聴いて貰いスムースにはこんだのを覚えています。
  
  私はその現場も途中で転勤し,九州を転々としていました。
  Sさんから電話で「渡邉さん ご無沙汰しております。あれから今日で丁度10年です」と挨拶
 を受けました。 好きで良いと誉めていた『酔心』を木箱で10本も頂き、会食にも招かれました。

  「貴方のお蔭です」と感謝され気をつかわれるので、「キチンと仕事していただき 大林も利益
 をだし そのためにお宅を利用しているのですから そんなに気をつかわないでいいですよ」
  「頑張ってくださいね。 私で役にたつ事があれば、声を掛けてください」などと、いい格好し
 て別れたものでした。

  その後 私は土建会社をやめ 小企業の社長になり、S社長に教わることが多くなりました。

  やはり 自分一人で仕事を始められ、今の会社まで成長させられたS社長は、私ども二代目とは
 違う見識があり、そのチャレンジ精神(冒険心)にも感心させられます。

  私もS社長の独立時に、関係をもてた事を誇りに思います。 

  
  土建会社の現場主任していますと、独立したいと言う若い人が話しに来ます。
  何人かの人に切っ掛けを作りました。今 S社長ともう一人 鉄筋のT社長が、恩義を感じてか
 時々 立ち寄ってくれます。30年生存率30%です。
  
  あの頃と比べれば、独立することが、難しい時代になっているなと感じます。
  
  お役所や銀行がベンチャー企業育成と金融支援しています。 大企業の課長さん・管理者さん
 そういうチャンスをつくり、若い人に仕事を発注する事が、一番の次世代育成法とおもいます。
  何年かたって、その人とお会いする時、missionを一つ果していたとうれしくなります。 

    

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