きのう、チェコから帰って来た。個人旅行ならではの珍道中であったけれど、その一場面一場面が鮮明に記憶されて、とても大切な旅になった。
チェコの人はホテルのひともお店のひとも基本的に「笑顔の接待」というのはない、と思う。 だけどきちんとしていて困っていたら手を貸す、というスタイルだ。そこが心地よいと思う。建物も部屋も家具も機能的で無駄がなく、すっきりしている。
バスの乗り場で、駅で、店で、公衆トイレで。チェコ人か、どこの国の人か見分けはつかないけれど、いろんな人に親切にしてもらった。
きのうのこと。関空でいっしょにいった友達たちと別れて、私はひとりで京都ゆきのリムジンバスに乗った。10時ぎりぎりに乗り込んだのでもう二人掛けの席はいっぱいで、空席が数席残っていただけだった。それで、かわいい女性のとなりに座った。20代前半くらい。バスが動き始めるとすぐ、車窓からスマホで写真を撮りだした。見えるのは海とその先の工場群。私にむかって、
「あれは大阪ですか?」ときいてきた。
「そうですね」と答えながら、大阪といっても市内とは違うし、大阪府ではあるけれど・・・といろいろ考える。
そこから少しずつ話をして、彼女はルクセンブルクからはじめて日本に来たこと、4日間京都にいて、そのうちの1日は奈良へいき、そのあと研修のため北海道へ行き、東京から自国へ帰る、ということだった。すごいなぁ。ひとりで遠い日本に来て、またそんなにまわるのか。途中、生駒山が見えたので、あの山の向こうは奈良ですよ、といったら、ここからどれくらいかかるの?ときかれた。ここからって、車なら1時間くらいだろうか、鉄道はここからは行きにくいけどどれくらいかかるのかなぁとかまたいろいろ考える。会話というのは途切れてはいけないと思うけど。
それから、彼女は思い出したように、交通系ICカードのことを訊いてきた。私が持っていたICOCAカードを見せたら、それそれ、北海道も東京も使えるの?というので、東京は使えるけれど北海道は微妙だなぁと返事した。
京都では祇園祭が楽しみという。それで、私はスマホにあった鉾の組み立て最中の写真を見せたら、とても興味深そうにして、「あなたも組み立てたの?」ときくから、笑った。もうすぐ京都駅というときに、ICカードの買い方、心配だったらいっしょに買う?と言ったら「お願いします」と日本語で言った。
それで京都駅について、私はスーツケースと鞄2個、サブバッグ1個を持って、いっしょにJRの販売機に付き合う。時間とらせて・・・と遠慮がちに言うので、きょうはどうせ帰って洗濯するくらいだから大丈夫ということで無事にICOCAを買い、あとなにかある?といったら、「京都タワーはどこでしょうか。私の宿泊先はそこから徒歩でいけるところなんです」という。ええと。ここが八条口だから・・・・ 英語で説明が無理と思って、じゃあいっしょに行きましょう、と京都タワーまで案内した。
とても感謝してくれたのだけど、私も言葉が通じない国で数日をすごして人の親切に助けられたばかりだったからおあいこだよ、と思った。
家に向かう奈良線で、外国人の夫婦がいて、心配そうに車内の路線図を見ていたので、声をかけたら「木津」へ行くという。それで、いくつめか教えて、また私が下りるときにあと2つめですよ、と声をかけたらにこにこされていた。最近はスマホ検索があるから、迷っているのかなと思っても声がかけづらい気がしていたけど、やっぱり旅行中は不安なことが多いから、声はかけようと思う。
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