TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

日本の雇用事情、非正規雇用1万人減に

2012-08-15 18:16:57 | 雇用・就職

 総務省が14日発表した4月から6月の労働力調査で、非正規雇用が前年同期に比較して1万人減り、1,775万人となったことがわかりました。

 この数値は、10月施行の改正労働者派遣法で日雇い派遣が原則禁止になるため、企業が事前に派遣労働者を減らしているためです。正規雇用は団塊世代の退職が影響して46万人減りました。就業しない65歳以上が75万人増え、非労働人口は19万人増え4,493万人となりました。高齢者が労働市場から退出して働く人口そのものが縮小しています。まさに少子高齢化社会の結果です。

 完全失業者は19万人減って300万人でした。非正規労働者が減り、完全失業者が減っているとうことは、いくらか雇用環境が良くなっているということなのでしょうか。


就業者、2030年には850万人減少に

2012-07-21 20:02:14 | 雇用・就職

 厚生労働省は、日本経済の低成長が続いて労働市場の改革も進まなかった場合、2030年の就業者数は2010年と比較して約850万人減少するとの推計を発表しました。

 この数値は、若年層の失業率が高く、女性や高齢者を働き手として十分に活用できていない今の状況が続くことを前提にしています。この場合、2030年の就業者数は2010年比で男性が約490万人、女性が約350万人減ると言います。

 若年者の減少がやはり問題です。政府は成長戦略を着実に進め、若者や女性、高齢者の働き手を増やせば、就業者数の落ち込みは210万人程度に抑えられるとします。その戦略は、一部の産業への依存をやめ、医療や介護を中心に高齢者の需要を取り込む産業の育成と厚生労働省が発表しています。

 医療や介護?、この分野で経済成長が望めるのでしょうか。医療機器、介護機器などのハード、システムが成長するのなら成るほどと思います。しかし、医療、介護そのもので雇用は生まれるかもしれませんが、経済成長そのものの核となるのか私は疑問です。どちらも保険、税金投入と市場経済とはなじまない要素があるからです。

  

 


講演「若者はなぜ就職できなくなったのか?」を聞きました

2012-07-07 19:49:51 | 雇用・就職

 本日、地元群馬県生涯学習センターで開催された、若者のキャリア形成支援講座講演「なぜ若者は就職できなくなったのか」を聞いてきました。

 講師は、法政大学キャリアデザイン学部長児美川孝一郎教授でした。

 講演の内容は、①今どきの若者の「学校から職業(仕事)への移行」プロセスは、どう変化しているか?、②何が「移行」の困難の原因なのか?、③困難に立ち向かうためには、何が必要か?私たちが取り組むべきことは?という構成でした。

 若者、特に大学生の就職環境が、ほんとうに厳しいことになったのは、グローバリゼーション経済競争の激化→日本の雇用方針の変化(日経連「新時代の日本的経営」1995年)→正社員のスリム化→この変化を支援した政府の労働力政策(労働者派遣法の規制緩和)→学生の就職難、という歴史となったということでした。

 それではと、児美川先生の処方箋は、学生が就職しなければと脅迫観念になっているが、目の前の「成功」や「達成」でなく、40年後の幸せを考えて見るくらいの、長期的視点で考えてみることも必要なのではないかということでした。つまり、仕事のうえで「成功」や「達成」だけでなく、人生全体の、キャリアの幸せを考えるというものでした。

 大学の先生の現場からの発想で、1990年から2012までのデータを使い、学生の就職環境がどのようになったかを実証的に説明していただいてたいへん勉強になりました。

 


雇用調整助成金の要件が10月から厳しくなる

2012-07-06 21:02:55 | 雇用・就職

 厚生労働省は、雇用調整助成金の見直し案を発表しました。

 2008年(平成20年)のリーマンショック後に緩和した支給要件を10月から厳しくし、来年4月には助成率も引き下げます。この背景には、助成対象が2009年(平成21年)7月の255万人をピークに2012年(平成24年)5月には41万人まで減少してきていることがあります。ということは、それだけ景気が回復してきているということなのでしょうか?。ちょっと実感とかけ離れているような気がしますが、景気は徐々に回復しているということなのでしょうか。

 この雇用調整助成金は、経営が悪化しても従業員を解雇せずに休業させた企業に、国が休業手当の一部を助成する仕組みです。経済の混乱時には雇用が大きく減って失業者が急増することを防ぐ効果があります。一方、不採算事業に労働力が固定される側面もあり、景気回復局面では成長分野への人材移動を妨げるとの指摘もある制度です。

