TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

現代官僚論(松本清張著:昭和38年)を読む

2010-01-31 08:45:44 | 今週の一冊
 松本清張全集の配本31に掲載されている「現代官僚論」を読みました。この著作は昭和38年に記載されたものです。

 さて、今から47年も前に書かれた著作ですが、今読んでみても官僚の生態を実によく表しています。官僚という人種は変わらないものだなあという感想です。その変わらない点は「事大主義」「出世主義」「消極性」「保守性」「非能率」です。

 現代官僚論では、昭和38年当時の文部官僚、農林官僚、検察官僚、通産官僚、警察官僚が記載されています。その中で通産官僚では、城山三郎の小説「官僚たちの夏」のモデルである佐橋滋氏のことも書かれています。
 城山三郎はこの官僚を日本経済の復興に命をかけた者として描いていますが、松本清張は、通商産業省という「産業政策は役所の仕事」という思い込みが生んだ典型として書かれています。

 今、通商産業省の仕事を引き継い経済産業省が日本経済の方向性をリードしているとはだれも思ってはいないでしょう。「産業を役所が育てる」などの発想は時代錯誤も甚だしいと私は思っています。

 それなのに、最近テレビで「官僚たちの夏」や「坂の上の雲」が制作され放映されるのかいささか疑問に思っています。政府が先頭になって国民を導くような時代ではないと思います。

 官僚依存から政治主導への転換が言われますが、現代官僚論を読みますと、いかに政治家と官僚が持ちつ持たれつの関係になっていたかがわかります。

 一時期の官僚依存から政治主導という声のトーンは落ちてきています。現代官僚論が書かれた47年前となんら変わらない状況が続くようでは、日本の未来はかなりやばいのではないでしょうか。



 

地元群馬県の2009年有効求人倍率平均値は0.56倍に

2010-01-30 06:37:24 | 経営全般
群馬労働局が29日には公表した地元群馬県の2009年平均有効求人倍率は、0.56倍で、統計データのある1963年以降最低だったことがわかりました。

 年平均の県内平均求人倍率はこれまでの最低1999年の0.65倍でした。この年は「平成不況」と呼ばれた時期であり,98年も0.67倍と低水準でした。

 また、同日発表された2009年12月単月の有効求人倍率は、0.55倍で3カ月連続の0.5倍代となりました。3年前は1.3倍台の数値でししたから急激な減少となっています。

 さて、私の地元伊勢崎市は、0.3倍だいぐらいではないでしょうか。私が、3年前まで地域産業支援に関わっていた時、群馬県全体は1.3倍だったのですが、伊勢崎市地域は1倍を超えるか超えないかでした。

 この有効求人倍率は、非正規労働者の求人募集も含む数値ですから、正規労働者の求人数はほんとうに少ない数値になっていると思います。群馬県労働局のホームページからデータを検索してみようと試みましたが、産業別データ、有効求人倍率、新規有効求人倍率、雇用保険者受給者数の推移のみの掲載でした。

 そのデータで見ると、雇用保険者も1万人を超えており、数年前は7千人台でしたから、明らかに失業者は増えています。

 群馬県も雇用支援に予算を増額していますが、本腰をいれた支援がほんとうに求められていると思います。




 

「ケイレツ」を革新せよ-日本ビジネス2010.2.1から-

2010-01-29 07:38:35 | 経営全般
今週の日経ビジネスの「今週の焦点」は米カルフォルニア大学バークレー校準教授のヘンリー・チェスブロウ氏のインタビューが掲載されています。

 内容は、今後の自動車業界についてなのですが、納得のいくものです。以下引用します。

問:自動車産業は、エンジンから電気モーターへという技術的な大転換点を迎えていまが。
答:イノベーション(技術革新)の方法論が一変するでしょう。会社が大きくなって発展期に入ると、効率を上げ、競争力を維持するための仕組みが必要になります。その完成された形が、特に日本の自動車産業で築いた「ケイレツ」でしょう。ケイレツは長い年月をかけて構築された企業と企業の関係であり、資本や取引によってがっちりと連結されています。長期的、計画的に事業を展開していくためには最適な仕組みでした。
 しかし、今、電気自動車という新分野における覇者を目指して、世界中の個人や企業、国家が全力疾走を始めています。新産業創出への突破口を開くようなイノベーションを起こすためには、既存のグローバルな規模で新しいアイデアを求めなければなりません。
 
