暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

10月3日の祭りの気配がそこまで

2011年09月17日 14時24分28秒 | 日常


夏が終わったと思えばもう秋の祭りが近づいていることを匂わせるようだ。 それというのはこの町の10月3日の祭り当日のための行事が行われ、それに今日参加したからでもある。 

どこでも祭りは好まれ、自分も子供の頃から村の夏の盆踊りと秋の地車(だんじり)で育ったからそれらが近づくにつれて徐々に期待が膨らんでいくのが思い出されるし、何かの具合に今でもその思いが溢れることがある。 帰省した折の真夏の一夕、岸和田にまだかろうじて存在する昔流のジャズ喫茶に息子と行った折、急にもうシャッターを下ろした駅前商店街を一団の若者達が掛け声を上げて短い綱だけを引っ張り岸和田のだんじり祭りの予行演習をしているのに行き当たった。 呆然とそれを見ている我々に荒っぽい声で危ないから脇に退くように言うのだが、そんな危険など何処にもなく夜のがらんとしたアーケードでを何ヶ月かあとに満員の観客と勇壮なダンジリを想定して大きな掛け声を上げ、真面目にストップウオッチで時間を計るものまでいながら真剣に透明なダンジリをひっぱって駆け抜けていったのだが、その喧騒には明らかに準備のための義務を果たす、というだけではなく、はっきりと彼らの興奮と本番への期待の喜びが見て取れ、まことに微笑ましかったのだが、その喜びは嘗て自分も祭りの太鼓の練習が始まって遠くからそれが聞こえてきた時に感じたものと同じだった。

場所も変わってオランダの町でも祭りの形は違うものの祭りへ向かって例年の行事が始まるときの喜びと期待は日本で経験したものと相似形とでもいえるかもしれない。 ここではこの町が450年ほど前にスペインの圧制から開放されたその日を祝うものであり、そのことを市民は今でも忘れない、という意味の祭りである。 そのことについてはこれまでに何回か書いてきた。

市民への贈り物(2006)
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/40333608.html

今日は生鰊の匂いがプンプンだ(2006)
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/40781123.html

生鰊8尾、丸パン2個(2008)
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/55966305.html

先日、家人が地元のフリーペーパーを見ていて、祭りの当日、鰊とパンをもらうための予約の券を町の旧公式計量所の建物までもらいに行くあの日までもう2,3日だわね、と言った。 この2年ほどはそれに気がつくのが遅くて、ああ、昨日だったのか、とか、え、先週もうあったの、という始末だった。 それはひとつには、祭りは中秋、10月であり、その気配はまだ夏の暖かさが幾分か残る今日この頃では感じられない、ということもあるのかもしれない。 けれどもこの20年ほどの間に10回以上それをしているのだから大体は忘れてはいない。 週日ずっと働いていたときには仕事の帰り道、所定の古い市の公式計量所の建物にいけばよかったのだけれど今はうちからわざわざそのためだけに出かけていかねばならないから少々面倒な気もしないではない。 

運転免許証と結婚証明書をそこで見せ、記載されたこども達の記録とともに、自分がこの町の住人であることと4人家族であることを示して当日、鰊8尾とこどもの頭ほどあるパンを2個をここでもらうための紙切れを受け取るのだ。 午後4時半から9時まで受け付けるらしいからゆっくり夕食を摂った後7時にでかけた。 早く出かければ人が一杯で長い行列のあとについてならばなければならないからまだ皆が食事時中に、という計算が働いたのだがそう上手くはいかなかった。 皆もそう考えているに違いない。 2,3人の幅で長さ100mはゆうにあり、最後尾についてのろのろと進むのだが遠くからブラスバンドやパーティーバンドが代わりばんこに昔の景気のいい流行り歌を演奏し華やかなムードを掻きたてるから年寄りの多くは体を揺らせている。 もっとも行列に並ぶ人々は殆んどが40以上で老人が多いように見受けられた。 こういうのは若いものには人気がないのだろうか。 

人口10万ほどの市であり、例年その2割ほどにたいして魚とパンが配られるというようなことを聞いたことがあるけれど、一人で4,5人分の切符をもらいに来ているとしても4時間半のあいだに4ー5000人は来るのだから少なくはない。 20分ほど並んで中に入ると5分ぐらいで終わったのだが外に出て自転車を停めてあったところに戻っても行列の最後尾は短くなるどころかまだ伸びて市の公会堂裏あたりまで続いていた。 天気がよくまだ充分明るいからよかったものの雨だったら惨めなものだが、記憶を辿ってみても10月3日が惨めな雨の日は多かったけれどここに並んだときに傘やポンチョで並んだという記憶はない。 後は祭りの当日早朝7時にここに来てこれ以上の長さの行列に加わることになる。 そのときにはいくら陽気なバンドが音楽を奏でていてもポンチョは用意しておかなければならないだろう。


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