TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

民主党の新政権で予算全面見直しが始まる

2009-08-31 07:19:05 | 経営全般
民主党を中心とする連立政権が成立します。民主党は予算を全面的に見直す方針です。そして、予算見直しの中心となる組織は、「国家戦略局」と「行政刷新会議」です。


 国家戦略局は、首相直属の組織で予算の骨格を固めます。同局は多数の国会議員、官民の優秀な人材で組織され、新しい時代の国家ビジョンを練る役割も担います。同局が決めた骨格に沿って、財務省が予算を編成します。
 民主党は、同局の前身になる「国家戦略室」を政権発足と同時に始動させます。

 行政刷新会議は、すべての予算・制度を精査し、無駄遣いを排除する組織です。鳩山代表は、「3年くらいで(予算の)事業仕分けを徹底的に行えば、財源として9兆から10兆円は生み出せると話しています。
 企業再生を手がける経営者や財政の専門家で構成される行政刷新会議は、すべての予算や制度をゼロベースで見直します。

 民主党は、2010年度予算の概算要求基準を全面的に見直す考えです。経済財政諮問会議も廃止する方針です。

 閣議に先立って重要案件を協議する「閣僚委員会」を設置します。政治による意思決定を明確化するもので、現在の実質上の法令の決定機関である事務次官会議を廃止します。

 一連の民主党の政権運営は、現在の「官僚主導」の国家運営を、「政党主導」に変革するものではないでしょうか。

 民主党が実行しようとしている「官僚主導の国家運営」を変革ができたなら、ほんとうに新しい時代が生まれるのではないでしょうか。
  

受験式会議から卒業しよう(吉越浩一郎)-日経ビジネス2009.8.31-

2009-08-30 07:14:34 | 経営全般
 今週号の日経ビジネスに前トリンプ社長吉越浩一郎氏の連載が掲載されています。吉越氏は、「残業ゼロの仕事術」という本でベストセラーを出しています。日本の仕事の方法に疑問を持ち、トリンプで実践した人です。

 今回の内容は、企業の会議の方法の提言です。氏は、答えやすい問題から先に解くような受験式会議から経営者は脱皮しなければと記載しています。会議の議題は、「重要性」と「緊急度」の2軸で分類できます。

 この分類では会議は、①「緊急度が高く、重要度も高い」、②「緊急度が赤く、重要性が低い」、③「緊急度が低く、重要度が高い」、④「緊急度が低く、重要度が低い」に分かれます。

 吉越氏は、社長業は引退して企業に講演をすることが多いのですが、多くの企業が「重要性」でなく「緊急度」を優先して会議を実施しているそうです。氏は、これでは、いつのまにか「いつかは手をつけなければならない重要な課題」が積み残しになってしまうと記載しています。

 経営者は緊急度の高低に関係なく、企業にとって重要なテーマを議論のテーブルに載せ、決着をつけなければなりません。しかし、重要性の高い問題はすぐには決まらないのではと思われますが吉越氏が社長を務めていた時は、毎朝、60分で30~40件のテーマを議論していました。重要性の高いものは緊急度を問わず議論したので、これだけの件数になりました。ただし、1つの議論にかえる時間は平均2分です。

 担当者に課題への解決策、すなわち結論を持ってきてもらい、その中身を会議で叩いたのです。即断即決です。その場で結論がでない継続的な検討が必要な議論はデッドラインを設け、後日報告させました。

 この考え方の根底には、課題を先送りせず、仕事をやりぬくということです。問題を先送りし、800兆円もの借金を作ってしまった今日の行政に一番必要な考え方かもしれません。

 
 
 

失業率、7月5.7%となり雇用悪化さらに進む

2009-08-29 15:31:47 | 経営全般
7月の完全失業率が5.7%となりました。バブル経済崩壊後に記録した5.5%を超えて過去最高の数値となりました。有効求人倍率も0.42倍と過去最低を記録しました。失業者は359万人で、昨年秋からの金融危機が深刻して100万人も増えました。

