2018/03/21
「160.炎天を槍のごとくに涼気過ぐ
(飯田蛇笏
/如何なれる気象現象起これるかたぶん心理も働くせいか
/天井が落ちる想像した刹那槍のごとくに冷気は過ぎる)」
「161.炎天を行く 食はむため 生きむため
(遠藤若狭男
/くそ暑い中を行くのは食うためもはたまた生きるためもある
/炎天をひたすら行くは銭のうち)」
「162.炎熱や勝利の如き地の明るさ
(中村草田男
/ポイントは『地の明るさ』も読み取れずああ貧弱な割れの頭よ
/草田男は時々わからぬ句を読めり親しみやすい人ではあるが)」
「163.鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ
(林田紀音夫
/季語いかにどうでもいいがおもしろい忘れたいのかそうでないのか)」
「164.えんぶりや雪の鍛冶町大工町
(藤木倶子
/えんぶりの意味知らなくば味わえぬ中句・下句の語呂がいいけど
/えんぶりは初春の神事八戸の予祝芸能田楽らしい)」
「165.老い払ひ死を払ひして踊りの手
(文挟夫佐恵
/踊り手は死を前にする人ならん手で踊りたり老いも払いて)」
「166.大いなる春日の翼垂れてあり
(鈴木花蓑
/ポイントは春日の翼も具体にてイメージできぬ吾は貧困)」
「167おおかみに蛍が一つ付いていた
(金子兜太
/狼をどこで見たのか想像のイメージだけの句であるかも)」
「168.大鯉のぎいと廻りぬ秋の昼
(林田紀音夫
/オノマトペ『ぎい』は扉が軋むよう鯉は曲がるか池に泳ぎて)」
「169.大粒の雨が来さうよ鱧の皮
(草間時彦
/鱧の皮なぜ大粒の雨にあうよくわからない鱧をよく見よ)」
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