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日本の奇祭7「牛乗り・くも舞」「嵯峨祭・還幸祭」

2013年09月24日 | 国内旅行

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。
故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、
外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。
これを世の人は「奇祭」と呼びます。

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」
「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、
奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。
よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り
(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、
ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、
開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。
その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、
祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

特に言う必要はないと思いますが、
以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、
れっきとした郷土芸能であり、
日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

今回は、秋田県潟上市の牛乗り・くも舞と京都府京都市の嵯峨祭・還幸祭です。


牛乗り・くも舞(東湖八坂神社:秋田県潟上市天王)

豊作・豊漁・悪霊退治を祈願する、
秋田県潟上市の「東湖八坂神社例大祭」の神事「牛乗り・くも舞」が
7月に潟上市天王と男鹿市船越の両地区を舞台に行われます。

この神事は、全国的にも有名な奇祭で、
聖なる儀式によって神人になった男(スサノオノミコト)が意識を失ったまま、
黒牛に乗って町を練り歩く「牛乗り」と、
全身を赤い布で覆った神人(ヤマタノオロチ)が、
とんぼ返りの舞を演ずる「くも舞」とが対になっています。

天王・船越の両地区を巡行する神輿が八竜橋の中央にさしかかる頃、
天王側からはスサノオノミコトとなった「牛乗り人」が登場します。
船越側からはヤマタノオロチとなった「くも舞人」が登場して
とんぼ返りを演じます。

地域の水神信仰が習合したものとされ、さらに統人(祭りの責任者)によって、
千年以上にわたって諸行事が厳格に継承されている貴重な行事として、
昭和61年に国重要無形民俗文化財に指定されています。
勇壮にして神秘的、一見に値する奇祭です。

【交通アクセス】
JR東日本男鹿線の「天王」駅から徒歩3分


嵯峨祭・還幸祭(愛宕神社・野宮神社:京都府京都市右京区嵯峨)

嵯峨祭・還幸祭は、嵐山一帯(御旅所→大覚寺→渡月橋→御旅所)で
賑やかしく執り行われる愛宕神社・野宮神社両社共催のお祭りです。 
ちなみに5月の第3日曜日に行われるのが「神幸祭」で、
第4日曜日に行われるのが「還幸祭」です。

「還幸祭」は、御旅所から御輿渡御がはじまり、
大覚寺や渡月橋近くを練りながら、再び御旅所へと戻ります。

獅子舞に続いて5基の剣鉾(澤潟鉾、龍鉾、麒麟鉾、菊鉾、牡丹鉾)が差され、
それによって清められた道を、子供神輿、愛宕神社神輿、
野宮神社神輿が続きます。

 

見どころの一つが、大覚寺に到着後の儀式です。
剣鉾は大覚寺の勅使門から入り、境内に入ります。
その後、神輿の担ぎ手と2基の神輿が、勅使門の前で清払いを受けます。
このときには、神職が祝詞をあげ、大覚寺の僧職が読経をあげ、
神仏習合の形態で儀式が行われるのです。

 

昼休憩を大覚寺で取った後、行列は渡月橋方面へと向かいます。
風光明媚な嵐山が、祭りで賑やかに彩られ、観光客の視線を集めます。
踊り歩く獅子舞、清々しい剣鉾の鈴の音と指し手の妙技、
熱気溢れる神輿の担ぎ手たち、地元の人々の想いとともに
受け継がれてきた活気ある祭りの風景を見ることができます。

 

渡月橋で休憩をはさみ、行列は夕方に御旅所に戻ります。
剣鉾は御旅所には入らず、すぐ解体されますが、神輿は御旅所の中を三周します。
その後、神事の中で御霊移しが行われ、嵯峨祭・還幸祭の長い一日が終了します。 



【交通アクセス】
渡月橋へは:京福電鉄「嵐山」駅またはJR「嵯峨嵐山」駅より徒歩。
大覚寺へは:市バス「大覚寺」下車すぐ。
御旅所へは:市バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩5分。

