のどかな里山の小高い丘にある鳥居の先に、毘沙門堂(萬福寺)が建っていた。
その脇から石段を上がると収蔵庫があり、ここに皮兜の毘沙門天立像が保管されていた。
10世紀の作でカツラ材の一木造りナタ彫り(像高102cm)で、左手に乗っていたであろう宝塔と、右手に持っていたであろう宝棒または戟は失われているものの、国の重要文化財になっている。
これに加えて右手前には持国天(像高163cm)、左手前には増長天(像高151cm)の二天(11世紀作の寄木造りで国の重要文化財)も収められていて、いずれも直立姿勢ではなく、動きの一瞬を捉えたような造形が魅力的だ。
毘沙門天を含む四天王の上司は帝釈天で、寅さんの柴又帝釈天にも、もう一度行ってみようかな。
鉛温泉の一軒宿「藤三旅館」にある、日本一深い(125cm)自噴天然岩風呂「白猿の湯」(混浴)。
立って入る珍しい湯舟は地階にあり、そこから見上げる吹き抜けの天井は3階まである。
戦前に建てられた館内は昭和レトロの雰囲気で、昔から自炊湯治がメインのため、生活物資の店舗も備わっている。
最近、露天風呂も新設された。
(この温泉は、新藤兼人監督の映画「銀心中」(1956年製作)の舞台にもなった)