TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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企業発儲かる農業-日経ビジネス2009.5.4から-

2009-05-06 07:07:00 | 経営全般
今週号の日経ビジネスは、「企業発儲かる農業」という特集を掲載しています。今は農業ブームです。国は補助金を増額し、雇用の受け皿として期待されています。しかし、農業の現状はそう甘くなく厳しい現実があります。

 特集記事では、企業が農業に参入するのを阻む3つの壁を記載しています。「コスト」「ブランド化」「意識」の3つの壁です。この壁を乗り越えずには農業の企業化は難しい課題です。

 まず、「コスト」ですが、自然を相手にする農業は、工場での生産とは異なる経営の難しさがあります。つまり、生産量が一定で、将来の事業計画が立てやすい工業製品とは違い、農業は天候などのリスクによって収穫高が大きく増減するということです。また、カゴメの例が取り上げられていますが、地代、税金、ランニングことすなど初期投資が予想外に高くつきます。オムロンやファーストリテイリングなどはあえなく撤退しています。

 次に、「ブランド化」の壁があります。特集記事では、北海道産のコメ「ふっくりんこ」があげられています。このコメは一時は、新潟産の「コシヒカリ」より高値を付けたのですが、そのために、多くの農家が生産したために、品質が悪いものが出回り、価格を急落していまいました。
 農家が高いコメを作りたいと思うのは当然ですが、製造業のように誰も管理しないままに勝手に作れば品質に格差が生じるのは当然です。

 そして、「意識」の壁があることを特集記事は指摘しています。農家は職人が多く、自分の腕が一番と思ていることが多いのです。農家としての誇り、この誇りがあったからこそ農業を続けてきたと言えますが、皮肉にも企業化、産業化を阻んできたと指摘しています。

 特集記事では、農業独特の流通経路や補助金付けの問題も指摘しています。農業は期待先行で、その成長はそう簡単にはいかない多くの課題があると私は思います。