問;ケイレツを壊せということですか。
答:いえ、単純なケイレツ解体論ではありません。ですが、ケイレツ内に閉じこもっているだけでは、世界中から新技術を吸収するオープンイノベーションには勝てないことは明らかです。
 トヨタ自動車ハイブリッドシステムの特許を米フォード・モータースシステムに供与しています。トヨタは米ゼネラル・モーターズの子会社のオンスターが提供する緊急通報システムを「レクサス」に搭載しています。
  つまり、資本関係に縛られない企業同士が新しい価値観と収益モデルに基づいた協力関係を結び、製品や事業を作り出していく「エコシステム(産業生態系)」が誕生しているのです。ケイレツの仕組みは、エコシステムという発想に道を譲ることになるでしょう。

 この考えは、年功序列、終身雇用から実力主義に変化しているようなものではないでしょうか。実力と魅力のない企業は誰も相手にされなくなるというころです。

 ここ2,3日の内に、トヨタ自動車のリコールが話題になっています。企業としての信頼は今の社会では絶対です。ケイレツの崩壊は、企業にとってはチャンスであり、脅威であります。
 
 確かに時代は政治、経済、企業と大きな変革期を迎えています。


  

トヨタ自動車、米でリコール8車種で販売計画見直しも

2010-01-28 07:52:43 | 経営全般
トヨタ自動車はアクセルペダルの不具合を巡る米国での大規模リコールに関連し、「カムリ」など8車種の生産・販売を一時的に停止すると発表しました。

 トヨタ自動車は26日に2010年の世界販売計画を公表し、北米は前年比11%増の219万台と3年ぶりの増加を見込んでいましたが、北米での生産・販売の一時停止の期間は未定ですが、長期化すれば計画の見直しも避けられないことになります。

 各方面からは年100万台の車種の生産停止に対し、業界他社から驚きの声が聞かれますが、トヨタ社内では仮に経費がかかっても徹底的に安全対策を重視するとの見解を出しています。

 もともとトヨタ自動車には不具合があれば生産ラインを止める企業文化があります。過去には三菱自動車がリコール隠しが発覚して業績が悪化したことが自動車業界でありました。
 同じように企業の信頼を落とした例として不二家、パロマ工業などがありました。

 一方、トヨタ自自動車は一時の損失より消費者の信頼を選択しています。この姿勢が世界のリーディングカンパニーという評価を得ているのではないでしょうか。

 それにしても、前回のフロアマットがアクセルペダルに引っ掛かり事故を起こす恐れがある問題が起きて、今回のアクセルペダルの不具合と、品質に陰りが出てきているのでしょうか。

 

労使交渉スタート、定期昇給が争点に

2010-01-27 07:52:27 | 雇用・就職
2010年の春季労使交渉が動き出しました。日本経団連と連合の労使相方が2年連続で「賃金より雇用維持」の旗印を掲げています。

 現在、企業は600万人もの余剰人員を抱え、大学生の新卒予定者の内定率は7割ほどに留まっています。また、非正規労働者は全労働者の3割に達しています。

 自動車や電機、鉄鋼など主要産業の大手労働組合の多くが賃金改善要求を見送る方針を固めました。定期昇給確保に絞ってぎりぎりの交渉に臨みます。
 
 それにしても、定期昇給が争点というのはさびしいものです。それほど経済環境、企業環境、雇用環境が厳しいということなのでしょうか。
 

春闘2010年論戦始まる-定期昇給VSまず雇用

2010-01-26 07:47:02 | 雇用・就職
 1月25日から東京都内の日本経団連と連合による「労使フォーラム」を皮切りに、今年の春闘の論戦が始まりました。