 年齢別に失業率を見ると、25~34歳の失業率が7.1%と高い数値となっています。35~44歳の失業率も4.9%と高い数値となっています。「雇用調整助成金」の対象者は243万人の数値となっています。

 地元群馬県の7月の有効求人倍率は、0.45倍と前月と比較して0.03ポイント赤k氏しました。都道府県では17位となっています。1年前は1.41倍で全国2位だったことを考えると、ここ1年で雇用環境が急速に悪化したことになります。

 1年前の有効求人倍率の数値にみるように、群馬県の有効求人倍率は、常に高い数値で全国上位にいました。そのことから、群馬県の雇用環境はよいと言われたものです。しかし、その実態は、全国一の家電量販店の求人が数値を押し上げていたと言われていました。今の群馬県の数値が、本当の実態ではないでしょうか。

 有効求人倍率が全国2位だか、企業立地件数3位だとか、数値が全国上位だとそれで「よし」とすることに数字の怖さがあります。実態をみると、ある企業の求人が数値を押し上げていたりという実態があったりします。

 統計数値を分析しただけではわからないことが、実際は多いのではないでしょうか。実態を見るためには、現場での実態をしっかり把握することが求められるのではないでしょうか。

 業績の良い企業の経営者は、よく現場を把握していると言われます。雇用環境は悪化しているのは事実ですが、その実態を詳細に把握しているのは、ハローワークの求職相談員であったり、求職者だったりします。

 実態を把握するためには、現場へ現場へといくことが一番です。雇用対策も現場へ現場へと近づき、どんな状況になっているのか、肌で感じることでよい方策が生まれるのではないかと私は思います。



 

食品・日用品の6割が下落傾向にある

2009-08-28 07:24:18 | 経営全般
全国のスーパーで食品・日用品の値下げ傾向が続いています。日本経済新聞社の調査で主要60品目の店頭価格では34品目が下落しています。

 食品・日用品の多くは2008年前半に原材料が転嫁される形で値上げしましたが、昨年秋の金融機器以降に値下げて転じました。

 小売りの値下げ競争を繰り広げているのは、雇用・所得環境の悪化で個人消費が冷え込んでいるためです。6月の完全失業率は5.4%と過去最高の5.5%に迫る状況にあり、夏のボーナスは大手企業は2割も減少しました。

 景気は回復基調にあると言われますが、消費者は財布のひもをゆるめそうもありません。まだまだ、食品・日用品などの小売価格は値下げが続きそうです。

 個人消費が伸びなければ景気回復にならないと言われますが、消費者は景気回復のために消費するものではありません。生活防衛のために低価格のものを購入するのです。

 衆議院選挙の投票日が30日と2日後に迫っています。今回の選挙は各党がマニュフェストを発表していますが、経済の成長戦略が弱い、記述されていないと言われます。要は、今の日本の市場環境下では、確かな経済成長戦略が打ち出せないということではないでしょうか。

 

規格外、ワケあり野菜や商品活況

2009-08-27 07:01:41 | 経営全般
曲がっている、小さい、ちょっと傷があるという「規格外」「ワケあり」の商品を扱うビジネスが活況です。いずれも3割以上も安く、見た目は悪くとも品質には問題がない商品で、野菜などの値上がりや消費者の所得が伸びないことがその好調の要因となっています。

 一般に農家が作る野菜の2~3割に規格外が発生し、多くは処分されてきました。しかし、セブン&アイは富里市の直営農場で収穫した規格外の野菜に加え、規格外品を材料にした漬物をイトーヨーカ堂で販売したところ好調でした。

 ネット上でもワケあり商品が注目を集めています。家具専門店最大大手のニトリは、輸送中に傷が付いたり、商品入れ替わりで販売をやめた通常の2~3割安い家具のネット販売が好調です。

