暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

週末マーストリヒトに行ってきた

2013年09月03日 18時14分04秒 | 日常


例年のように今の時期、マーストリヒトでは各地から芸術家を招待して作品を路上で展示する催しがある。 それに家人はこの5年ほど参加していてそれに付き添いとしてその度についていく。 することはマーストリヒトまでの250kmほどの運転手、雑用、家人が場所を離れたときに「店番」をすることぐらいで他の用事は殆んどなく、大抵あちこちぶらぶら歩き回る。 だからマース川の西側の古い町はもう地図がなくとも大体見当がつく。 自分の住む町は他の古いオランダの町と同様の仕組み、格好なのだがマーストリヒトはここにくると一挙にエキゾチックな雰囲気に包まれる。 オランダであってももうオランダではない。 南の雰囲気が充溢しているのだ。 すぐ近くにドイツ、ベルギーがあり町の佇まいが古く何かベルギーやフランスに来たような気がして浮き浮きする。 この催しについては3年前にこのように書いた。

http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/61069687.html

毎年二泊するのだがそのときはサイクリング友の会という組織の会員のところに民宿する。 もう80歳を大分越したマリア婆さんのところを定宿としているのだが今年は婆さん、誕生日の祝いを兼ねてオーストリアの知人のところに泊りに行っておりそこは駄目なので別の人のところに宿をとった。 町の中心にある聖母教会の広場がいつもの展示会場で、その民宿まではそこから2kmほど離れた町のはずれにあり、土曜には朝、展示広場で物を車から下して用意したあとは空の車を閑静な場所にある民宿の前に駐車させ、そこからまた歩いて町までもどった。 その日は歩いて二往復し、約10km歩いたことになる。 家を出るときポンチョとウオーキングシューズを車に放り込むのを忘れサンダルで歩いたので足裏に豆ができて少々痛んだ。 その時歩いていて思ったのはマーストリヒトは町全体がゆったりとしていてオランダのほかの町に比べると公園も広く大きな木が沢山あるということだ。 マリア婆さんのうちはマース川を挟んで対岸、中央駅のある方向ではあるけれど今回の宿泊先は川の西側であり旧市街の外れになる。 目算で近道をするのに公園と横切って歩く。 大きな芝生の中を目的の方向に向かって角を斜めに進むのだが途中には巨木の下を抜けていくことが多く同じルートを二往復しても苦にはならずむしろ気持ちがよかった。 町の様子と見るには車より自転車、自転車より徒歩がいい。

町の中の大きな広場をいくつか回ったり土曜のマーケットでものを買い食いしたりしたけれどもう新しさはほとんどなく、以前の経験を反復するだけでそうなるともう幾分か自分の町といった風情にもなり、徐々に通りと場所、方向の感覚がジグソーパズルを完成したときのようにはっきりしてきて、ここを行けばどこに行き、あれはどちらの方向か、というようなこともわかるようになっている。 この滞在中にも二度ほど道を観光客から尋ねられてその人の地図を見ながら現在地、目的の場所を指しその間の目ぼしい建物の様子を示すことができたのだからまんざらではない。 今回は同じ町に住む年配の同僚造形作家と一緒に出かけたのだがその人にマーストリヒトの素晴らしさを前もって言ってあり、帰りの車の中でそれが納得できたと言われたのだった。 つまり普通のオランダの町ではないのだ。 それはただ単に町の佇まいがエキゾチックだというだけではない。 文化、人の様子もオランダ的ではない。 日曜礼拝に聖マリア教会に家族で来る人々の服装をみていればこれはもう他のオランダの町から消えた文化のようにも思えてくるのだ。 つまり戦前から戦後暫くまであった「日曜の正装」の伝統がみられることだ。 

この会をもう何年も中心になって運営してきた女性が今年でやめることになった、と聞いた。 財政難ゆえか一頃に比べるとサイズがだいぶ小さくなったけれど国や市に頼らず独自に組織するのは楽ではないようで若い人に来年から運営を任すといっていた。 家人も同行した女性作家も従来どうりであれば来年も来たいとの希望をもっているようだ。

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