 きょう、東京で、竹中平蔵慶応大学院教授の講演を聞いてきたのですが、竹中氏は、この制度は悪制度の典型だと話をしていました。不採算事業の延命事業だとの主張です。

 私も、この制度の窓口の労働局の説明を聞くと、「企業の方に助成金がでますよ」との説明が多く、あれ?といつも思っていました。施策とは助成をすればいものではないと思うのですが、その典型の制度だと思います。厚生労働省の施策は、いわゆる「バラマキ」と(そうではないのかもしれませんが)感じさせる多いように感じます。


政府、若者雇用戦略骨子案まとまる

2012-05-16 18:46:49 | 雇用・就職

  政府が若者の就職を支援する若者雇用戦略の骨子案をまとめました。

 大学にハローワークの窓口を設置するほか、地元企業へのインターンシィップなどの強化などを目玉施策としています。また、新卒者だけでなく仕事に就いていない既卒者や若者フリーターなどの雇用改善策も盛り込んでいます。アルバイトやパートで生計をたてる「フリーター」は2011年に35~44歳で過去最高の約50万人です。バブル崩壊に伴う就職氷河期といわれた1993年以降に大学を卒業し、職に就けずに40歳前後を迎えた「年長フリーター」が増えている現実です。

 20歳代の社内教育を重視する日本の企業風土は大企業でも、中小企業でも変わりありません。弁護士や医師、会計士などの高度な専門知識を持つ一部の者は特別で、日本社内では、企業内特有の技術が重視されます。そして就労する機会を失うと、スキルを身につけることができなくなってしまいます。単純労働は、グローバリゼーションの進展により日本企業では非正規労働者に完全にシフトしています。

 政府は、職に就けなかった若者の技能や技術の低下に歯止めを方針です。若者を試し雇う企業への助成制度をフリーター対策の柱としてしますが、このような従来事業の拡大では問題の解決にはならないと批評も受けています。

 この批評はもっともだと思うのですが、要は効果的な支援策がない、思い当たらないとうのが現実なのだと思います。若者就職支援は、全世代間の雇用をどのように取り組むかという戦略と、どこに財源を集中的に投入するかという、大局的な視点での対策が求められる問題なのではないかと思います。

 

 


「雇用創造-拡大するミスマッチを断つ」-日経新聞2011.7.21-

2011-07-21 20:21:29 | 雇用・就職

 今日の日本経済新聞の経済教室に、雇用創造-拡大するミスマッチを断つ-職業訓練の効率性高めよの記事が記載されていました。

 その内容は以下のとおりです。

 日本企業は社外の訓練や資格を重視しない傾向が強い。その結果として、企業外での教育訓練の効率性が低くなっている。もし企業が公的資格や企業外で培った人的資源を正確に評価でき、企業内で有効活用できたならば、企業外部での効率性はより高まるかもしれない。

 そうでしょうか。私は、前職の経験は転職の時に、大きな要素になるでしょうが、雇用保険での教育訓練については、その効果について疑問を持っています。

 日本の雇用慣行は、終身効用の中で技能、技術を身につけるものでした。この雇用慣行の中で、その企業内で(しか)通用する技能・技術が身についたのでした。

  この雇用慣行は、汎用的な教育訓練とは馴染まないものではないでしょうか。記事には、離職者訓練を利用した人の訓練終了後3カ月以内の就職率は6割であり、これらの数字から職業訓練がどれだけ効率的であるか判断が難しいが、経験者と比較すれば経験が不足することを考慮すればそれほど悪くない数字と評価しています。

 実情をわかっていない記事だと私は思います。この6割のうち、どれほどが教育訓練で学んだ業種に就職しているのでしょうか。。この視点の分析をしていないデータのみを見た論であるのではないでしょうか。この記事書いた人は、ジョブカードの有効活用を述べていますが、その活用の意味が重要とは理解できますが、そもそも日本語にできない施策は、私は信用していません。

 雇用支援については、現場のことがわからないデータ等での分析からの論が多いように思います。だから、どうしたらよいかと言われると困るのですが。


被災地支援学生に採用枠

2011-05-30 20:04:29 | 雇用・就職

 三菱住友銀行やセブン-イレブン・ジャパンなどの大手企業が2012年春入社の採用で、東日本大震災で被災した大学生を対象に採用枠を特別に設けて選考します。

 三井住友銀行は東北地方と茨城県の学生向けに、選考時期を7~8月に遅らせた上で総合職など50人弱を採用します。過去3年間では、年10人前後ですから、大幅な採用増です。

