ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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   人生は ・・・ダバダバダ・・・

チョムスキーとメディア

2007-02-24 | cinema

  MANUFACTURING   合意の 
                                                 
   CONSENT  捏造:
 NORM   
                                                        
 CHOMSKY AND THE MEDIA 
                                                   

先週の夕刊で「チョムスキーとメディア」が2月17日よりロードショー上映されることを知った。

  ◎ ベルリン国際映画祭ほか50以上の映画祭に正式出品され喝采を浴びた
     傑作ドキュメンタリー映画、待望の日本公開!

  ◎  世界一フィクションであってほしい、ノンフィクション。

  ◎ 「チョムスキーの勇気にはいつも敬服している。彼のメディア批判に触れずして、
     映画も インターネットもテレビも観ることは出来ない。
(いとうせいこう / 作家・クリエイター)

という宣伝文と、「チョムスキーレクチャー」という3回の連続トーク企画がある、という内容に
とても引かれた。ちょうどその時、無性に映画を、心に残りそうな映画を見に行きたかった。
トークは、チョムスキーの発言を、映画、インタヴュー、翻訳と、様々な形で日本に紹介して
きた3人のゲストが、それぞれの立場から見た彼の活動についてお話しするという。
第一回目は、2月18日、映画
チョムスキー9.11』の監督、ジョン・ユンカーマン。

初回上映の前の20分間だけのトークだが、これに決め、雨降りの中を渋谷のユーロスペース
まで行った。誘った人はなんと起きれなかった!それとも東京マラソンを見たかったのかな。

ユンカーマン氏は全てを丁寧な日本語で解りやすくお話しされた。日本人だと小難しい
言葉を入れがちだが、彼の日本語は一つ一つの言葉を注意深く選びながらもハッキリして、
聞いていて心地よい。

       ☆彼のこの映画に寄せるメッセージ☆

          力と政治とメディアに関するチョムスキーの分析に一度接したら、
          ニュースを見る目が変わる。受け身ではいられなくなる。
          世界市民としての自覚が強まり、勇気が湧いてくる。
          これが「チョムスキー効果」である。  
                     ジャン・ユンカーマン(『チョムスキー9.11』監督)


言語学者ノーム・チョムスキーの発言を日本に広め、映画制作や平和運動のオピニオン
として日米両国を拠点として活躍されている方のお話しはとても心に響くものだった・・・が、
167分間(途中5分間ほどの休憩あり)ほぼ喋りっぱなしの映画を見終わった後、
ユンカーマン氏が何を話したのか考えてしまったほど、この映画は様々なインタビュー、講演、
討論で溢れた内容のものだった。今考えるとナレーションが確か、なかったと思う。
ユンカーマン氏がチョムスキーの健康に関して、「あまり長くはないかもしれない・・・」と
言ったことと、もっとずっとお話しを聞いていたい、という気持があったことは覚えていた。


この長編ドキュメンタリー映画は、5年という長い年月をついやして1992年に製作され、
世界中で22の映画賞を受賞するも、日本ではいまやっと待望のロードショー・・・ということは、
どういうことなんだろう。配給会社が決まらなかった、と、どこかに書いてあったようだが・・・。
ピーター・ウィントニックとマーク・アクバーという二人の監督の「製作ノート」が興味深い。
資金が底をついてしまったり、助成金が没収されたりし、もともと少ない自分たちの収入を
さらに削りながらも、完成にこぎつけたそのエネルギーは、チョムスキーへの共感以外の何もの
でもないのではないだろうか。
チョムスキーは映画化について快諾したが、映画の中で、
「喋るばかりの映画なんて、見たいと思う人はいるのかね?」と、ちょっとジョークっぽく話していた
場面が印象的だった。

                      
                ◆    ◆

  「現代の民主主義国家におけるプロパガンダは、政府による閲覧や悪意による報道の
  歪曲ではなく、マスメディアが持つシステムそのものによってごく自然に行われている。」
                     
 
  このノーム・チョムスキーの分析が、映画の主役である。報道の現場にいる人間さえも
  ほとんど意識することのない構造的な問題を、チョムスキーは膨大な事例を用いて
  綿密に検証してみせるのだ。
                         ◆    ◆

