TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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受験式会議から卒業しよう(吉越浩一郎)-日経ビジネス2009.8.31-

2009-08-30 07:14:34 | 経営全般
 今週号の日経ビジネスに前トリンプ社長吉越浩一郎氏の連載が掲載されています。吉越氏は、「残業ゼロの仕事術」という本でベストセラーを出しています。日本の仕事の方法に疑問を持ち、トリンプで実践した人です。

 今回の内容は、企業の会議の方法の提言です。氏は、答えやすい問題から先に解くような受験式会議から経営者は脱皮しなければと記載しています。会議の議題は、「重要性」と「緊急度」の2軸で分類できます。

 この分類では会議は、①「緊急度が高く、重要度も高い」、②「緊急度が赤く、重要性が低い」、③「緊急度が低く、重要度が高い」、④「緊急度が低く、重要度が低い」に分かれます。

 吉越氏は、社長業は引退して企業に講演をすることが多いのですが、多くの企業が「重要性」でなく「緊急度」を優先して会議を実施しているそうです。氏は、これでは、いつのまにか「いつかは手をつけなければならない重要な課題」が積み残しになってしまうと記載しています。

 経営者は緊急度の高低に関係なく、企業にとって重要なテーマを議論のテーブルに載せ、決着をつけなければなりません。しかし、重要性の高い問題はすぐには決まらないのではと思われますが吉越氏が社長を務めていた時は、毎朝、60分で30~40件のテーマを議論していました。重要性の高いものは緊急度を問わず議論したので、これだけの件数になりました。ただし、1つの議論にかえる時間は平均2分です。

 担当者に課題への解決策、すなわち結論を持ってきてもらい、その中身を会議で叩いたのです。即断即決です。その場で結論がでない継続的な検討が必要な議論はデッドラインを設け、後日報告させました。

 この考え方の根底には、課題を先送りせず、仕事をやりぬくということです。問題を先送りし、800兆円もの借金を作ってしまった今日の行政に一番必要な考え方かもしれません。