 森永製菓は、キャンペーン期間が過ぎた商品などのセットを3分の2の価格で6月までに合計24,000袋販売しました。

 「日本の消費者は世界一目が肥えていて、わずかな傷もゆるさない」と言われてきましたが、その消費性向も変化が生まれてきています。

 わずかの傷でごみになるはずの商品を購入することはエコロジー志向に合致します。品質に変わりないふぞろいの野菜の購入は、生命を維持するという食品本来の目的を購入しています。

 これらの傾向は、消費者が本質志向に向かっているということなのでしょうか。企業も社会的責任を意識してのこれらのワケあり商品の販売を進めてもらいたいものです。

 

世界時価総額ランキングで日本3業種1位

2009-08-26 07:45:27 | 経営全般
 野村証券金融工学研究センターがイギリスFTSEの算出した時価総額データをもとに世界企業を業種ごとにランキングしました。7月末時点の業種別時価総額で、日本企業が首位になっているのは38業種中3業種でした。

 日本企業が首位なのはトヨタ自動車(自動車)、三菱商事(商社・サービス)、パナソニック(この調査では「娯楽」に分類)の3業種です。米国企業は19業種、中国企業は6業種、フランス企業が4業種が首位でした。

 目立つのは新興国企業の台頭で、BRICSに本拠を構える企業はベスト5入りした業種が16業種あります。日本企業がベスト5入りしている企業は4業種ですので、新興国企業の台頭が著しいことがわかります。

 時価総額が少ないと株式交換によるM&Aで競り負けたり、買収の標的となったりします。今回のキリンホールディングスとサントリーホールディングスの経営統合はその備えともいえます。

 カルビー製菓は、6月下旬に米飲料大手ペプシから20%の出資を受け入れることを決めました。カルビーはスナック菓子の国内シェア40%の大手です。人気商品のポテトチップスで国内のジャガイモ生産者を囲い込み、他社の追随を許さない企業です。

 しかし、カルビーは国内菓子市場は、少子高齢化で縮小が続き、ジャガイモ生産者も高齢化しており、これ以上の国内調達は難しいと判断して、売上規模で30倍のペプシと組みました。

 先を読める企業は、長期展望の下で経営戦略を展開しています。今はなんとかなるという「ゆでガエル」状態でいると先行き、取り返すのつかないことになることが予想されるからです。

 一方、日本の行政は、今はなんとかなるからと、国債800兆円、少子高齢化問題など解決すべき課題を先延ばしにしています。行政は、利益を追求する企業と違う
言われますが、学ぶべき点が数多くあるのではないでしょうか。

地元大手35社最終赤字が前期比の2.5倍に

2009-08-25 07:02:36 | 地域産業
東京商工リサーチ前橋支店の集計では、地元群馬県の大手企業35社の2009年3月期決算(単体ベース)で、最終赤字になった企業数は15社となりました。前年の2.5倍で、昨年秋以降の景気悪化に伴い製造業を中心に収益悪化した状況が鮮明になっています。

 全体の売上高も3兆4,304億円で前期と比較して1.4%、468億円の減少となってます。企業別では、ヤマダ電機の増収額993億円を除くと1,401億円の減収となった計算です。

 赤字となった15社のうち12社が製造業です。ミツバ、サンデン、三洋半導体の3社が100億円を超える最終赤字を計上しました。

 製造業の不振が顕著です。今期も製造業は景気回復はまだまだの状況です。サンデンなどは新型インフルエンザ対策用の「手の消毒器」を販売などして売上増を試みていますが、とてもコンプレッサーというサンデンの主力製品と比較したならば、売上高も微々たるもので、まだまだ当分厳しい状況は続きそうです。

ここ数年の景気好調時の余裕のある時期に、製造業の各企業は新分野進出などの試みを行ってきた企業も少なくはなかったと思うのですが、結局は企業の柱になるような新事業分野を生み出せず、従来の輸送用機械器具の下請けとして売上を伸ばしてきたのが現実だったようです。

