朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

スラリーアイス

2016-07-31 20:07:11 | 21世紀
スラリーアイス
2016/08/01
 松本泰典さん 高知工科大学 ものづくり先端技術研究室が「日刊工業新聞社モノづくり連携大賞」を受賞されました。 今まで1日しか新鮮さが持てず市場に出なかった魚が、2日以上スラリーアイスで新鮮さが保たれるのです。
 これは、小さな氷の結晶と海水の混合によるマイナス1℃の氷です。
―このメジカ、取り引きの最安値はいくらだと思います?1本1円ですよ。漁師が300本釣ってきても300円ですよ。でも、これを鮮度が良いときに生で食 べると実はむちゃくちゃおいしいんです!中土佐町ではカツオよりも高値で取り引きされることもあります。ただ、とても劣化が早い魚なので、一般的に刺身で 食べられることはほとんどありません。しかし、漁獲直後にスラリーアイスで保存することができれば、刺身として流通させることができると考えています。
 学会では氷スラリーとも言われます。簡単にいうと、シャーベット状の氷のことです。―分かりやすいところでは、釣った魚を絞める時間が、氷水に比べて圧倒的に短いです。氷水は、表層は氷が浮かんでいて冷たいのですが、低層は少し温かくな ります。それに対してスラリーアイスは均一に冷たくなります。また、私たちのスラリーアイスは、一粒0.2mm以下の非常に小さな氷ですから、普通の氷よ りも魚に触れる表面積が大きく、冷却効率が高いのです。
 いろいろな魚の凍る温度を調べたところ。魚種によって多少違いはありますが、大体-1℃から-2℃でした。既存のスラリーアイスは-2℃だったので魚が凍ってしまっていたのです。目標は明確になりました。魚が凍らない-1℃のスラリーアイスを作ろうと。
 素晴らしい研究です。カチカチの冷凍でなく、新鮮さをそのまま保つマイナス1℃の氷は、これからふつうのものになるでしょう。私たち消費者は、その効果を確かめ、愛用し、それだけの費用を負担してやりましょう。