 また、セブン-イレブンは東北地方の学生に対して最大30人の採用枠を設けます。ファミリーマートは100人の採用予定とは別枠で10人前後の追加枠を、ソフトバンクグループは最大20人の「被災者特別採用」を設定します。

 非常時ですので、企業の対応は至極当然の選択だと思います。


地元群馬県で雇用調整助成金の相談が増加

2011-04-19 20:05:07 | 雇用・就職

 地元群馬県で、雇用調整助成金の申請が増加しています。

 3月データですが、助成金の申請に備えた休業計画書の提出件数が3月は763件と前月比17%増加しました。前月を上回るのはリーマン・ショック直後の2009年10月以来17カ月ぶりです。

 背景には、政府が震災直後に助成金の要件緩和に踏み切ったことと、もちろん、受注の減少や部品調達の停滞で製造業の生産水準が落ち込んでいことがあります。

 企業は、助成金が認められても、多くの企業は売上回復の見通しが立たない状況にあります。夏場は電力の総量規制もあり、企業の先行き不透明感は明瞭です。

 景気回復までの道のりは、本当に遠そうです。


政府が雇用対策に1兆円投入を検討

2011-04-12 21:14:04 | 雇用・就職

 政府が、東日本大震災の雇用対策で、解雇防止や失業保険などに1兆円を投じる検討しています。

 休業者に給付する雇用調整助成金助成金を7,000億円、雇用保険の失業給付を300億円を今年度の予算に積み増します。以下雇用対策の内容です。                                                                              ・解雇の防止→雇用調整助成金の要件を緩和                                                           ・失業者の生活支援→失業給付の拡充                                                               ・雇用の創出→雇用創出基金の積み増し                                                              ・仕事のあっせん→ハローワークの機能拡充

 それにしても、従来の施策の拡充です。新規のアイデアは生まれないのでしょうか。


長期失業者が最多の121万人に

2011-02-22 21:19:17 | 雇用・就職

 総務省の調査によりますと、2010年の完全失業者のうち、失業期間が1年以上の長期失業者は2009年より26万人と、比較可能な2002年以降で最多となりました。

 2008年秋のリーマンショックで職を失った派遣労働者らの多くが1年以上たっても、再就職先を見つけられず、長期失業者の増加につながってしまったようです。総務省は「正社員を希望している男性が(長期失業者)の半分程度を占めている」としており、正社員の求人が十分に回復していないことが長期化の原因とみています。

 さて、21日、地元群馬県太田市では群馬県と群馬労働局主催の、今年春卒業見込みの学生の就職説明会が開催されてました。地元上毛新聞には、その様子が記載されています。太田市出身の女子学生は「50社くらい受けたが内定はゼロ。医療関係が希望だが、えり好みはしていられない」という記事が書かれています。

 ほんとうに厳しい雇用環境です。私も、平成11年から15年まで、雇用支援の業務に携わっていました。その時もたいへん就職難の時でした。再就職者の雇用支援で、企業からよく言われたのは、「即戦力と実務経験のある者が欲しい」ということでした。企業も厳しい経営環境に置かれていから当然といえば当然の要望とも言えます。

 平成15年から平成19年ごろまでは、好景気により雇用環境も改善しました。この時期に就職した学生は、比較的恵まれた環境にありました。それが、リーマンショック後、一気に、不景気になり、雇用不安が拡大してしまいました。

 景気回復→雇用拡大→消費拡大→景気浮上→雇用拡大というスパイラルが生まれなければ、雇用不安は解消しないように思えます。まず、景気回復策を今一番求められることではないかと私は思います。


若者の就職難で日本社会が失うもの

2011-02-21 20:59:58 | 雇用・就職

 月刊誌「中央公論」の時評2011で、経済学者の大竹文雄氏が、「若者の就職難で日本社会が失うもの」という論を展開しています。

 以下その要旨です。

・就職活動に苦労した世代は「人生の成功は勤勉よりも運やコネによる」という価値観を持ちやすい。                      ・学校失業時の就職市場が悪いと、努力すれば人生で成功できるという価値観が崩れ去ってしまいそうだ。                 ・勤勉に対する価値観が崩れてしまう対価は大きい。                                                    ・若年者が就職できないという問題は、単にその世代の生産性を下げるだけでなく、競争市場の否定につながり、更なる生産性の低下をもたらす可能性があるのだ。

