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いつでも君のこと好きだったよ

雨の日のおばあさん

2019-07-31 23:37:23 | 日記

 先週、仕事の帰り、酷い雨にあった。城陽駅の階段をおりてすぐのバスのロータリーにさえ傘なしでは行けないくらい強い雨だったので、ちいさな晴雨兼用の折り畳み傘ではどうにもならなくて、改札口をでたところの長椅子に座って雨が弱くなるのを待っていた。

 

 同じような人がたくさんいて、15人くらいの人が、長椅子に座っていた。

 

 となりに座ったおばあさんが「なかなかあがりそうにもないねぇ」と、話しかけて来た。

 

 おばあさん「それで、これからどうしはんの?」

 私 「夫の会社の帰りに寄ってもらうか、1時間あとのバスに乗るかですね」

 おばあさん「そう。私は歩いてすぐのところに家があるんやけど、この雨じゃ歩けへんもんね」

 

 私は持っていた本を読もうと思っていたけれど、おばあさんがつぎつぎにいろんなことを話しかけてくるので、ついに読書はあきらめて、おばあさんと話して時間をつぶすことにした。

 

 1時間後、雨が少し弱くなったので、「ほな、わたし、歩いてかえりますわ」「お気をつけて」と、別れた。

 

 結局、夫の仕事もなかなか終わらずに、私はいつもより1時間あとの最終バスで帰ったのだった。

 

 そして。 きょう、改札をでると、エレベーターの前にあの雨の日のおばあさんが立っていた。

 

 おばあさん「あら、こんにちは。あの日はえらい雨でしたね。あのあと迎えにきてもらわはったの?」

 私 「結局、バスで帰ったんです」

 

 なりゆきで私もエレベーターに乗る。すると、おばあさんがとてもすてきなマスクをしていることに気が付いた。お手製ふうで、かわいい赤い花が刺繍されていた。

 

 私「すてきなマスクですね」

 おばあさん「そう? 同じの2枚つくったの。私、刺繍も自分でするんよ。いろんなもの作るの」

 私「刺繍も? すてきな赤い花の刺繍ですね」

 おばあさん「これも作ったんよ」

 

 といって、手提げの袋も見せてくれた。エレベーターを降りると、私の乗るバスがすぐにきたので、そのまま別れた。

 

 次にもし会うことがあったら、ちゃんとマスクの刺繍をみせてもらいたいなぁと思う。

 

 バスを降りて家までの道ばたに、菜園があって、そこに長いめのミニトマトがたくさんなっていた。ビーンズみたいできれい。犬をつれて散歩しているひとが何人かいたけれど、つい、写真を撮ってしまった。夏は暑いけど、はっとするほどきれいなものに出会えたりする。

 

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