ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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最終日がお好き?

2011-01-19 | art/exhibit/museum

最終日その一:
アフロ・キューバン・オールスターズを聴いたあと、天王洲アイルから銀座に辿り着き、最終日の「山口 晃 展~東京旅ノ介~」に滑りこみました。

以前、デパートの広告チラシに大々的に使われていたのできっと、あぁ、あれね、とすぐにその絵が浮かんでくるでしょう。私もそのちらしを、えぇ~~ッ!と思いながら見ていた一人でした。
細かく綿密に書かれた絵、というかイラストというか、デザイン画風でもあり、マンガにも繋がる、独特の作風で現代を江戸にタイムスリップさせたような、ユーモア溢れる絵を描いています。近視な上、老眼も入っているから細かい絵は見づらい。パスしようと思ったけど、前の日に見に行った夫から、面白いから行ったらいいよ、と背中を押されたのでした。

    
          「百貨店圖 日本橋 新三越本店」

山口氏の絵に多く描かれている雲が気になっていましたが、某ウェブサイトでインタビュー記事をみつけました。そうかなぁ、とは思っていたんですけどその率直さが実におかしい。

おなじみの大和絵で使う雲の効用について:
「あちこちで何度も話してますが。すーーっと視線の流れが生まれるわけですね。雲を境にして全く違う世界が描けるのです。一番便利なのは『納期』!雲をさっと描くと一週間分くらい飛ばせるわけです。『洛中洛外図』で雲をさんざん使っている意味がわかりましたよ。『首を落とされないために雲を描いたんだな、この絵師』と、時空を超えて手を握り合ったような気がいたしました。」

ずっと気になっていた東京タワーが二つに分かれているのも気になりますが、分けたほうが描き易いから?だったりして。
会場内に突如、懐かしい
路面電車が現れたり、美観を損なうから地面に埋めるべきだ、と思っていた電柱を華道の様式に見立て、美しいものとして表現しているし、その電柱のモデルも会場内で見れました。想像力溢れる作品の数々は、見ているだけで楽しい~。特にラフに描いたマンガ風イラストと文は、山口氏のユーモアあふれるおとぼけ振りが凝縮されたようで、もっと続きが見たい、と思いました。それが「すずしろ日記」という本で沢山見れるようです。 最終日は午後6時が閉場時間だったので、その時間がすぐに来てしまいました。


最終日その二:
最終日の数日前にチケットを頂き、私の都合でまた最終日になってしまった、デパートでの美術展は、「生誕120年 河井寛次郎 ~生命の歓喜~」

去年、日本民藝館でも素晴らしい作品を拝見することが出来ましたが、この展覧会ではまた一味違った趣向で、寛次郎氏の一ファンとしては嬉しくなる内容でした。

陶芸をはじめとして、木彫や家具調度品、文筆や書の作品、自筆ノートなど180余点が展観。どれを見ても作家の美意識の高さがうかがわれ、改めて尊敬の念を強く抱きました。

ノートに書かれた小さな字は、美しいタイポグラフィーを見ているようでアートそのもの!陶芸家というより生活デザインの総合芸術家と言えるでしょう。

中でも印象的だったのは、92年振りの公開作品になる、寄りそう男女の菩薩像「愛染鳥子」。大正10年、寛次郎31歳ごろの作品とのことです。30代の初めという若さで、どんな思いを抱いてこの作品を作ったのかしら・・と考えずにはいられないほど慈愛あふれる作品です。(左のチケットクリックでパンフレットの裏が、下の二つの作品クリックで後ろ側が現れます。)

 
    「愛染鳥子」表裏         「木彫像」 表裏

見ているだけで心安らぐこの作品を見れただけでも、最終日に駆けつけた甲斐がありました。
       
        棟方志功と河井寛次郎のこの写真が好き。    
      
       

最終投稿日がなんとまぁ、2月5日になっちまいました!
もうとっくに終わった展覧会なので今更、なのですが、一応自分の記録として残します。とは言うもの、記録していない事柄のが多いブログなので、たいして意味ないですけどね。いっそ「いまさらビアンカ♪」にブログタイトルを変えたほうが絶対お似合いでしょう。