ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

やさしい声

2024-08-22 22:56:42 | 日記
 出勤の日は電車が混んでくる前の時間帯に乗って、早めに四条駅について歌集を読んでいる。朝の30分。結構集中できていい。

 3人掛けのいすに座って本を広げようとすると、たまに後ろからやさしい男の人の声が聞こえてくる。とても小さな、かなり控えめに話す声。後ろ向きなのでその人の顔はみたことはない。でもしょっちゅう電話で話す声がするので、声は覚えてしまった。

 「朝ごはん食べたか、、そうか。薬は飲んだ? のまなあかんやろ。のみや。うん、うん。また夕方に電話するから」

 一人暮らしの母親に電話しているのだと思う。私も毎日親に電話をしていた時期があったのでなんとなくわかる。

 でも私はこのひとみたいなやさしい感じでは話してなかったと思う。

 息子が母親を気遣うときは優しいのだろうか。

 お母さんは心細いことだろう。夕方にまた息子から電話がかかってくるまでひとりでいるのかもしれない。途中でヘルパーさんがくるのかもしれないけれど。

 もしかしたら、今まで気が付かなかっただけで、世の中の隅っこでひっそり親を心配して電話をしているひとはたくさんいるのだと思う。

 次長は定期的に金曜日に半休をとっている。母親の通院につきそっているらしい。

 私と同じチームで仕事をしている派遣会社からきているMさんもお父さんの様子をみに実家へいくために毎週水曜日は午後から帰る。

 きょう依頼をしようとした女性の専門家は介護中で仕事を受ける量を減らしているときいた。

 そんなふうに。

 親の心配をしながら働いている人は多い。

 きのう、施設に電話をしたら、母の熱は下がって、翌日からシルバーカーを押して歩いて移動できるようになったらしい。よかった。心配できる親がいてくれるだけでもありがたいと思うようにもなった。父が亡くなってから。母までいなくなったらもう心配もできなくなるから。一日でも長く生きていてほしい。

 あしたもやさしい声は聞こえてくるだろうか。

 写真はきょうのランチ。久しぶりに魚をたくさん食べた。

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