暇つぶし日記

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新生児を見にハーグに行った

2019年07月31日 21時50分52秒 | 日常

 

2019年 7月 28日 (日)

もう8年前になるけれど、一昨年亡くなった母をゴミ屋敷から介護付き老人ホームに引っ越しさせた夏休みの二か月間、一人でゴミ屋敷の整理をするのに大阪にいた。 その暑い夏というのは1980年に日本を離れて以来最初で最後の日本の夏だった。 毎日ゴミを整理してはそんな大量のガラクタを市の焼却場に軽トラで運ぶ日々だった。 そんな時、大学生だった息子と娘が日本に何週間か遊びに来てゴミ屋敷に泊まっていた。 そのとき子供たちの友人のカップルも日本を旅行していてゴミ屋敷に何日か泊まったことがある。 こどもたちはそのカップルと一緒に東京や富士山の麓を歩いていたようで、彼らがゴミ屋敷に泊まっていたときには空港を沖に見る浜に海水浴に行ったり道頓堀にでかけてカラオケバーで遊んだりもした。 一日駅で自転車を借りて先祖の墓があるあたりの丘陵地をサイクリングもした。 墓参りをするときに立ち寄るそんな林の中に在るドイツ・マイセン焼きを飾った喫茶店でケーキとコーヒーを摂るのを常としていて、暑い夏にオランダ人4人の若者を連れてそんな喫茶店で時間を過ごしてもいたし、その後子供たちを連れて帰省した折には必ず一緒に墓参りをし、その折にもこの喫茶店に寄っていたからだろうか去年独りここに来た時にオランダからですよね、と店の人は昔のことを想い出してくれてもいた。 

その後オランダに戻ってきてからは子供たちは時々このカップルには会っていたけれど自分は一度ライデン駅の近くの彼らのアパートに招かれて食事をしただけだった。 彼女の方は娘と同じく医学部を卒業後ハーグ市の社会福祉課所属の家庭医となり彼はIT関連で今は自分の会社をもっている。 そして2年ほど前にハーグで家を買いそこに引っ越したのだそうだ。 ハーグの繁華街を下に見下ろす5階のアパートに住んでいて3か月ほど前に帝王切開で女児を授かったのだと言う。 だからその児を見に行こうと娘に誘われて久しぶりにこのカップルに会いに行ったというわけだ。 

バスで行くというものを車に乗せられてライデン駅まで家人に送られた。 ハーグ中央駅で娘とボーイフレンドがロッテルダムから来るのを待った。 約束したのは11時半だったが彼らが遅れるのは常のことで駅のホールをウロウロするのを予定に入れていた。 喉が渇いていたのでソフトクリームを舐めることにした。 旨いアイスクリームを売る店は駅にはないので安物でもいいと思った。 前に舐めたことのあるソフトクリームは水臭かったのでもう一つあるチェーン店のものを買って舐めたら前のものよりマシだった。 舐めながらホールを歩いているとピアノの音が聞こえてきてそちらの方に歩いて行くと二人の女性がいて、もう一人はバイオリンのケースを開けて楽器を取り出すところだった。 ピアノを弾いている女性は古いアメリカンスタンダード Blue Sky を歌っていた。 そのあと二人で Fly Me To The Moon を弾いた。 訊くとハーグの音大を出た後バイオリンの女性は音楽療法師、ピアノの女性はピアノ教師をしているのだと言った。 そうこうしていると娘とボーイフレンドが来たのでそこを離れ国会議事堂の方に歩き、途中の小さなウイーン流ザッハタルトの美味い店でケーキとコーヒーにした。

マウリッツ美術館のそばを抜けエッシャー博物館の前に並んだ蚤の市を覗いて来週日本から来る友人の土産にオランダの古い色タイルを買った。 その友人もロンドンに住んでいる娘にできた孫の顔を見に来るついでに我が家に立ち寄ることになっている。 友人夫婦と田舎を自転車で走りその後田舎のレストランで夕食を摂る予定にしている。 約束の時間までまだ十分あるのでブラブラと町を歩いた。 

新生児の親たちに会うのは久しぶりだった。 両親の特徴を万遍なく受け継いだよく眠る女児を腕に抱いた。 娘はこの新生児の為に乳房に乳首のついた形の毛糸の帽子を編んでいた。 この女児は予定日を大分すぎて生まれてきているからかなり大きく、毛糸の乳房帽は母親の乳房よりは大きくとも新生児の頭よりは小さかった。



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