今朝、通勤途中に塔の8月号を読んでいて見つけた歌。
・千鶴ちゃんに回転焼きつて何と訊くわたしたち違ふ土地に住んでる 白石瑞紀
塔は詠草を出してから3ケ月後に掲載となるので、この歌は5月に出されたことになります。 今年の5月16、17日は東北集会へ行っていたことを思い出しました。2日間、白石さんと一緒だったシーンは多くて、そのなかのどこかで、「回転焼き」の話をしたのでした。
回転焼きとは、今川焼きのことで、餡子が入った鯛焼きの丸いやつです。 今川焼きと商品名では見るけれど、あれを見たときは私は「回転焼き」と言葉を発します。 関西ではそういうものと思っていますが。
どういういきさつか忘れましたが、私が回転焼きの話をしたときに、瑞紀ちゃんが「回転焼きって何?」って訊いて、え、回転焼き、知らないの?? ってなったのでした。 この歌を読むまで、そんな会話をかわしたこともすっかり忘れていたのですが、ああ、そんな話をしたなぁと思いだした途端、山形へいくまでのずうっとあおあおした森の緑の風景に包まれながら、新幹線とは思えない、ゆっくりペースのおっとり新幹線に乗っていったこと、緑が途切れたとおもったら、一面グリーンの田んぼが見渡せる、ひらけた風景が広がっていたこと、東北のひとたちの温かい歓迎。
わわわ~っとつぎつぎに思い出して、あの楽しかった2日間が身体のすみずみまで液体になってゆきわたってゆくようでした。
写真でも絵でもなく。 夥しい数の歌のなかに紛れ込んだひとつの歌。 そのひとつを掬い上げたとき、こみあげてくるさまざまなもの。
夥しい数の歌のひとつひとつがいろんな場面や思いを孕んでいて、受け取るひとのなかで広がっていく。 とてもすてきだなぁといまさらですが思ったのでした。
温かい気持ちで、気が付くと会社の前のバス停についていました。
瑞紀ちゃん、ありがとう。
あさっては塔の全国大会in鹿児島です。 私は1日早く鹿児島入りします。 まだこれから準備をするのですけど。
鹿児島でもたくさんの人と話したり、笑ったりして、その3ケ月後の塔で、懐かしく思い出すことがありますように。
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