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そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

百人一首の謎のトレース

2016年11月05日 |  / 百人一首

2016/11/05

百人一首で織田正吉さんの説を追体験しよう。そのため、百人一首の簡単なデータベースを作る。行に歌番号、歌、読み人を並べ、列には、歌に含まれるキーワードを並べる。そのキーワードがどの歌に含まれているかを〇印をつけてデータベース化する。三十一文字の歌の中にはキーワードはせいぜい入って六個くらいである。これで、キーワードを媒介に歌と歌が接続される。また、その歌の別のキーワードが、他の歌と連鎖していくことになるが、連鎖はさながらチェーンのように続くという。連鎖には正連鎖と逆連鎖がある。キーワードの特徴的なものとして、風、月、梅、桜、菊、紅葉、咲く、散る、逢う、別れる、濡れる、乾く、山、川………と、続くのである。これらのキーワードのうち、花鳥風月は言葉として多くなるのはとうぜんなのだが、風・月は特に多いが、花・鳥は案外少ないという。
春・秋を代表する桜と紅葉、梅と菊に定家の企みが隠されている。梅1=咲く桜3+散る桜3/菊1=山紅葉3+川紅葉3となっており、完全な対称をなしているのである。つまり、花鳥の美しさからは離れて、別の意図を含んでいる。

また風や月に関しては歌の数が十を越え、詠んでいるテーマとして圧倒的に多いが、それぞれのテーマは、秩序、つまり風の強さや月の運行等の時間経過がわかるように採られているのである。
定家はこのようにシステマティックに並べるのだが、それらの並べ方や歌のグループから自然にシンボリックなメッセージを伝えようとする。
先ほどの菊-紅葉からは、承久の乱で、流罪となった後鳥羽上皇を浮き上がらせ、梅-桜からは若くして亡くなった式子内親王を浮き上がらせているのである。
この二人は定家にとって彼の内面に多大な影響を与えた人たちである。後鳥羽上皇は歌人としての最初の庇護者であり、後は恨まれていると思っていたので鎮魂を願っていた。一方、式子内親王は父・俊成の手ほどきを受けた和歌の同胞である。年上でもあり、高貴な人ゆえ単純に恋愛感情を取りざたするのは難しい。しかし能で『定家葛』があるように人々は勝手に魂の交接があったと解釈している。梅桜の歌やその周辺の歌を分析すれば定家の式子内親王に対する感情が吐露されているという。
織田氏の仕事は精緻であるため新たな発見はないかもしれないが、気づきの確認のようなことはできる。ミクロ的な共通性の連鎖や逆連鎖、時系列、空間的位置付け、関係性などがあろうが、マクロ的に何を言おうとしたかが、浮かび上がる可能性もある。定家が得意とした本歌取りの技法がここに結実していないかをみるのも面白い。

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百人一首ふたたび

2016年10月18日 |  / 百人一首

2016/10/18

最近、新潮新書の『百人一首の謎を解く〜草野隆著』を読む。わたしがキラー・セオリーと思っている織田正吉氏の『絢爛たる暗号』からどれほど新説が展開されたかと言う興味から読んでみた。
しかし期待はずれで、学者が論文の総括をしているだけで、織田理論には全然触れていない。はっきりいって落胆、草野氏のアプローチは、設定した12の質問に基づいて考察をしており、中には従来されなかった新しい質問も5つあると自慢気だ。織田説に触れていないのは不満だが、学問的な意味で小倉山荘の考察をしたり、蓮生をクライアントと位置づけて考察したり、百人秀歌と百人一首のより深い考察、読み人の官位や坊主の位などを考察したりとそれなりには面白かった。
百人一首の俳句変換をやろうと考えていた矢先だったので、又、ひもとき始めている。
わたしが思うことは、感覚だが、○定家は理科系の頭脳をしている。証明は………?
○織田理論を参考に歌を並べ直し、KJ法的に結論を導き出せないか?
○蓮生について人物をつかむ
○歌の作者の背景を歴史と共に考察をする
○定家の技巧の見事さについて顕彰する
○百人一首についてしゃべれるようにする
○百人一首は俳句化は可能か?
等である。
『江戸川柳で読む百人一首』とか、その他、色々さわって考えていくことにしよう。

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百人一句 006-010

2016年09月29日 |  / 百人一首

2016/09/30

「006/鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける/中納言家持/鵲/渡せる橋/季語:置く霜/白い/見る/夜/更ける(宮ノ内欄干白く霜が置く)」

「007/天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも/ 安倍仲麿/天の原/ふりさけ/見れば/春日なる/三笠の山に/出でし/月かも(止みがたしふるさと恋ふるけふの月)」

「008/わが庵は都の辰巳しかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり/喜撰法師/わが庵/都の辰巳/季語:鹿を暗示/しかぞ/住む/世を/うぢ山と/人は/いふなり(宇治山に久しく棲みて疎まれし)」

「009/花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに/小野小町/季語:桜のことも/花の色は/移りにけりな/いたづらに/わが身/世にふる/ながめせしまに(花も吾もいたずらに往き年老いし)」

「010/これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関/蝉丸/これやこの/行くも/帰るも/別れては/知るも/知らぬも/あふ坂の関(地球では離合が見えるエアポート)」

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百人一句 001-005

2016年09月29日 |  / 百人一首

2016/09/29

「001/秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ/天智天皇/季:秋の田/かりほの庵/苫/粗い/わが衣手/季:露/濡れる/(秋露や濡らす衣手刈庵に)」

「002/春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山/持統天皇/季:春/過ぎる/季:夏/来る/白妙の衣/干す/天の香具山/(夏迎え白衣干せる香久山に)」

「003/あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む/柿本人麻呂/あしびき/山鳥の尾/しだり尾/ながながし/夜/ひとり/寝る(秋の夜や山鳥の尾のごと長し)」

「004/田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ/山辺赤人/田子の浦/うち出でる/見る/白妙/富士の高嶺/季語:雪/降る(田子の浦あおぐ富士嶺は雪うける)」

「005/奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき/猿丸大夫/奥山/季語:紅葉/踏み分け/鳴く/季語:鹿/声/聞く/時/季語:秋/悲しい(小雄鹿のぴうと啼く声山深し)」

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パロディ版百人一首(#096-#100)

2015年04月18日 |  / 百人一首

2015/04/18


#096 入道前太政大臣「庭に座し桜が吹雪く雪のよう本当に古くなるわが身かな()」

#097 権中納言定家「もしほを焼く女は塩辛い魚焼き男に食わし思い知れとぞ()」

#098 従二位家隆「禊するならの小川はもう秋かトンボ等揃い右に飛びおり()」

#099 後鳥羽院「肩電話くわえタバコに火をつけて通ればリーチもロンと言われり()」

#100 順徳院「ギリシャ風石の廃墟に見覚えのある石像が色々とあり()」

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