観測にまつわる問題

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中国と北朝鮮の関係

2018-03-03 11:30:55 | 政策関連メモ
北朝鮮労働党幹部が明かした「中国・ロシアとの本当の関係」(現代ビジネスプレミアム 2017.09.22)

>度重なるミサイル発射で日々緊張が高まる北朝鮮情勢。いま、金正恩第一書記はなにを考えているのか。ジャーナリスト・近藤大介氏が北朝鮮労働党幹部に接触。彼らが諸外国との関係についてどう思っているのかを聞いた。

北朝鮮の考えを知るためには、北朝鮮労働党幹部の証言は重要ですね。先ほど気になって「中国 北朝鮮」で検索したら一番で出てきました。興味深いので考察します。

>「おそらくわが国への輸出が半減するだろう。すでに平壌市内でも、配給の遅滞やガソリンの使用制限が始まっている。

>だが石油に関しては、こういう事態を予期して、昨年のうちに中国から大量に仕入れている。そのため当面の使用分は確保している。

>加えて、ロシアから鉄路などで輸入している。ロシアは石油供給に、非常に協力的だ。

>また、労働者の輸出については、相手国と水面下で合意すればよいだけの話で、楽観視している。

>いずれにしても、わが国は1953年以降、常に制裁を受けてきており、耐えることには慣れている

制裁の効果があることは北朝鮮も認めていますが、在庫があるので本格的に効果が現れるには時間がかかるようですね。ロシアが一番アシストしているようです。海路は瀬取り対策が進んでいますから、いずれは制裁の実効性が出てくると考えられますが、北朝鮮ーロシア間の陸路ルートをどうするかが問題です(ロシアと北朝鮮を結ぶ鉄道 両者の思惑一致 日テレNEWS24 2013年11月29日 15:40)。この辺はあまり焦点が当たらなかったような気はします。鉄道で石油を運ぶと目立つ気もしますが、堂々やってるんですかね?(参考:石油を運ぶ 日本石油輸送株式会社 石油部)労働者の問題も誤魔化すと仰っているようです。日本の極東ロシア支援でよもや北朝鮮労働者が働いているというようなことがないよう祈りたいですね。

>現在、北朝鮮をバックアップしている大国は、中国ではなくロシアだと考えてよいのか。

>「その通りだ。プーチン政権とは、蜜月時代を築いている。かつて元山と新潟の間をつないでいた万景峰号は現在、元山とウラジオストク間を、毎週往復している。ロシアから主にエネルギーをわが国に運び、わが国からは軽工業品や日用雑貨品などをロシアに運んでいる」

欧州とも揉めていますが、ロシアは日本に喧嘩を売る気なんですかね?北朝鮮支援は絶対に止めてくださいね。ロシアがエネルギーを売りたければ、需要旺盛な中国が買ってもいいと思いますし、日本も資源エネルギーをロシアから買っているようですが、生産拡大をしないことを条件に(アメリカがシェール革命で供給を増やしましたからそもそも経済的観点から供給を増やす局面ではありません)北朝鮮以上の値段で買うことも考えられないではありません。ロシアに資源エネルギーを依存することに安全保障上の理由で警戒する向きもありますが、パイプラインを繋ぐというこではなく、例えば石油の備蓄を増やすというのはひとつの考え方だと思います(基礎情報:備蓄データ JOGMEC)。208日持つということで、どの辺が適正か分かりませんが、石油が高騰した場合、備蓄分を使うっていう手もあるかと思います。天然ガスは備蓄できないようですが、天然ガスで軍用車が動く訳ではないでしょう。LNGタンカーは目立ちますから、制裁されれば海路入ることはないと思いますが、鉄道はやはり要注意みたいですね(LNG輸送 日本貨物鉄道株式会社)。北朝鮮がどれだけお金を稼いだところで、売る人がいなければ、資源エネルギーが入ることはありません。戦争になるという人もいますが、北朝鮮が国際社会に全会一致で反対されている核開発・ミサイル開発を止めれば、制裁されることはありません。北朝鮮自身も耐える覚悟はできているようです。

>北朝鮮と中国との関係は、かなり悪化していると考えてよいのか?

>「1949年に国交を結んで以来、最低レベルまで落ち込んでいると言える。朝鮮戦争(1950~'53年)以降、朝中両国は互いに『血盟関係』を唱え続けていたが、いまやむしろ敵対関係に近い」

>なぜそれほど中国との関係が悪化したのか。

>「かつて将軍様と胡錦濤政権の関係は、非常に良好だった。すべての原因は、習近平が変節したことにある。習近平は信用ならないから、わが国のミサイルは、いつでも向きを変えて北京を狙えるようにしてある」

最近独裁で注目を集めた習近平氏ですが、日本にとっては、少なくとも喫茶の課題の北朝鮮問題では、プーチン大統領よりは信用できるのかもしれません。今でも最大の支援国だとは思いますけどね。まぁ支援しているからこそ、制裁を進める余地があると見てもいいのかもしれません。北朝鮮が中国に向けて実際にミサイルを撃つようなことはないでしょうが。

>5月に発足した韓国の文在寅政権についてはどう見ているのか?

>「政権100日の時に『労働新聞』などで厳しく論評した通りだ。一言で言えば、まったく信用ならない政権だ。例えば、一方で北南離散家族の交流をやろうとか、平昌冬季オリンピックを同時開催しようとか誘いをかけてくる。だがその一方で、あれほどこちらが中止を要求していた『乙支フリーダム・ガーディアン』(8月21~31日に行った米韓合同軍事演習)を強行した。また、やはりわが国が強硬に反対し続けているTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備も、予定を早めて行った。これほどタチの悪い政権はない。文在寅政権は、将軍様と盧武鉉大統領が交わした『10・4北南共同宣言』10周年を共に祝おうと提案してきているが、そんなイベントを行う理由がない」

北朝鮮にこのような評価を受けているのですから、ムン政権が北朝鮮の心を溶かすようなことはないと見るべきです。核放棄する意志がない北朝鮮に譲歩したところで、間違いなく騙されるだけですから(これまで騙されてきました)、やはり日米が言ってきた通り、圧力優先でいくしかないんだろうと思います。3月18日までパラリンピックがあるようですが、応援・芸術団派遣を取り止めたようですし(北朝鮮がパラリンピックへの応援・芸術団派遣を取り止め これ以上は効果なしと判断か 産経ニュース2018.2.27 23:25)、そろそろムン政権は腹を括って足並みを揃えていかねばなりません。北朝鮮と戦争を仕掛けるつもりではない、ただ核開発・ミサイル開発を止めて欲しいだけ、それができるなら対話する用意はあることは十分伝わっているはずです。武力威嚇をする国に対して訓練を止めるとか、ミサイルを撃つと言っている国に対してミサイル防衛しないとかそんな選択肢はありません。ならず者が「訓練するな」とか「防御するな」とか強く主張したところで、「○○して寝てろ」以外に何を言えばいいんでしょうか?もっともタチが悪い国が他国をタチが悪いと主張したところで誰もそんな話を聞きません。北朝鮮は国際社会から全会一致で制裁されており、衆目一致するタチが悪いのチャンピオンです。金メダル、おめでとう!

中国はロシアと組んでますし、必ずしも中国を信用するつもりもありませんが、北朝鮮との関係が良くないというのは歓迎すべきですね。北朝鮮のムン政権観も面白いと思います。


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