暇つぶし日記

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最高の人生の見つけ方  (2007);観た映画、 Mar. '12

2012年03月19日 02時33分53秒 | 見る

最高の人生の見つけ方   (2007)

原題; THE BUCKET LIST
97分

監督:  ロブ・ライナー

出演:
ジャック・ニコルソン    エドワード・コール
モーガン・フリーマン    カーター・チェンバーズ
ショーン・ヘイズ      トマス
ビヴァリー・トッド      バージニア
ロブ・モロー        ホリンズ医師
アルフォンソ・フリーマン
ロイナ・キング
ノエル・グーリーエミー
ジョナサン・ヘルナンデス
ジョナサン・マンガム
イアン・アンソニー・デイル

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという名優2人の共演で贈るハートフル・ストーリー。自分本位な富豪の男と実直な自動車整備士が、ともに末期のガンで余命6ヵ月と宣告されたのをきっかけに、死ぬ前にやり残したことを実現しようと2人で病院を抜け出し冒険の旅に出る姿を描く。監督は「スタンド・バイ・ミー」「恋人たちの予感」のロブ・ライナー。

家族を愛するまじめで心優しい自動車整備士のカーターと、一代で莫大な富を築いた傲慢で孤独な実業家のエドワード。そんな対照的な初老の男2人は、ひょんなことから同じ病室に入院、揃って余命6ヵ月の宣告を受けてしまう。そんな時、カーターはかつて恩師から教わった死ぬまでに叶えたいリスト“バケット(棺桶)リスト”を書き出してみるのだった。それを見たエドワードはこのアイデアを気に入り、バケットリストを実行しようと、2人で病院を抜け出し人生最後の旅に出るのだが…。

以上が映画データベースの記述だ。

本作は人生の秋を過ぎたころ突然余命がこれだけだ、といわれたらどうする、という話であり、これは誰しも一度は考えたり人と話したりするものの、例えて、子供に将来の夢は何か訊ねるそんな話の続きなりヴァリエーションでもあるのだ。 将来の夢は殆んどの場合は叶えられなくて、殆んどの場合はあまりにもありふれた結末に落ち着くのと同様、余命が済むまでにどうする、と訊かれても殆んどが、なんやかんやあった後に普通に落ち着く、という予測は成り立つ。

本作もそれに沿ったものでストーリーとしてはどうということもないのだが娯楽映画で演技の達者な二人がアメリカ的、ハリウッド的思考をどのように観客に納得させられるか、というより、どのように観客を楽しませられるかというほうにスタンスが行った作であるのは初めから予想できるだろう。 それでは初めから分かっているそんなものをなぜ観るのか、ということがある。 例えば自分はスカイジャンプは還暦を迎えたらやってみる、という計画があったけれどいまのところ果たしていないものの完全定年を迎えたら実行しようと思っているのだがそういうことも本作にある。 

誰しも一度は考えたことがあるテーマであるのだからそれに惹かれることが一つ、いままでいろいろ観てきたニコルソンとフリーマンがどのような演技をするか、ということが一つ、 大体予想がつく話の結末だがここではそれをどうつけるのか、ということがもう一つ。 こちらの方はだれにも、つまるところはどうかなのかは分かっている。 どのように足掻き、どのように決着をつけるかなのだ。 フリーマンの助演した「セブン(1995)」のようにもニコルソンが演じた「シャイニング (1980)」のようにもならないだろうということは確かで、それでは彼らが演じたもので言えば、どちらかといえば「ドライビング Miss デイジー (1989)」や「アバウト・シュミット(2002)」に近いものがあるように思えるが、本作ではそこまで我々の思いを引き込むことは少ないのはどうしてなのか。 笑わせ和ませしんみりする、という筋立てが、あまりにも、「リアル」な子供の夢であるパイロットになりたい、スチュワーデスになりたいということを目の前に見せられると興ざめして飽きるからだろうし、その夢は殆んどが金で買えることをここで見せ付け、俗情である「大切なものは金で買えない」ということを金が全てであるという現実の中に生きるアメリカ人社会の中で強調するのを目の前に見せ付けられるからだろう。 そうなるとそれでも見続ける理由はただ一つ、フリーマンとニコルソンがどう演じるか、ということに尽きる。

製作者たちのバケット・リストには本作の名前が入っていたとは思えないし、俳優達においては言わずもがなだろう。