観測にまつわる問題

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INF条約失効関連

2019-02-14 12:12:35 | 外交安全保障
安倍晋三総理(ウィキペディア)(恐れ多いですが使っていいらしい。ただの党員で支持者に過ぎませんが)

2月10日の日曜討論でINF条約失効に関する話題があって、核問題は北朝鮮問題や中国の問題に直結する問題でもあり注目しています。

NATO国防相、INF条約の失効後を協議 ロシアに条約復帰も要請

>「欧州に新たな地上配備型の核ミサイルを配備するつもりはない」と強調。ロシア側との新たな軍備拡大競争を避けるため、あくまで「防衛的」な姿勢で臨むとした。
>INF条約を巡っては、ロシアが条約に違反してミサイル開発を進めてきたとして、米国が1日に条約破棄を表明。ロシア側も対抗して破棄を表明した。8月まで6カ月間の猶予期間中に歩み寄りがなければ失効する。
>NATOは1日、米国の判断を「完全に支持する」との声明を公表した一方で、ロシア側に再考も促している。ストルテンベルグ氏は13日、「まだロシアが戻ってくるチャンスはある。すべてのNATO加盟国はロシアとさらに向き合う用意がある」と述べ、失効回避へ協議を呼び掛けた。ストルテンベルグ氏は15~17日に開くミュンヘン安全保障会議の場で、ロシアのラブロフ外相と会談する予定だ。

INF条約とは中距離核戦力全廃条約で2010年代にロシアが巡航ミサイルの開発を進めたことで、アメリカが条約違反を指摘し米露が対立。この条約に参加していない中国のミサイル開発を懸念してきたアメリカのトランプ大統領が2018年10月20日、本条約を破棄すると表明。2019年2月1日アメリカはロシア連邦に対し条約破棄を通告したと発表し、翌2日からの義務履行停止も同時に表明。ロシア連邦もこれを受けて条約の定める義務履行を2日に停止したという流れのようです。

基本的には軍拡競争は共倒れになりかねず、中国が漁夫の利を得る可能性もあって、米露共にその懸念はあると思いますが、ロシアとしてはずっとアメリカのミサイル防衛計画こそバランスを崩しているという考えのようです(日本に対しても度々その懸念を表明しています)。ロシアの見解を支持する訳ではありませんが、ロシアはアメリカのミサイル防衛を高く評価しており、何もしなければ自身の核武装が無効化されるだろうと予測し、それを突破するには新しい巡航ミサイルを開発するしかないと考えたのではないかと思います。ミサイル防衛は効果が高いものだと思いますが、矛の強化(ロシア、極超音速ミサイルを来年配備へ 迎撃不可能と主張 CNN2018.12.27)で突破できるという考えのようです。



日曜討論でも指摘されていましたが、中国というファクターも考える必要があり、米露中の話し合いを期待する向きもあるようです。米露だけ軍拡競争を防いだところで、中国が軍拡しまくって世界を中国が支配するのようなことになっては適いません。米中貿易戦争もあって中国が弱っているとも言いますが、中国はずっとアメリカをも凌ぐ(少なくとも日欧とは比較にならない)高い成長を続けており、崩壊予測はこれまでのところ、崩壊するする詐欺と化しています(同様の事例に北朝鮮崩壊するする詐欺)(勿論絶対はないですが、予測が外れ続けていることに注意すべきでしょう)(口が悪い「正直者」トランプ大統領が中朝指導者を高く評価しているのは、それがディールに値する相手だと見ているのだと思います)。

中国という国は不透明でどんな隠し事をしているかも分かりませんし、それを指摘したところで(どんなに間違っていても)認めないものは認めない国です。ロシアも不透明ではあるのですが、これまで(近年上述の理由で怪しいものの)核軍縮に成功してきた実績もありますし、実効的な条約を結んで互いに守る気があれば、どうにかなる範囲の問題ではあるのでしょう。

日本も中国の軍拡が進めばロクなことになりませんから、米露もそうですが、米中の話し合いが進むことに期待もあります(枠組みは米露中や米露中欧日等も考えられるかもしれません)。中国の核戦力に一定の透明性が確保され制約が設けられれば、米朝の話し合いに好影響も考えられ、日朝の話し合いの気運が出てくるかもしれません。台湾を巡るニュース「台湾独立」めぐる国民投票の実施、米国は不支持を表明(フォーカス台湾)もこうした動きに関連する可能性もあります。

米露間の話し合いの成功の鍵は筆者としてはミサイル防衛がテーブルに乗るかどうかだと予測しておきます。勿論これも日露交渉と無関係ではありません。ロシアは北方領土交渉に絡んで在日米軍の基地建設の懸念を強く主張してきましたし、オホーツク海に潜むロシア太平洋艦隊所属の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦と国際海峡の問題もあって、ミサイル防衛は日本も参加しています。北海道の発展を考えると、極東ロシアとの関係も重要だと思いますが、こうした国際社会の外交安全保障の大きな流れも関係しているという訳です。


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