 経団連の御手洗会長は「賃金よりも雇用を優先した交渉・協議が求められる」と話し、昨年と同様に雇用の確保が最重要課題との見解を示しました。また、企業によっては、定期昇給の凍結もあり得るとの考えを示しました。
 一方、連合の古賀伸明会長は、経営側の春闘方針に「労使が積み上げてきた信頼関係の思いをはせてるのか、疑問に思わざるを得ない」と反発しています。そして、定期昇給維持は譲れないとの認識を強調しました。

 今年の春闘では労働側は、統一要求から2年ぶりにベア要求を外し、年齢や勤続年数に応じた定期昇給など「賃金カーブ」を選択しました。公的保険料の料率アップなどで、実質賃金が上がらない状況が続く中で、雇用維持も考慮したギリギリの決断ということです。

 とは言っても、経営者側は景気の二番底も懸念されており、企業の経営環境は昨年より厳しいので、ベア見送りは当然で、定期昇給も個別企業の支払い能力に応じるべきだとの考えです。

 また、連合は今年の春闘で初めて「非正規労働者を含むすべての労働者の労働条件の改善に取り組む」との方針を打ち出しています。背景には非正規労働者が労働者全体の4割に近づく状況にあるからです。
 企業業績を回復させるためには内需拡大が不可欠であり、そのためには非正規労働者も含めた賃金の底上げが必要だとの認識からです。

 春闘がどのように決着するか見通しは見えません。わかっていることは当分の間、賃金は上がりそうもないことであり、企業の業績もすぐには回復しそうもないということです。 
  

伊勢崎銘仙を東京銀座でPR

2010-01-25 07:46:40 | 地域産業
 今日の上毛新聞に、伊勢崎銘仙のPRに地元伊勢崎市の女性が自前の伊勢崎銘仙を着て、東京銀座を歩いた記事が掲載されていました。

 このPRを実施したのは地元伊勢崎市の街づくり活動をしている女性たちです。代表者が杉原みち子さんですがか、伊勢崎市民ゼミナールの人たちです。このグループは毎年秋に、伊勢崎燈華会のイベントを行っています。このイベントも市民に定着してきています。

 さて、今回の試みは、群馬県のアンテナショップ、ぐんまちゃん家で開かれた「伊勢崎銘仙づくり展」への呼び込みのために実施したものです。

 下の写真は、そのぐんまちゃん家です。1階は特産物販売、2階は特設会場になっているのですが、今回は伊勢崎銘仙の着物、反物、往年の名女優をモデルとしたポスターが展示されました。



 下の写真は、地元伊勢崎で展示されていた伊勢崎銘仙です。



 ぐんまちゃん家の立地がよくないとか聞かれますが、要はイベントの魅力とPRの方法だと思います。北海道のような物産店としての魅力を期待できないとすれば、今回のようなPRの方法が地元群馬の文化を東京人に知ってもらう機会になるのではないでしょうか。

 それにしても、街を銘仙を着て歩くというPR方法は、いいアイデアではないかと私は思います。要は、知恵の出し方しだいということなのかもしれません。



 

地元群馬県立図書館も伊勢崎市立図書館も来館者でいっぱい

2010-01-24 08:24:42 | 地域文化・地域資源
 23日は、地元群馬県立図書館、24日は地元伊勢崎市立図書館に行きましたが、両図書館とも、開館の朝9時過ぎに言ったのですが、来館者ですでに賑わっていいます。不況ということで、本を購入するのでなく、図書館を利用する人が増えているのでしょうか。

 下の写真は、群馬県立図書館の駐車場です。9時過ぎに駐車している車が多いです。



 図書館内は、県立だけあって多くの蔵書があります。



下の写真は、地元伊勢崎市立図書館です。この図書館も9時開館ですが、9時過ぎに来館者が多く見えます。



 蔵書数は、県立図書館と比較すると少ないですが、学術書が多い県立図書館、一般書物が多い市立図書館という印象です。地元前橋市立図書館も行くことが多いのですが、この図書館も一般書物が多いです。



 さて、図書館は本を借りるだけでなく、いろいろな情報を得られます。地元の講演会や、イベント情報のパンフレットが数多くあるからです。下は地元伊勢崎市立図書館の様子です。



 また、地元伊勢崎市立図書館は下の写真のように、新着図書の情報も掲げてあります。



 いろいろな情報を得られるのですが、これらの情報を地域別や日時順などのある分類基準で展示してくれればといつも思います。そうすればより情報をスマートに住民に提供できるのではないでしょうか。