いかがでしたか。
祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。
長年にわたって受け継がれてきた祭りには、
理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。
たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか。


日本の奇祭6「鍋冠祭・お太鼓祭り」

2013年09月09日 | 国内旅行

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、滋賀県米原市の鍋冠祭と静岡県清水区由比のお太鼓祭りです。

 

鍋冠祭(筑摩神社:滋賀県米原市)

 

筑摩神社は滋賀県米原市にある神社です。

鍋冠祭が有名で、米原市の無形民俗文化財に指定されています。

 

 

【祭神】

御食津神を主祭神に大歳神、倉稲魂神、大市姫神の3柱を配祀していますが、

いずれも食物に関係のある神を祀っています。

 

【歴史】

社伝によれば、孝安天皇28年に創祀され、継体天皇が越前から上京する際に、

当社のそばに行宮を設け、社殿を再建して神域を定めたとされていますが、

鎮座地は桓武天皇の時代に内裏大膳職の御厨が置かれた地なので、

その鎮守として御食津神を祀ったものと推定されています。

なお、御厨は延久2年に廃されました。

 

仁寿2年に従五位下の神階を授けられていますが、

「延喜式神名帳」への記載はありません。

後鳥羽天皇や源頼朝からも神領が寄進され、

寛元3年には最高位の正一位の神階が授けされました。

江戸時代には彦根藩主井伊氏の崇敬を受けました。

 

明治16年郷社に列し、大正4年県社に昇格、

同年神饌幣帛料供進社の指定を受けました。

 

【祭事】

 

 

5月3日の春の大祭では、御旅所から神社までの約1㎞を

総勢200人が練り歩きます。

その行列の中に狩衣姿の数え年8歳前後の少女8人が

鍋を被って加わることから「鍋冠祭」とも呼ばれます。

当社の祭神が全て食物に関係のある神であることから、

このような祭が生まれたと考えられています。

 

 

【交通アクセス】

電車:JR琵琶湖線または東海道新幹線「米原」駅より

   タクシーで約5分、徒歩で約30分。

 

お太鼓祭り(豊積神社:静岡県清水区由比町屋原)

 

お太鼓祭りは、静岡県清水区由比町の屋原地区に伝承されているもので、

毎年元旦から3日まで行われます。

寒空の下、下帯姿や法被姿の男たちが水を浴びながら、

勇壮に太鼓を打ち鳴らし、新年の安泰を願う祭りです。

 

この祭は、延暦16年(797)に征夷大将軍坂上田村麻呂が、

奥州平定の戦勝報告のために豊積神社に立ち寄った際に、

村民がお神楽をたて、大太鼓を出して三日二晩歌い続け

町中を練り歩いて祝ったことが起源と言われています。

 

 

お太鼓祭りは、参加者全員が歌を歌いながら練り歩きます。

お太鼓をたたく人は一歌ずつ交代しながらたたきます。

歌は全部で800曲ほどあるそうです。

 

祭りは1月1日~3日に開かれ、

太鼓を打ち鳴らして地区内を練り歩く「渡り始め」や

慶事のあった家庭を祝って回る「入れ太鼓」、

県指定無形民俗文化財「お太鼓祭り」を締めくくる

儀式「贈り太鼓」が行われます。

 

贈り太鼓は午前0時過ぎ、

神社の境内で男たちが太鼓を囲んで押し合いながら始まります。

神社の井戸からくんだ神水がかけられる中、

地域の代表者が豪快なばちさばきを見せます。

 

お祭りは次の日程で行われます。

1月1日 12:00~わたり初めの儀

  2日 14:30~子供太鼓 16:30~入れ太鼓 21:30~子供三連太鼓

  3日 深夜0:00~送り太鼓

 

【交通アクセス】

電車:JR東海道本線「由比」駅より東へ徒歩約15分(約1㎞)

車 :東名清水ICより約20分

   東名富士ICより約25分

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?