暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

モロッコの旅(17); 田舎の市で(6) 市の大通りからエッサウィラに戻る

2014年07月31日 00時07分50秒 | 日常

 

昼食のタジンをミント茶で腹に入れ、その後帰り支度で賑わっている大通りを車を停めたところまで歩いた。 買ったか売れ残ったかの牛をトラックに積み込んでいるところに行き合った。 かなりの高さのトラックに何人かの男が首の縄を引張り下から2,3人の男が牛の尻を押している。 何事も人力に頼っているのが珍しかった。 人件費が高い北ヨーロッパに住んでいて機械化ができる範囲までは行き通っているところではこういう風にはならない。 つまりここでは一人当たりの労働力は機械の製造費より安いのだ。 けれどその分人、物、動物の距離が必要最小限の機械を除いてまだまだ近いというべきだろうか。 少し行くと小型トラックの荷台に積み上げたスイカを売る農夫がそのまま客に上から投げて手渡しているところに来て、家に戻ってから家主の夫婦と半分づつに分ける積もりで熟れたのを一玉買った。 昔、自宅の畑で取れたスイカの甘さを思い出し何十年ぶりかで甘く熟れたスイカを口にした。  日頃、温室栽培や早めに収穫してから保存・輸送の途中冷蔵庫に置かれ飛行機、船、トラックを経てマーケットで売られている多くの野菜や果物に慣れている者にはここで売られるものの新鮮さは日頃口にしているものとは比べものにはならない。 ただ我々短期滞在者には生ものは用心してかからなければ後で痛い思いをすることになりかねない。

市のはずれに来るとロバに荷を積んで帰り支度をする人たちがのんびりといた。 大量の物資はトラック、牽引車つきオートバイなどで運ばれ、量が下がるとリヤカーで、個人単位のものはロバに乗せて移動するのが普通だ。 ロバは燃料としての石油製品を消費しないし多くのメカもいらない。 これもそこに住む人々の生活テンポに合った乗り物なのだろう。 マラケッシュとエッサウィラを結ぶ150km余りの幹線道路は砂漠を横断している高速道路で道端がそのまま周りの土地に続きその舗装道路の端をロバに荷を積みその上に横すわりに乗って移動する人々も普通に見られ、それはここで何世紀にも亘って続いている姿なのだ。