 

地元群馬県22年度予算で雇用創出に50億円

2010-01-23 07:25:40 | 地域産業
地元群馬県の平成22年度予算案は契機低迷の影響が深刻な県民の生活再建を最優先する方針です。

 その内容なのですが、雇用対策に50億円以上を配分します。具体的には激しい雇用情勢に対応するため、国の交付金で2009年設けた雇用対策2基金事業を大幅に拡大するものです。

 その2基金事業とは、失業した非正規労働者や中高年らに緊急非難的に仕事を提供する「緊急雇用創出基金」と安定的な雇用創出を目指す「ふるさと雇用再生特別基金」で、2009年度当初予算(約27億円)の2倍程度の活用を計画しています。
 2009年から2011年までの3年間までの3年間で130億円以上を使い、約10,000人の雇用創出を目指します。

 さて、この基金の雇用創出効果は、あくまで緊急非難的な意味合いのものです。継続的な安定した雇用のためには、職業能力開発等の施策充実が必要です。

 予算規模を見ると、この職業訓練の予算規模が少なすぎるのではないかと私はいつも思います。言ってみれば、将来を担う若者たちへの投資が少ないということです。この分野の予算の充実を望みたいものです。

 

民主党、中小企業政策に暗雲-日経ビジネス2010.1.25から-

2010-01-22 07:37:15 | 経営全般
今週号の日経ビジネスに、民主党の中小企業施策のことが書かれています。政治主導を掲げる民主党政権は、首相直属の諮問機関「中小企業支援会議」を今月中の立ち上げ、中小企業施策を強化することなどのことです。

 この支援会議は、議長が鳩山由紀夫首相、事務局長には中小企業担当の中山善活・首相補佐官が就任予定です。支援会議では必要な支援策を協議するため、金融円滑化推進室、国際化推進室、新分野開拓推進室の3つを設ける計画です。

 しかし、記事にはこの発足にトラブルが発生したと記載しています。有識者のメンバーとしてて作業部会のメンバーとなる見通しだった経営コンサルタントが、ほかならぬ所得税違反(脱税)の疑いで逮捕された八木宏之氏だったからです。

 この八木氏はセントラル総合研究所の社長で、ベストセラーとなった「借りたカネは返すな」の著者です。私はこの本を購入して読んだ記憶がありますが、内容はまったく忘れてしまいました。

 このようなトラブルがあったとしても、「中小企業支援会議」は発足します。そして目下の緊急課題は年度末の中小企業の資金繰り対策ということになります。
 支援会議発足後は、政府保証を利用した新たな融資制度を作ったり、銀行などの金融機関に限られた金融円滑化法の適用範囲をノンバンクやリース会社にも広げるなどの対策が検討される予定です。

 中小企業支援策は、①融資、②助成金、③経営支援の3本柱が従来からの手法です。支援会議の3つの室(金融円滑化室、国際化推進室、新分野開拓推進室)でどのような協議がされるかはわかりませんが、具体的な支援策は従来からの3本柱の組み合わせになると思います。

 この手法は、中小企業庁の手法そのものです。民主党は経済産業大臣や金融担当大臣などの関係閣僚から中小企業に関する政策の権限を委譲し、将来的には中小企業庁の省への昇格も視野に入れているようですが、その中小企業庁にほんとうに生きた施策を生み出してもらいたいものです。

 私は中小企業支援に関わって十数年が経ちましたが、毎年毎年手を変え品を変え出されるく施策で効果的があると思ったものは数少なかったのが現実ではないでしょうか。

 今後も厳しい状況が続く中小企業にほんとうに意味のある施策が実施されることを切に望みます。 


 

地元北関東、大型小売店の新設意欲縮む

2010-01-21 07:46:02 | 地域産業
 地元北関東では大型小売店の新設が減少しています。大規模小売店舗立地法に基づく2009年の新設届け出件数は茨城県、栃木県、群馬県合計で37件と2008年より6件減少しました。