 企業にとって、従来の柱に加えてもう一方の柱を創造することはほんとうに難しいものなのでしょうが、そのような企業が数多く存在したら、今のような不況に陥らなかったのではないでしょうか。

 

 

 

コンビニのローソンとドラッグのマツモトキヨシが提携

2009-08-24 07:35:50 | 経営全般
 コンビエンスストア売上高2位のローソンとドラックストア売上高1位のマツモトキヨシホールヂングスは業務提携することで基本合意しました。年内に共同出資会社を設立し、コンビニとドラッグストアを癒合した新型店舗を来春から出店します。

 ローソンとマツモトキヨシの共同出資会社が展開する新型店舗は売り場面積が約300平方メートルと通常のコンビニの3倍になる見込みです。品ぞろえは弁当や飲料というコンビニの主要商品に加え、大衆薬や化粧品を一体的に販売する予定です。コンビニは原則24時間営業ですが、新型店舗は立地条件により、営業時間を変える方針です。

 販売規制緩和でコンビニだけでなく、スーパーや家電量販店などでも医薬品を扱う企業が増えています。マツモトキヨシはそのような状況に危機感を抱いての提携です。コンビニ業界も成熟した市場環境でローソンも医薬品販売などで売上増を狙った業務提携です。

 コンビニエンスストア、ドラックストアそしてホームセンターは業態開発店の典型でした。今、業態を超えた小売り再編が起きています。消費者の消費意欲が高まらない環境で、市場の成長が期待できない中、今後は規模拡大ではなく、機能を重視した異業種の水平統合も進みそうです。

  小売業は環境対応業といわれますが、「機を見るに敏であること」が正に生き残りの条件である厳しい業種なのだと思います。 

 

1時間で確定診断できる新型インフルエンザ検査薬を理研系VBが販売

2009-08-23 09:12:00 | 経営全般
独立行政法人の理化学研究所のベンチャー企業ダナフォームが、新型インフルエンザに感染しているかどうか1時間で確定できる遺伝子検査試薬を11月にも販売します。現在の遺伝子検査の所要時間が現在は2~3時間ですので、数段の所要時間の短縮になります。

 発熱などでインフルエンザへの感染が疑われる場合には、病院で簡易検査を受け、陽性が判明した患者のうち重症化する恐れのある糖尿病などの患者は80か所の衛生研究所で確定診断を受けています。

 各施設で1日に検査できる件数は限られており、新検査薬で検査時間を短縮できればその効果は大いにあります。

 新型インフルエンザは今も全国的に流行しており、冬になった場合にはどの程度流行するか想像もつきません。

 期間はないのですが、今回にような新型インフルエンザに向けた研究開発が実施されるのを期待したいものです。そして、役目を果たしているのにいまだ補助k金が実施されている事業もあるなかで、このような研究開発にこそ、各種補助金等の支援を実施してもらいたいものです。

電気自動車にホンダも参入

2009-08-22 08:32:57 | 経営全般
ホンダは電気自動車(EV)を開発し、2010年前半を目途にアメリカ市場に投入する予定です。

 電気自動車(EV)を環境対応車の主軸に据える日産は2010年に日欧米で販売し、2012年から量産体制に入る計画です。トヨタも2012年に販売する予定です。

 一方、経営再建を目指すゼネラル・モーターズも2010年を目途に電気自動車(EV)を投入する計画です。

 環境対応車で先行するハイブリッド車では、トヨタとホンダが、今年は新型車を日米で拡販しています。日産もハイブリッド車の参入を決定してます。

 価格ではハイブリッド車が200万円前後に下がり、電気自動車(EV)は400万円と高格です。価格面と充電等の課題もあり、まだまだ環境対応車はハイブリッド車が先行するのではないでしょうか。