・ところが、若年者と高齢者の雇用のどちらを重視するかという問題になると高齢者を重視しているのが現状だ。              ・2010年11月26日に京都地裁で出された、定年後再雇用された労働省が雇い止めとなった事件に関する判決がそれを象徴している。雇い止めが無効という労働者勝訴の判決だ。                                                      ・新卒を採用したことが雇い止め無効の理由として問題視されていることが事実である。若年者より高齢者を重視する司法判断がある限り、若年者の雇用が上向くことは当分期待できそうもない。

 若年者が就職できずに、生活の安定が得られない状況は、由々しき問題だと思います。なんといっても、この日本の将来を担うのは若年者なのです。けっして、高齢者ではないからです

 


就職難生む「職業観の欠如」-日経ビジネス.2011.2.21から-

2011-02-18 21:45:22 | 雇用・就職

 今週の日経ビジネスに、農業生産法人・グリーン社長澤浦氏が、若者の就職に対する意見を記載しています。

 澤浦氏の主張は、現在の若者の就職難は気の毒なことだが、一方で考え直さなくてはならないことがあるというものです。それは、若者がしっかりとした職業観を持っているかどうか、または、持たせる機会を与えているかどうかいうことです。

 澤浦氏は、中学、高校の時に、アルバイトをどんどんすべきだと主張します。それは、働くことにより、「働くとはどのようなことか」「自分にはどんな仕事が向いているのか」を考えるきっかけとなるからです。

 澤浦氏は、人材採用で失敗を経験しています。昨春入社した若者が、1年も持たずに辞めてしまったからです。澤浦氏は、辞めた人に対しては採用試験の時に不安を感じていました。「明確な職業観を持って農業を志したかどうか」という点で確信を持てなかったのもかかわらず、「教育すれば何とかなるだろう」と考え、採用に踏み切ったことを悔やんでいます。

 それで、年少の時から、就業体験をすることが職業意識を高めるので必要であると、澤浦氏は主張するのです。

 さて、私も、年少の就業体験は意味があると思います。働くことの辛さ、楽しさ、そして、労働の対価としてお金が得られることを学ぶ機会となるからです。しかし、澤浦氏が主張するように、若者にしっかりした職業観を求めるのはどうなのでしょうか。

 職業観が形成されるのは、長年の仕事をした経験を通して形成されるものではないでしょうか。若い頃は、とにかく与えられた仕事を悪戦苦闘してこなしていくうちに、自分のシゴト観ができてくるのではないでしょうか。

 若者にしっかりとした職業観を求めるのは酷であると私は思います。

 きょうの赤城山です。雨上がりで雲がかかっています。


パソナ、新卒無業1,200人採用-日経ビジネス2011.2.14-

2011-02-11 20:18:55 | 雇用・就職

 今週号の日経ビジネスは、人材事業のパソナグループが、今春卒業予定で就職がない学生に対して、新しい形態の就職支援を行うことが記載されています。

 その内容は、今年4月以降、入社する社員に対し、「特待生社員」と「半農半芸社員」という契約社員の形態を新設するものです。対象は、就職先が決まらずに大学を卒業する「新卒無業」の学生です。2011年度で、特待生社員を1,200人、半農半芸社員200人を採用しようとしています。

 パソナは昨年春から、就職先が決まらない学生に対して「フレッシュキャリア社員制度」をスタートさせており、今回の制度は、さらにその制度を進化させたものです。

 これらの就職支援の内容は以下のとおりです。                                                       ・キャリアフレッシュ社員:就職が決まらなかった既卒者に、ビジネスマナーなどを学ばせ、提携先(約800社)に契約社員として派遣する。双方が合意すれば、正社員への登用もあり得る。                                                    ・特待生社員:フレッシュキャリア社員制度に応募した6,000人の中から希望者を選抜。実務経験を積みたい人向けの制度。パソナで働き、実務経験を積みながら就職活動をする。                                                        ・半農半芸社員:午前中は農作業、午後は各自の自由活動に専念する。「農業経営者」「起業家」「芸術家」を目指す人を人向け。

 わたしは、18年前に、この南部パソナグループ代表兼社長の講演会を聞いたことがあります。まさに、若手の起業家ということで、然りとした理念を持った経営者の方という印象を持ったものです。その後の、活躍は言うまでもないことです。