 私の地元群馬県は、8件と3件減少しました。また開業してもテナントが埋まらない大型店舗も見受けられます。下の写真の「クロスガーデン前橋」がその典型です。最近、ラーメン道場ということで5店舗が2階に入りましたが、横浜のラーメン博物館と比較すれば魅力に欠ける仕掛けです。



 また、西部モールのカインズ跡の「伊勢崎クロスガーデン」もテナントが埋まりません。



また、地元群馬県はまとめた2009年12月の生活関連物資価格調査では、32品目のうち8割近い25品目で前年同月比で平均価格が低下していることが分かりました。個人消費の低迷を受け、スーパーなど小売店の値下げ競争が激化しています。

 小売業界も先行きの見えない停滞感が漂っています。確かに、私などは、買いたい物がありません。需要が伸びないのが不況の最大の要因であると言われます。

 しかし、正直買いたい物がないのではどうしょうもないです。そのような消費者を刺激して消費を促す方策も今は限界が来ているようです。

 サンディプロジェクトで竹中平蔵と榊原英資が今の経済状況で論争してました。竹中平蔵は、不況の今を脱皮するのは、規制改革による経済成長が絶対必要だと論じていました。
 一方、榊原英資は日本は、成熟社会に突入しており、格差是正をなどに考慮した経済政策が求められていると論じていました。

 この論争を聞いていて思うのですが、腑に落ちる経済政策を聞いたことがあません。それは、小売業の現状に見られるように、今は日本は経験したことのない経済状況にあるからdす。

 そのような時に、過去の学問から導きだした考えでは太刀打ちできないことがあるのではないでしょうか。私は、経済学者の政策論議を聞くといつもそのように思います。

 そして、多くの小売業者は政策論議に関係なく景況の最前線で悪戦苦闘しているのです。

地元群馬県明和町で事業仕分け

2010-01-20 07:45:41 | 地域産業
 上毛新聞によりますと、地元群馬県明和町で本日20日に町の補助金を対象とした事業仕分けが実施される記事が掲載されていました。

 明和町は2008年度実績で年間97件の2億8,000万円の補助金を支出しています。このうち今回の事業仕分けの対象になるのは37件で約1億円です。3日間の日程で審議が実施されます。

 今回の事業仕分けは、公募などで選んだ行政改革推進アドバイザー10人に支出の意義などを補助金担当課の課長が説明することで進められます。

 アドバイザーは質疑の応答を経て、「継続」「削減」「廃止」のいずれかを採択し、推進本部に答申します。推進本部は内部で答申結果を検討し、できる限り尊重した形で町の新年度予算案に反映させます。

 事業仕分けは、昨年年末に民主党が実施して話題になった手法です。もともとは今回の明和町のような地方自治体で実施されていた手法です。

 民主党が実施した事業仕分けは国民の拍手喝采を受けたのですが、そのことは言ってみれば、予算編成や執行が、住民や国民に関係ないところで実施したことへの反発だったのではないでしょうか。

 行政の実施している事業がその目的や効果などが「可視化」されたことがか画期的と思われたのでしょう。しかし、行政の実施している事業は議会の承認を経ているものです。その議会の構成員は住民が選んだ代表者です。

 事業仕分けは、議会の意味、そして政治家の存在意義を改めて問うている手法といえるのではないでしょうか。

日本航空、きょう会社更生法申請へ

2010-01-19 07:45:06 | 経営全般
日本航空は、19日本日グループ中核2社(日本航空インターナショナル、ジャルキャピタル)とともに東京地裁に会社再生法の適用を申請しました。

 今後はすぐに、公的機関の企業再生支援機構が支援を決定し、政府も通常運航に支障がでないように全面支援を実施します。今後は、日本航空は機構の管理下で再建を目指すことになります。

 機構は、金融機関の債権放棄や資本増強策などで財務体質を改善し、路線整理や人員削減などのリストラを進め2013年までに再建を完了させる計画です。

 政府はすでに海外で混乱が生じないように大使館などを通じて一般商取引再建の保護方針を関係各国に伝えています。

 日本航空は機構などから6,000億円のつなぎ融資を受け、機構は取引先金融機関に7,000~8,000億円の債権放棄を申請します。日本航空株は更生法の適用申請時点で整理銘柄となり、その後1カ月間は売買できる見通しです。機構は100%減資し、上場を廃止する方針です。