 日本経済を牽引してきた自動車産業ですが、環境対応車でも世界をリードしていくことがぜひとも日本経済のためには必要ではないでしょうか。

地元企業のサンデンが手の消毒器増産体制へ

2009-08-21 07:22:37 | 地域産業
地元企業のサンデンは、新型インフルエンザの本格的な流行を受けて、手や指の自動消毒器の生産台数を平常時の約5倍に引き上げます。本業の自動車部品の販売が落ちているなかで、消毒器の販売拡大を目指します。

 サンデンが生産している消毒器は、手を差し出すと赤外線センサーが感知して消毒液が噴霧するもので、価格は10万円です。

 サンデンは2009年4~6月期連結決算では売上高が前年同期比3割減少しており厳しい状況が続いています。今後も消毒器が好調な場合は、生産ラインの増設や、自動車部品生産の人員を消毒器部門にシフトしていくことを検討していく予定です。

 新型インフルエンザは感染者が11万人に上り、全国的な流行となってきました。タミフル等の薬はもとより、対策のために商品を生産、販売する企業は、できるかぎりの商品供給をしてもらいたいものです。

農家のノウハウデータベースに農水省が開発

2009-08-20 07:19:18 | 経営全般
 農林水産省はベテラン農家のノウハウなどを蓄積し、生産者が利用できるデータベースやシステムを来年度から開発する方針を固め、来年度予算の概算要求に研究開発費を盛り込みます。

 農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻化するかなで、ITや人口知能を活用した最先端の農法の普及を目指す方針です。データベースの開発は、農水省が大学や民間企業などと協力して来年度から実用化を目指します。

 革新的な試みだと思いますが、農業はその地域の気候や土地の特性などの把握も大切です。画一的な農業ノウハウでは通用しない部分もあるのではないでしょうか。私は狭い土地で家庭菜園を行っているのですが、「きゅうり」がなぜかうまく成長しません。いろいろの本を読んで工夫をしているつもりですが、もしかしたら土地が「きゅうり」に合わないのかなとも思っています。

 商品となるような農業生産物のノウハウデータベースの構築は実際は簡単ではないのではないでしょうか。

 

「ぐんま経済ガイドブック」の県内企業売上ランキングを見る

2009-08-19 14:15:26 | 地域産業
 東京商工リサーチ前橋支店が毎年この時期に発行している「ぐんま経済ガイドブック・主要29業種売上ランキング」をここ数年購入しています。



 この本は、決算期はそれぞれ企業によりちがうのですが、地元群馬県内に本社を置く企業の売上高がわかります。今年発行されている本は、20年決算なで、20年後半の景気後退を反映したデータでないので、今の企業の実態と異なるかもしれませんが、どの企業が業績がよいか、よかったかの参考にはなります。

 さて、この本には県内企業増収率ランキングベスト200を掲載しているのですが、私が企業訪問などで関係した企業もランキングされています。

 ランキング4位の㈱ジャパンバルバー桐生工場は、20年売上高22億16百万円(20年5月決算期)で、19年売上高7億10百万円と比較して売上高伸長率340%でした。
この工場は、伊勢崎市所在の㈱ジャパンガルバーの系列企業で。溶融亜鉛メッキ加工を手がけており、大手パチンコメーカーとの取引拡大による大幅に売上を伸ばしました。

 私は、伊勢崎市のジャパンガルバーを訪問したことがあるのですが、社長は東京の人でフィリッピン等の海外にも進出しているグローバル企業でした。社長のお話を聞かせていただいた時に長期的戦略を持った方との印象を記憶しています。


 ランキング7位の㈱アポロ技研は、20年売上高34億円(20年9月決算期)で、19年売上高11億40百万円と比較して売上高伸長率298%でした。この企業は伊勢崎市(旧東村)の企業で、典型的な研究開発型の企業です。巻線機製造が主製品で、大手メーカーの取引増が大幅な増収になりました。巻線機は携帯電話の生産設備であり売上の急増も納得がいくものです。
 この企業は産学官連携にも熱心で大卒工学部の方も多く、企業名にアポロと名づけているのも、未踏の月着陸を成し遂げたアポロ計画のように、他企業の追随を許さない独創的な機械作りをしていこうというものです。

