暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

オランダ新国王戴冠式の前日; 陽当たりのいいところではこんなに咲くんだなあ。 

2013年04月30日 11時15分27秒 | 日常


2013年 4月29日 (月)

明日はオランダ女王の退位とそれにともなっての新国王即位の式がアムステルダムで行われることになっている。 歴史的な日なのだそうだ。 天気は上々、気温13度と少々低いものの陽射しがあれば同じ温度でも曇り空とはまるで気持ちに雲泥の差が出る。 それが日の光と青空の働きなのだろう。 そんなことを思ったのはそんな午後、近所を自転車で走っているときに綺麗に咲いている木蓮の木を見て13℃を忘れたからだ。 うちの老木は北東に面していて充分に日の光を享受できないからか木も大きくならずここに比べて開花も遅いようだ。 けれどそれも遅くともいずれは咲いてまもなく散る。

続々と国賓が新国王の戴冠式に自国のジェットで訪れている様子が8時のニュースで伝えられていたけれど日本の皇太子のことはオランダ国営ニュースには出ず、それはもっぱら日本のテレビニュースで報じられていたのを見てこちらの様々なニュースに当てはめてなるほどと思ったくらいだ。 8時のニュースでは新装なったアムステルダム国立博物館のレンブラントの「夜警」を見晴らす数多の名品をバックにする広間で要人だけの晩餐会が開かれその長いテーブルが用意されているのをライブで写していたのだが、そこで館長が少々緊張した面持ちでジャーナリストに対応していてそこに階級社会のアナクロニズムを感じたのだが、同時にニュースは共和国を標榜するグループが王制に反対するデモを予定しているとも伝えられていた。 もっともそれは1980年のこの日にベアトリクス女王が彼女の母親から王位を引き継いだときの騒乱のようにはならないものとも見られているようだ。 時代が変っているからだ。 国民の7割以上が王制を支持しているとも言われている。 

この夜のテレビのトークショーでは元法務大臣であり、またその後アムステルダム市長となった元労働党党首が個人的な考えとして、自分は共和制を標榜しているけれど現オランダ憲法を遵守しその下で国民に支持されているオランダ王室を正当に扱い王室ともそのように接してきた、明日招待客の一人として式に参列する、ということを王室支持派に混じって自分の意見を述べているのだが、この態度にはただ反対するだけではない成熟した民主主義の姿の一端がみられるようだ。

時々オランダ人からオランダの王家をどう思うか、お前の国の皇室と仲がいいようだけどオランダと日本の王室とどう違うのか、と訊かれるけれどそれに答えるのは楽ではない。 第一、天皇と王ではその存在はまるで違う。 エンペラーとかカイザー、天皇、皇帝というのと王ではそれぞれの国の歴史、文化の違いがかぶさって、彼らはただ単に世界の王家、皇室クラブのメンバーだとして一括りにするのには少々難があるのではないかとも思う。 日本の皇室は崇められる存在として君臨してきた歴史が長い。 皇室と国民の距離もオランダの王室とはかなり違うようだし国民の態度もそれぞれかなり違う。 皇太子妃が心の病でその療養にオランダの王室に迎えられたときにもそのような話があったのだがそれももう11年前なのだそうだ。 そのときに日本から記者たちが大挙して押し寄せたことがニュースになっていたのだが、それももう11年前と言われて月日の経つのは早いものだと感慨を持ったのだが、それから状況はどう変っているのだろうか。 日本に住まないものにはよくわからない。

自分も共和国を標榜する者であるから元アムステルダム市長の態度には共感できるし、民主主義者でもあるから国民が王制廃止を決めるまではその存続には反対しない。 ただ、どの世界でも出自による特権階級を認めないという考え方ももっていて、けれど反対意見も尊重し、自分の考え方と同じようなことを国民全体が共有するまで待つということだ。 

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