暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

地元のローカルテレビでハーフマラソンを見た

2010年03月16日 08時14分58秒 | 見る



日曜の午後、だいぶたってから起き出して地元のテレビ局の放送を見ていたらハーグ市のハーフマラソンの中継をやっているのが映っているので見た。

もう初めの5kmほどが済んでいて見ると10人以上の選手が一塊になっているのだがケニヤ、エリトリア、エチオピア、ジンバブエのアフリカの選手だけでしかない。 なんとも世界の出稼ぎ組が占めており他の人たちが入る隙間がない。 それはこの種の競技が欧米、アジアの選手にとって魅力がないのか賞金が低すぎるのか、勝てないからこないのか、とその辺の事情を訝りながらも解説の声を聴いているとどうも聞き覚えの、或る若さの混ざった響きでそれはどうもオランダのマラソン界のビジネスマン、オーガナイザーのヨス・ヘルメンス(Jos Hermens)の声のようだ。 

世界中のスポーツがオリンピックの商業化に伴ってなだれをうって以後、というかビジネス化があるからオリンピックといえどもアマチュアの幻想が剥がれたので例えば今回の冬季オリンピックでは隣国韓国が如何に選手に金をかけたかがそのメダル数で明らかに効果が現れているということも言われて日本の十八番であったはずのアイススケートでも期待値に比べて褒章、投資額のお粗末なサポートが明らかなのだが、ここでは国の直接間接の援助がメダルにつながるという現在の何の不思議でもない例だったのだ。 とても精神論だけでは世界には対抗できないということだ。 どこかの国が嘗て竹やりでB29を突き刺せと力んだものと違いはない。

今画面に見る走者たちと冬季オリンピックの結果を比べることは無理があるという声もあるかもしれない。 もともと寒い国に起こったスポーツに黒人たちは来ない、というのかもしれないが必ずしもそうか。 アメリカの選手団に黒人選手が何人いたのか興味のあるところだ。 「出稼ぎ」と書いた。 普通オリンピックの競技で「出稼ぎ」という言葉はそぐわないと思われるかもしれない。 

ハングリースポーツという言葉がある。 体を張って賞金に曳かれて競うものである。 栄誉は二次的なものとなるのだろう。 金だ。 ボクシングは早くからその例として語られる。 白人が牛耳る世の中で拳をもとに金を掴むのだ。 イタリア移民の貧民層からのしあがる「ロッキー」は白人ではあるけれど現実ではマイノリティーでしかない。 水泳ではどうか。 70年代にはテニスではアメリカにアッシュがでて今は屈強なアメリカの黒人姉妹が大金が動くテニス界で君臨しているもののそれでも全体からみると点でしかない。 出稼ぎもしくは移民の東欧勢も層となって彼女らの周りの上位に迫る。 マラソンや長距離ではアフリカ勢なのだ。 女は世界のニガーだ、と昔歌われたことがあるように女子マラソンには白人女性の割合が男子マラソンにおいてよりは多いかもしれない。 この日の女性勝者は男性勝者から10分ほど遅れてケニア、ケニア、オランダ、ノルウエー、オランダ、オランダと続くという具合だった。 

この日から6週間ほど後にロッテルダムマラソンがありその日はロンドンマラソンと同日でありヨーロッパの中でも競技者と賞金、記録を競い合いそこでも多少は同じような事情があるもののアフリカ以外の国の選手が見られるのだがまだポピュラーではないこのようなローカルなハーフマラソンでは少々退屈しないこともない。 ここでの結果のようにはっきりした結果では出稼ぎに浚われる、というような気にもなるからなのだろうか。 そこで走る人たちははっきりとしたプロであり途中でもお互いにボトルを回しあい水分の補給を国境を越えてしあうしあうのだし互いの小競り合いの様子もうかがえるのだが10人以上も初めから終わりまでずっと同じようにカメラに映り続けているのでは面白くない。 それに勝者のインタビューにしてもプロのクールさで無駄なことも余計な笑顔もみせない。 はしゃいでいるのは主催者とインタビューワーたちだ。 そのあとに続く数千人のホビーランナーたちのお祭り騒ぎとはまるで縁のない世界なのだ。 持ち帰る賞金がそれぞれの国での個人ビジネスの主な資金となる。 モンゴルから出稼ぎに来た力士がすることとかわりがない。 そこでは「土俵に金があり」ここでは「路上に金がある」のだ。

そういえば去年もテレビでこれをみて日記にちょっと書いたような記憶がある。

http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/58160035.html

そんなことを考えていたら去年と同じく選手たちが森鴎外も泊まった高名な海辺の保養地のホテルの前を走るのが映っていてその左側にカジノが見える。 そこへはシシリア人の義兄がときどきギャンブルにでかけてかけっぱなしで決して下ろされることのない貯金をしにいくと家族から聞いている場所なのだが今は20年以上前に建てたエトナ火山の麓の自宅の補修にでかけているからここでサイコロを眺めていることはないのだなあと思い返したのだった。

男子ハーフマラソンの結果; 14位に初めてオランダ人が13位に30秒ほど遅れて登場する。

1 Patrick Makau    Kenia   1e   MSR   59:51
2 Eshetu Wendimu   Ethiopië  2e   MSR   59:52
3 John Mwangangi   Kenia   3e   MSR   59:56
4 Eric Ndiema      Kenia   4e   MSR   59:57
5 Robert Kipchumba  Kenia   5e   MSR    59:58
6 Bernard Kipyego   Kenia   6e   MSR   1:00:02
7 Julius Arile     Kenia   7e   MSR   1:00:31
8 Robert Mbithi    Kenia   8e   MSR   1:01:00
9 Philemon Kisang   Zimbabwe 9e   MSR   1:01:35
10 Ezekiel Meli     Kenia  10e   MSR   1:01:43
11 Philimon Terer    Kenia  11e   MSR   1:01:45
12 Cutbert Nyasango  Kenia  12e   MSR    1:02:27
13 Yonas Kifle     Eritrea  13e   MSR   1:02:32



ウィキペディア; ハーフマラソンの項、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%83%B3#.E7.94.B7.E5.AD.90.E3.83.BB.E4.B8.96.E7.95.8C.E6.AD.B4.E4.BB.A310.E5.82.91