一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。
故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?
ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、
外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。
これを世の人は「奇祭」と呼びます。
奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。
これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」
「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、
奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。
よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り
(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、
ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、
開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。
これから数回に渡って奇祭を特集していきます。
その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、
祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。
特に言う必要はないと思いますが、
以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、
れっきとした郷土芸能であり、
日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。
まずは、北海道知内町の知内おっぱい祭りからです。
知内おっぱい祭り(北海道上磯郡知内町知内川河川敷特設会場)
毎年8月14~15日に行われる、本町の乳神伝説を題材にした祭りです。
この乳神伝説とは、了徳院重一が亡くなった数年後の1262(弘長2)年、
妻の玉之江は病床に伏していました。
玉之江は家族を呼び、
「私が亡くなったら知内の一番見晴らしのいいところに埋めてください。
乳不足の母親にお乳を授けてあげたいのです」と遺言し
亡くなったと言われています。
家族は元町の小高い丘に玉之江を葬り、そこに一本の杉の木を植えました。
その木にはいつの頃からか女性の乳房に似た二つの瘤が見られるようになり、
そばにお堂を建て、姥杉社と名付けました。
この了徳院重一の妻玉之江を祀ると伝えられる樹齢700年あまりの杉の木で、
知内公園内にあり、古くから乳不足の婦人が洗米を献じて授乳祈願した後、
その米を持ち帰り粥にして食べると必ず乳が出るようになったことから
「乳母杉」「乳神さま」といわれるようになりました。
知内おっぱい祭りはこの故事にちなんで行われ、女性によるおっぱいみこし、
おっぱいねぶたの運行を始め知内ソーラン踊りや千人切りなどがあります。
【交通アクセス】
電車:JR海峡線・江差線「木古内」駅よりバス
お札まき(神奈川県横浜市戸塚区戸塚町)
横浜市戸塚区戸塚町で毎年夏に行われるお札まきというお祭り。
10人くらいの男性が顔におしろいをつけ派手な着物をまとい、
その女装姿で円になって踊ります。
かつらをかぶった人を中心に音頭を取ります。
そしてこの後に行われるのがメイン行事のお札まき。
真ん中にいた男性が色とりどりのお札をうちわで扇いでまくのですが、
これを取ることができると1年間神様が守ってくれるのだそうです。
移動してはまき移動してはまきを繰り返し、夜8時くらいまでお祭りは続きます。
観客も気軽に参加できるます。
【交通アクセス】
バス:JR東日本「戸塚」駅戸塚バスセンターから、
「大船駅西口」「金井高校前」「ヒルズ南戸塚」「立場ターミナル」行きで
JR東日本「藤沢」駅から「ドリームランド行き」で、
「日立入口」下車、徒歩1分。
徒歩:戸塚駅から徒歩約10分。
豊年祭(田縣神社:愛知県小牧市)
小牧市にある田縣神社では毎年3月15日に豊年祭というお祭りを行います。
とある筋ではとても有名らしくて世界各地から人々が集まります。
田縣神社のご神体は長さ2mあまり、直径60㎝くらいの檜でできた男根です。
大男茎型といいますが豊年祭とは毎年これを作って、
それを厄男たちが御輿に担いで奉納し五穀豊穣と万物育成、
子孫繁栄を祈るのだそうです。
御輿は田縣神社から少し離れた熊野社から田縣神社までを練り歩きます。
1時になって御輿が出発し、
田縣神社までの500mくらいの距離を2時間半かけて練り歩きます。
御輿の後には小型のご神体を持った男性が女性客に触らせます。
巫女も白木のご神体を抱いて行列に参加します。
最後に境内で餅まきが行われ祭りは終了となります。
【交通アクセス】
電車:名鉄小牧線「田縣神社前」下車、南西方向へ200m、徒歩約5分。
いかがでしたか。
祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。
長年にわたって受け継がれてきた祭りには、
理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。
たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?
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