 日本航空の沈没は、日本の現在の状況を表しているようです。かつての輝いていた企業は今はその面影はまったくなくなってしまっています。

 その再生には、多大な金融機関の債権放棄や政府による全面援助に見られるように、多大な通常では払う必要のなかった犠牲が払われます。
 
 日本航空の沈没は、空港を次ぎ次に整備した土木行政の責任も大きかったと思います。赤字が明確な空港に乗り入れしなくてならなかった日本航空は不幸だったと思います。

 まさに日本航空の沈没は、官民政のトライアングルで日本を支配してきた手法の崩壊を端的に表したものだと思います。

 トライアングルの政として一翼を担っていた自民党の沈没は時代の趨勢でしたが、政権交代した「民主党」のボスがまさにが同じ構造の中心にいるというにでは、私たちはしらけさせていまます。

 日本の将来は本当にだいじょうぶなのでしょうか。
   

 

トヨタ自動車、ハイブリッド車を倍増の100万台に

2010-01-18 07:43:39 | 経営全般
トヨタ自動車は、ハイブリッド車の世界生産台数を2011年に2009年に比べて約2倍の100万台に引き上げる計画を部品メーカーに伝えました。

 主力の「プリウス」などを増産するほか、2~3年内に10車種程度を投入します。新たに英国や子会社の宮城県の工場などでも生産し、国内外の組み立て工場も増やします。この計画で国内生産台数に占めるハイブリッド車の比率は約2割から3割に拡大する見込みです。

 世界の自動車業界ではエコカー戦略を軸とした再編が起きています。スズキとフォルクスワーゲンが資本・業務提携で合意しました。三菱自動車もプジョーシトロエングループとの資本提携に向け交渉に入りました。

 トヨタ自動車はハイブリッド車を成長戦略の核と位置づけ、全モデルでの展開を目指します。

 このトヨタ自動車の戦略はまさに、自社の強みを生かした「選択と集中」です。それにしても、日本の企業は、自社の成長戦略を明確に描けるのに、国は成長戦略を描けないのでしょうか。個々の企業は、国などあてにせず自社の生き残りを模索していくことが続くのでしょうか。

 

「目のつけどころ(山田真哉著)」を読む

2010-01-17 08:24:34 | 今週の一冊
 「さおだけ屋はなぜ潰れない」などの会計本でベストセラーを書いている公認会計士の山田真哉の著書「目のつけどころ」を読みました。



この本は、目のつけどろこを見につけるノウハウ本です。著者は目のつけどころの6つの分析視点などを、ふんだんに自分の経験から積み上げたものを記載しています。

 とはいっても、私が参考になったのは次の2点です。
1 山田式黒十字アイデア法
 これは、アイデアを生み出す場合のポジショニング分析です。著者はその軸に、①総論か各論か、②硬派か軟派かを基軸としているとうことです。
 硬派か軟派かはどうかと思いますが、総論課か各論かは確かに軸になると思います。参考になりました。
2 3秒ルール-数字を拾い、裏っかえす-
 数字は世界共通であり、何か物事について考える時に数字にチェックを入れて行うということです。そして数字に目をつける時に捨ステップとして、①数字を拾う、②数字の単位を見る、数字を裏っ返すがあります。
 ↓このステップは具体的には
 会議資料などの数字をマルを囲んで拾う→%などの単位を見る、それは母数を考えることになる→数字が占めす別の意味を捉える。例えば、顧客満足度が92%であれば、その裏返しとして顧客不満足が8%となる
 ↓つまり
 数字をひっくり返すことで見えるのは、その母数、つまり大局である。

 さすが、山田氏は目のつけどころがいいです。
 
 それから、「できる人はつねに図とマトリックスで考える」と書かれています。著者は会計士ですが、できる会計士とできない会計士の違いは、できる会計士はだいたい「まっさきに図を描く」と記載しています。できる会計士は、まず図を描いて理解しようとする、そして難しい会計処理も、図を描いて説明するということです。

 この記載も腑に落ちる内容です。