“ヴィタミーナ”な生活

おいしく食べて、楽しく飲んで 

私のアンネ・フランク

2010年08月15日 | 
直樹とゆうこの物語第三作「私のアンネ・フランク」を読みました。

2人のイーダで2歳だったゆう子も13歳、中学生になりました。
お母さんからの誕生日のプレゼントは「アンネの日記」と日記帳。
アンネの日記には興味を示さなかったものの、アンネが日記帳にキティという名をつけていたということに触発され、ゆう子はアンネに宛てて日記を書き始めます。
日記の内容は他愛のない日常的なこと。
しかし、ゆう子はスーパーの警備員の小林さんが経歴詐称で職を追われ、小学校から一緒だったサトルの本当の名前が「金泳孝(キム・ヨンホ)」であることを知ります。
そして直樹に連れられて「アンネ・フランク展」を見に行き、アンネが実在の人物であり、ユダヤ人に対する迫害が本当に行われていたことを知るのです。
ゆう子の母蕗子は、自分とアンネが同じ年の同じ月に生まれていたことを知り、アウシュビッツへ行きます。

蕗子のアウシュビッツへの旅の描写は、作者松谷みよ子さんの実体験でしょう。
2人のイーダで原爆をテーマにした松谷さんは、私のアンネ・フランクでは差別を描きました。
2作とも戦争被害者について書いています。
でも、松谷さんの視点は少し変わってきたように思います。
戦争加害者としての日本。
この視点が直樹とゆう子の物語第4作「屋根裏部屋の秘密」へとつながっていきます。


8月6日、9日、15日が何の日なのかわからない若者が増えている、と聞いています。
この間テレビで「日本は第二次大戦でどこの国と連合を結んでいたのか」と言う問いに、若い女性タレントがアメリカと答えていました。
その理由が「今、アメリカと仲がいいから」
ヒロシマ、ナガサキ、戦争はいずれ歴史の授業で習うものになってしまうだろうな、と思ってはいましたが、せめて学校でちゃんと教えてください、と強く感じました。
情けないよ、ニッポン人

最新の画像もっと見る

コメントを投稿