 私は、この企業には産学官連携でお世話になり、また企業訪問させていただいた時にもお世話になったのですが、非常に紳士的な企業という印象を受けました。人に例えると物静かに冷静に目的を地道に達成するという優等生という感じです。

 ランキング22位の杉原エス・イー・アイ㈱は、20年売上高(19年6月期)182億34百万円で、19年売上高94億10百万円と比較して193%の売上伸長率でした。杉原エス・イー・アイ㈱は地元伊勢崎市今井町の本社があり、三和工業団地にも工場を持つ電気機器製造業です。
 プリント基板の開発から設計、製造を主に行っている企業で、遊戯機器メーカーからの受注増で大きく売上を伸ばしたとこの本には記載されています。

 超小型プリント基板の開発力を生かし、世界最小クラスの超小型無線ICタグを開発したことがよく新聞に取り上げれていたように、この企業も研究開発型の企業です。

 各業種ごとの売上ランキングを見ていると私が企業訪問させていただいた企業も多く、この企業はこのような企業だったということが思いだされます。まがりなににもいろいろなことで関わらせていただいた企業の業績が向上していることを知るのはうれしいものです。
 
 

平成21年6月末でジョブカード10万人が取得

2009-08-18 06:55:52 | 雇用・就職
 日本政府が「成長力底上げ戦略」のうち人材能力戦略として2008年4月から実施されている「ジョブカード」を取得した人が6月末で累計10万人を超えました。

 ジョブカード制度は、正社員経験のない人を対象として、対象者の職務経歴や学習歴、職業訓練経験、免許・資格などを「ジョブカード」と呼ばれる書類にとりまとめ、常用雇用を目指した就職活動やキャリア形成に活用する制度です。

 ジョブカードの対象者は、ハローワークやジョブカフェ等で登録キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受けながらジョブカードを作成、この段階で対象者が就職を希望した場合は、就職活動となります。職業訓練を希望した場合は、企業における実習と教育訓練施設等における座学を組み合わせた実践的な訓練を受講して企業の評価を受けた後、再びキャリアコンサルテュングを受けてジョブカードを作成し、就職活動します。

 「ジョブカード」は昨年4月から国が鳴り物入りで導入した制度です。導入直後は制度普及もままならず、ジョブカードの取得者も多くはありませんでしたが、昨年秋以降の急速な景気交代による就職難が、カード普及を後押しました。

 私は、昨年キャリアコンサルタントの資格取得講習会でこの制度のことを聞きました。イギリスのNVQという制度を日本に合うように導入したものだと聞きました。

 この制度では、企業実習などの職業能力形成プログラムが用意されていて企業評価も評価シートに記載されます。この制度の課題は企業実習を受け入れてくれる企業があるのかと私は思っていました。

 ジョブカードを取得した者が10万人を超えたようですが、キャリアコンサルティングを受けて、ジョブカードを取得した者が大半ではないでしょうか。

 制度の眼目は、企業実習と教育訓練機関等の座学による職業能力形成プログラムではないでしょうか。この職業能力形成プログラムを10万人のうち何%が受けたのか、受ける予定が立っているのかがほんとうの意味の制度普及と言えるのではないでしょうか。

 私もキャリアコンサルタントの資格を取得していますが、求職者にとってキャリアコンサルティングを数多く受けるより、キャリアアップと評価される職業能力形成プログラムを受けたかどうかのほうが意味があると私は思います。

 導入された制度が成功したか、よい制度であったかを評価するのは、人数等の量でなく、その制度の主旨が普及しているかという質で評価すべきものだと思います。

 

