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日本の奇祭21「ほだれ祭」

2014年04月22日 | 日本の奇祭

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、新潟県のほだれ祭です。

 

ほだれ祭(ほだれ神社:新潟県長岡市)

 

ほだれ祭は、新潟県長岡市伝来(栃尾地域下伝来地区)にある

「ほだれ神社」で行われる祭りです。

毎年3月第2日曜日に開催されます。

新婚1年未満の女性が、高さ22メートル、

重さ約600キロと日本一巨大な弾痕形の道祖神である神体に跨がり、

これを神輿として担ぎ地区内を練り歩きます。

「越後の奇祭」との別名を持っています。

「子宝」「安産」「縁結び」「五穀豊穣」「商売繁盛」

「家内安全」を祈願しています。

 

 

ほだれとは「穂垂れ」つまり稲や粟がたわわに実り、

穂先が垂れる形に由来する言葉で、農耕の実りを表します。

道祖神のひとつである男根形のほだれ様は

農耕の実りと人の実りを守る神様として、古くから信仰されてきました。

 

 

新潟県のほぼ中央に位置する栃尾市。

その市街からほぼ南へ7㎞ほどいった下来伝地区には、

日本一の大きさを誇る高さ2.2m、

重さ約600㎏の巨大な男根形の御神体の「ほだれ様」が祀られています。

 

 

栃尾に嫁いできた初嫁が神輿に乗った御神体にまたがり、

これを村の男衆が担いで村内を練り歩き、五穀豊穣と子宝・安産を願います。

小さな村の祭りでしたが、噂が噂を呼んで、

今では市外・県外からも観光客やカメラマンが訪れる祭りとなっています。

 

3月第2日曜日午前11時から長岡市下来伝ほだれ神社にて始まります。

 

 

祭りに先駆け、村人の手により作られた巨大な注連縄が村人達の肩に担がれ、

おごそかに登場します。

 

神事はある年は雪の中、ある年は春のような麗らかな日差しの中で行われますが、

きちんとしたタイムスケジュールがあるわけではありません。

おおらかにのびのびと、参加者・観光客全員で、

初嫁さんの幸せと子宝・夫婦円満を願います。

 

 ○注連縄張り

 ○大数珠くり

 ○修抜

 ○清殿式間

 ○ほだれ大神氏子へ御降臨

 ○献撰の儀

 ○樽酒鏡開き

 ○祝詞奏上

 ○五穀豊穣祈願

 ○初嫁厄払い

 ○御神符祈願

 ○富くじ撒与

 ○一般参賀

 ○榊を奉ずる

 ○御宮より御移降

 ○ほだれ太鼓披露

 ○五穀豊穣餅つき

 ○御神体村内を巡覧

 ○社殿舞込み

この後、抽選会が行われ、お米やお酒が当たるラッキーな方も。

 

県の重要文化財である杉に注連縄が締められます。

高さ2.2m、重さ600㎏の御神体がご降臨。

 

かわいくて少しHなお土産は大好評。

 

拍手と喝采の中、子宝と夫婦円満を祈念して初嫁が宙に舞います。

 

【交通アクセス】

車 :関越自動車道「長岡IC」または北陸自動車道「見附中之島IC」から、

   国道8号線~351号線~290号線経由、約40分。

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?


日本の奇祭20「くらやみ祭」

2014年04月07日 | 日本の奇祭

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、東京都のくらやみ祭です。

 

くらやみ祭(大國魂神社:東京都府中市)

 

くらやみ祭は、主に5月3日~6日にかけて

東京都府中市の大國魂神社で行われる例大祭です。

東京都指定無形民俗文化財。昔は「武蔵国府祭」とも呼ばれました。

ゴールデンウィーク中に行われることと相まって

期間中は約70万人の人手で賑わいます。

 

室町時代の文書には「五月会」と記録があり、

江戸中から見物人が多く訪れていました。

その後は、地域住民の例祭へと発展しました。

かつて街の明かりを消した深夜の暗闇の中で行われていた為

「くらやみ祭」と呼ばれるようになりましたが、

多くの提灯が建てられたため「ちょうちん祭」、

また神輿が御旅所で出会うことから

「出会い祭」などと呼ばれることもありました。

また「けんか祭」と呼ばれたこともありました。

府中市の中心部を六張もの大太鼓と

八基の神輿が回る壮大な祭りとして知られています。

 

5月3日

 

 

 

5月4日

 

 

 

5月5日

 

 

 

 

5月6日

 

 

祭りが暗闇に行われる理由は、

貴いものを見る事は許されないという古来から存在する儀礼に起因し、

神聖な御霊が神社から神輿に移り御旅所に渡御するのは

人目に触れる事のない暗闇でなければならないという

神事の伝統がそのまま現在まで引き継がれているためです。

 

徳川幕府(江戸時代)期には現在の様な神幸の形になったようで、

神輿渡御は午後11時頃開始され、

翌日午前3時~4時頃に神社に戻ったといいますが、

昭和34年(1959年)に午後4時渡御開始、

翌日午前4時に還御開始と改められました。

その後、平成15年(2003年)に午後6時渡御開始となるなど、

時代背景に応じて柔軟に変化しています。

 

大國魂神社は東京都区部にある主要な神社仏閣より遥かに古い歴史と格式を持ち、

例大祭は時代に変革とともに変貌を遂げつつも、

今も古式に則った行事が厳粛に行われています。

また、かつて例大祭期間中は東京競馬場でのレースを警察などの要望もあり

JRAは警備上の重複による混乱を避けて自粛していましたが、

平成15年(2003年)に渡御開始が午後6時に変更となり

レース時間と重ならなくなったため、開催されるようになりました。

山車で行われる府中囃子(目黒流と船橋流)は、

府中の「郷土芸能」となっています。

2010年、「武蔵府中くらやみ祭」として

東京都の無形民俗文化財(風俗慣習)に指定されました。

 

【交通アクセス】

電車:京王線「府中」駅から徒歩約5分。

   JR南武線・武蔵野線「府中本町」駅から徒歩5分。

車 :中央高速「国立府中IC」から10分。

   中央高速「調布IC」から15分。

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?