 さて、政府は10日、雇用政策の目玉である「求職者支援法案」閣議決定しました。週明けに国会に提出します。この法案は、失業者が月100,000円の生活費を受けながら、無料職業訓練を受けられる制度です。リーマン・ショック後の2009年7月に始まった同様の制度が今年9月で終わるため、10月に法案を施行して恒久化するものです。しかし、現在の臨時制度では、生活費目当ての受講や国の奨励金を狙った委託事業者の参入が相次ぎ、雇用支援現場は荒んでいます。

 対策として国は、受講者の訓練への出席要件を厳しくしたりしてきました。また、4月からの制度では、事業者が新コースを設置した場合に最大300万円を支給していた奨励金も廃止し、直近1年間の訓練実績の提出も求める方針ですが、そのためにより、質の低い訓練校をどこまで排除できるかは未知数です。

 そもそも、質の高い訓練を実施しても、パソナの社員制度のように日本では「OJT」でなければ、就職に結びつくケースは少ないと私は思います。国の制度より、民間企業の実施することのほうが、実効的な雇用支援になるのではないかと私は思います。

 


地元企業ジェイアイエヌが新卒採用を変更

2011-02-03 07:20:18 | 雇用・就職

 地元群馬県の眼鏡チェーン「JINS」を展開するジェイアイエヌは、大学などを卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いで採用することを決めました。

 この対象は、大学、大学院、短大、専門学校、海外大学の既卒者です。国籍も問いません。卒業後3年以内であれば、すでに働き始めている社会人にも適用します。 「JINS」の店舗数は2010年12月末で88店舗でした。2011年8月までに大台100台を目指しています。

 同じ地元企業である、衣料チェーンのハートマーケット(前橋市)は年間を通して既卒者向けの採用面接を受け付けています。カインズ(高崎市)も、職歴を問わず30歳程度まで募集しています。

 政府は、昨年、「青少年雇用機会確保指針」を改正し、大学などの卒業後3年以内は新卒扱いとするよう企業側に求めていますが、まだまだ浸透していません。また、 既卒者の新卒扱いにとしている企業は、小売・サービス業などの言うならば、学生に今一歩人気のない企業が多いようです。

 新卒重視の風潮がいろいろな弊害を生じさせてきたということなのでしょうが、仕事をするということは何か、社会に貢献するとはなにか、自分のキャリアをどのように形成していくのかというような、いわゆるキャリアデザインの考え方を、これから仕事に就く人たちに浸透させていくということが重要なのではないかと私は思います。

 キャリアデザインという考え方が浸透したならば、「雇用のミスマッチ」なども解消していくのではないかとも私は思っていいます。

 


雇用・能力開発機構の廃止中ぶらりんの状態

2011-01-26 20:21:43 | 雇用・就職

 今年4月1日付けで廃止が予定されていた独立行政法人「雇用・能力開発機構」が中ぶらりんの状態になっています。

 昨年10月の臨時国会に廃止法案が提出され、野党の自民党、公明党も賛成して衆議院を通過しましたが、参議院では時間切れで継続審議となりました。法案では2011年4月1日としていたのが中ぶらりんの状態になっています。

 法案では、機構が行っていた職業訓練事業は独法「高齢・障害者雇用支援機構」に移管になる予定でしした。独法名を「高齢・求職者雇用支援機構」に変更。各都道府県にある職業訓練施設「ポリテクセンター」は、条件付きで希望する都道府県に譲渡されるはずでした。

 廃止は、半年ほどの先送りが有力となっていますが、ポリテクセンターの譲渡手続きも進みません。職員数は、約3,600人ですが、退職者を補充しないことなどで、移管時には、3,100人に減らす予定でした。 この雇用問題も、中ぶらりんの状態となっています。将来のこともあり、職員は、早期法案の成立を望んでいます。

 さて、私は、平成11年から15年の間、専門校で職業訓練に携わっていました。今、職業訓練の重要性が言われていますが、企業内訓練でキャリアを積んでいく日本社会では、1年くらいの訓練では実社会に役立たないというのが私の経験からの実感です。

 失業者数が高止まりになっているので、職業訓練の重要性を声高に話す評論家が多いのですが、それではどんな職業訓練を実施するのがよいかという具体策まで言及する者は少ないです。少ない具体例として、ホームヘルパー取得などがよくあげられますが、例としてあげられるのはこの例くらいではないでしょうか。

 再就職者の方は職業訓練に多くの期待も持って訓練校に入校するのですが、まだまだ入校生の期待に応えられるような訓練内容になっていないと私は思います。新しい組織になっても、従来どおりの発想での訓練では、あまり効果がなく、そんな組織はないほうがよいとの声が上がると私は思っています。