TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

タンスの中はもういっぱい-日経ビジネス2009.5.25-

2009-05-22 04:55:08 | 経営全般
 今週号の日経ビジネスの特集は、物欲消滅ということで消費低迷は経済環境の悪化ばかりでなく、モノを「持たない生活」を志向する人が増加しているためという内容です。

 物欲消滅を引きだす構造変化については以下の要因が上げられています。
1 少子高齢化
 ①年金不安
 ②相続財産の増加
  少子化で子供1人が両親などから受け取る遺産の増加が予想される
 ③消費の保守化
  高齢化によりクルマが運転できないなど所有できない製品が増える
2 雇用環境の変化-終身雇用、年功序列賃金の崩壊-
 ①長期ローンを組むことへの抵抗感
3 環境意識の高まり
 ①ゴミ有料化など「捨てるコスト」の発生
 ②大量消費への反省・反動
4 技術革新
 ①もの余り
  家電製品、小物、服飾品などを買い足してきたため家にモノがあふれている
 ②デジタル化
  ダウンロード販売などが進み、書籍、CD、DVDなどをモノとして持つ必要がな  くなってきた。

 こうした社会構造やライフスタイルの変化が「買わない消費者」の台頭に結びついています。物質的に充足した日々を送る中で、消費者のモノに対する渇望は薄れてきているわけです。

 特集記事ではこうした変容に対応している企業が記載されています。内容はレンタル、カーシェアリングなどです。

 モノを買わなく買った消費者へ対応する企業の記事は、私にはピンときません。根本的な解決策でないからです。所詮はこて先の対処法なのではないでしょうか。

 物欲消滅気味の消費者には、一点突破の顧客ターゲットをしぼりこんだ生産、販売しかないのではないでしょうか。それがハイブリット車であったり、産直の農産物なのではないでしょうか。

 世界経済危機の外部要因の上に、消費者の意識変化が企業に重くのしかかってきている時代であると私は思います。