前半では東ティモールとカンボジアで起きたジェノサイドー集団虐殺ーについて、大手新聞社の報道の仕方を比較。後半はチョムスキー発言への反論者も沢山登場し、喧々諤々。
「あなたは、ただの夢見る少年と同じだ!」等等、現場を知らない“思想家”の戯言だと言わんばかりの発言を浴びるも、
討論が、面白くなったかと思うと別の場面にすぐ移行することが多く、その辺りが物足りず、満たされなかったが、映画にするにはそうでもしないと、際限なく長いものになってしまうからだろう。

それにしても、1975年12月7日、東ティモール、ディリへのインドネシア軍の
侵略の映像はショックだった。

   大切なのは自分で考え、伝えること。ひとりひとりがメディアになれる。     
  捏造された“世論”を疑い、他者との連帯を深める中で自分の価値観を身につけること 
  によって、人々は知的に自衛できる、とチョムスキーは説く。彼の主張は、時代そして   
  国境を越えて、現代の日本を生きる私たちが自分の生活の主導権を取り戻すための 
  強靭な手がかりを与えてくれるだろう。変化をもたらす力は私たち自身の手にある。この
  映画はそう教えてくれる。(作品解説より)                                                               


勿論、チョムスキーの言っている事をも含め、物事をただ鵜呑みにせず、「民衆をスポーツに
熱中させている」間に世の中の大事な取り決めがなされてしまわないようにはしたいものだ。
メディアが描く世界観から抜け出すには努力が必要」という言葉は、メディアが描く世界観
とは何か、すぐにはピンとこない私には、じっくりと噛み砕く必要があるかもしれない。
でも・・・、平凡に、ただただ国の平和を、世界の幸せを願っている人間とか、敵味方の意識の
希薄な戦争体験のない人間にとって、もしかしたら、努力なしでは見えてこない世の中が
きっとあるのだ、と思う。疲れる世の中だ。
チョムスキーの言う「
Convenient Myth
」(コンビニエント・ミス=都合のいい神話)という言葉は、
今話題の、ゴア元米副大統領出演の「An Inconvenient Truth」(インコンビニエント・トゥル
ース=不都合な真実)という言葉となぜか同じく聞こえる。
《NOT FIT TO PRINT》という箱の中に入れられてしまう「不都合な真実」の記事群。
沢山の活字が選別され、切り取られ、その箱に投げられるシーンは、どんなだったっけ。
映像がめまぐるしいのと、字幕を読むのに追われ、息つく暇もないような映画だったが、
集中していたせいか、短く感じられた。
入場券が二千円もしたが、その半券を使えば2度目は1200円で見る事が出来るが、
娘が4日なら行ける、というので渡してしまった。果たして朝起きれるかが問題だぁ。


       チョムスキー・レクチャーはあと2回、各AM10:10~10:30。

       2月25日(日) 「チョムスキー教授に学ぶこと」    岡崎 玲子
       3月 4日(日) 「オルタナティブ・メディアの実践」   中野真紀子

     

つぎは「不都合な真実」でもみようかな・・と思ったが、このビルのなかに、Q-AXシネマ
というのもあって、中国映画「孔雀」を上映中だった。三つ編みの女の子がミシンで縫いもの
をしているポスターが気になってしまい、見たくなった。
又、一階にはカフェダイニング 《Theater6》があり、美味しそうな匂いがプ~ンと漂っていたが次回のお楽しみとする。
この一帯はラブホテル街で、ぶらぶら歩いて「見学」していたら、名曲喫茶「ライオン」を
見つけた。千代田稲荷神社も見つけたし、このあたりが「しぶや百軒店」なんだ、と、やっと
懐かしく思いだした。昔、ジャズのお店があったので、周りの環境もよく見ず、そこだけに何回か行ったことがある。
家でこれらのことを話したらパパが、「そのあたりだよな、東電OL殺人事件があったのは。
その神社あたりじゃないか、いつも立っていたというのは」と言い出した。
話を聞いているとやたら詳しいので何故かを聞くと、よく調べ上げた本が出ていて、読んだことがあるという。
加害者だと疑われているネパール人がわが町のインド料理屋でも働いたことがあったそうで、未だに真相は闇の中だそうな。

  
      
千代田稲荷神社                名曲喫茶ライオン            ライブハウス O‐Crest


  またまた長くなり、追記あり削除ありでご免なさい。 適当に読んで(見て?)やってください。