さらば老人国家,世代交代が日本を救う-日経ビジネス2009.8.10.17-

2009-08-17 07:29:23 | 経営全般
 日経ビジネスが、さらば「老人国家」という特集を掲載しています。以下の特集の要約です。

 衆議院選挙の焦点は政権交代。こども手当、幼児教育費無償化、高速道路無料化など、与野党争って有権者の前にエサをぶら下げています。バラ色政策の恩恵を享受できるのはうれしいが、そのツケは将来世代に回される。

 急速に進む日本の高齢化によって引き起こされるのは負のスパイラルだ。シルバーデモクラシー。このままでは「老人の、老人による、老人のための」世の中になってしまう。
 
 高齢化によって老人の人口比率が上昇する。そうなれば国民の意思決定権である投票権の中心軸が老人に傾く。決めるのは老人。残りの人生がみじかいのであれば、今を楽しく過ごしたい。多くの人がそう思うのは当然だ。そうなれば政治家も「老人のための政治」に傾く。

 政治家は選挙に勝たなければ意味ないから、多くの有権者から支持を得るために、政策も高齢者向けになる。結果、年金制度や社会保障の充実に予算が振り向けられ、財政は一段と悪化する。負のスパイラルである。

 選挙権を持つのは20歳以上の国民であり、未成年や、これから生まれてくる将来世代には選挙権はない。今の世代は、財政出動という「クレジットカード」を使って買い物をし、支払いは子供や孫の世代に任せている。

 このままでは財政破綻は避けられない。年齢が高い世代は、逃げ切るかもしれないが、そんな「逃げ切り世代」が「残される世代」のことを決めているのである。

 日本は変わらない国。成功体験が長く続きすぎたゆえに、現状を維持することだけしか知らず、変わるための方法を忘れてしまったのかもしれない。今のままだとダメだと分かっていても、変われない。そこにだれもが抱いている日本の閉塞感がある。

 それではと、これまで黙っていた若者たちが、ついに動き出したということで
3本の特集記事を掲載しています。
 しかし、その特集記事が弱いのです。若い市長が相次ぎ誕生している記事、勇気を持って若者に託すという記事、世代の壁を超えるという記事が掲載されているのですが、もうひとつ、なるほどというものがないのです。

 最後に、以下の記載で締めくくっています。
世代交代は、国や会社が何かやってくれることではない。個人のレベルで何ができるか、最初からあきらめずにとりあえずやってみる。自分の力は小さくても、周りを巻き込んで何かできないかを一人ひとりが意識するところから始める、その意識が広がれば、きっと夜明けは近い。

 もっともなことですが、そのような活動をしている間に「逃げ切り世代」に逃げられてしまうのではないでしょうか。
 
 バブルがはじけて、就職難で派遣労働者等にならざるを得なかった20代から35歳までの世代をロストジェネレーションと名づけられています。気の毒な世代だと思われている世代ですが、若者を気の毒におもうような社会、そして大事にしない社会には将来はないのではないかと私は思います。

 若者があきらめずに、周りを巻き込んで変革していくことも大事ですが、私たちが若者を大事にし、育てていくことがもっとも重要ではないでしょうか。

 今回の特集には本川東京工業大学教授(生物学)のインタビュー記事が掲載されています。過激ですが納得する内容です。以下内容です。

 高齢化社会とは、年寄りの時間に対する欲望にカネを払う。それを社会保障ということで若い人からカネを絞り取るにはフェアではない。若者が結婚できない、子供を産めない、非正規社員が仕事を失う社会は、年寄りが権利を主張して若者をいじめていることに他ならない。

 年寄りは、なるべく若者の負担にならないようにして「いずれ自分たちもそうなるのだから、殺さないでくれ」と謙虚になるくらいが正しいバランスだと思う。

 生物はある環境に中でしか生きられない。だから環境が変わると多くの生物が絶滅した。でも世代交代すれば、新しい環境に適応したものが生まれてくる可能性がある。それが38億年の歴史が出した答えだ。