TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

「たった1%の賃上げが99%を幸せにする」を読む

2009-05-07 06:58:12 | 今週の一冊


 人事コンサルタント城繁幸の著書「たった1%の賃上げが99%を幸せにする」を読みました。城繁幸死は、ベストセラーになった「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」の著者です。

 ベストセラーが成果主義の崩壊を記述した本ですので、この本も成果主義を批判した本だと思っていましたがそうではありませんでた。

 著者の主張は、「同一労働同一賃金」であり、年功序列、年功賃金の否定です。
高賃金の45~55歳正社員が年間受け取る給与総額は45兆円にも上るので、そのたった1%の4,500億円を非正規社員に分配することで10万人の雇用が確保されると主張します。

 著者は、45~55歳正社員は既得権層であり、若い時に安月給で働いた褒美として高い報酬を貰っている人たちの報酬を再分配すれば、若者の雇用不安も解消すると述べています。 その背景には、同一労働、同一賃金が根拠になっています。

 要はワークシェアリングです。しかし、45~55歳の人たちにとっては辛い面もあります。なぜなら、若い時には、安月給で、サービス残業で働いたのは、中高年になれば先輩たちみたいに、ご褒美があるからがまんができたともいえるのです。

 非正規、非正規の賃金格差が生じている今、ワークシェアリングは必要です。そして同一労働、同一賃金の考え方は賃金格差解消には必要です。

 しかし、この労働はこの賃金水準と決めるはどのようにきめるのでしょうか。大企業の億に近い報酬を貰っている管理職の報酬はどのように決めるのか知識のない私にはまったく分かりません。