あび卯月☆ぶろぐ

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昭和天皇とエレベーター

2006-11-06 01:57:43 | 歴史・人物
いつか紹介しようと思って忘れていた文章がありました。
昭和天皇について以前、『諸君!』の「紳士と淑女」に掲載されたものです。
以下、転載。

痛ましい事故とは全く関係ないが思い出したことがある。
エレベーターガールがハンドルを握り「五階。呉服売場でございます」と口上を述べながら手動で動かしていた時代の話である。
昭和三十年代のはじめ、昭和天皇が浅草のデパートで開催中の展覧会か何かにお出になった。
 行幸は社史に残る大事である。社長はじめ役員一同は、威儀を正して五階だか六階だかのエレベーターのドアの前に整列した。陛下ご到着。お出迎えの専務と侍従一人を従え、エレベーターにお乗りになった。
そこまでは無事だった。粗相があってはならない。エレベーターの運転には、社内トップのベテラン女子店員を当てた。
 ところがである。あまりの緊張からか彼女の手が震え、ハンドルに触れた。エレベーターは階と階の中間で止まり、ドアが開いた。
 何たることか、陛下の御姿は、畏れ多くも正しい位置より五十センチほど低かった。社長をはじめ全員が天皇を見下ろす角度である。彼らの背を冷や汗が流れた。
 ひとり昭和天皇は、顔色ひとつお変えにならなかった。グイと右足を上げて階段三段分はあったかと思う段差を一気に踏み越え、会場の床に立つや、何事もなかったかのように帽子を取って居並ぶ者どもに会釈された。地をはらう威厳、帝王にしかないものだった、と聞いたことがある。



昭和天皇のお人柄をよく示すエピソードですね。
それにしても、かつてエレベーターが手動で操作されていた事はこの文章を読むまで知りませんでした。

昭和天皇にはこのような逸話が沢山あって、
知れば知るほど私は昭和天皇に強く惹かれるものを感じます。
私は確かに保守的な人間で、人によっては右翼だとか天皇主義者だとか言う人がありますが、
実は政治的な意味での天皇にはあまり興味がないのです。
無論、日本に皇室は必要なものだと考えていますが、天皇を個人崇拝する気にはなれません。
(同時に天皇抜きのナショナリズムなんてものも信じる気にはなれませんが。)
が、昭和天皇は話が別で、掛け値無しに好きなのです。
結局、私は天皇主義者なのではなくて昭和天皇のミーハーはファンということになりましょう。

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2 コメント

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昭和天皇 (チキソ\)
2006-11-06 12:58:47
この謙虚な姿勢は、お隣りにいる「権力者(金豚、コキントウ等)」には真似出来ないでしょうね。

その場所にいた人達は皆、陛下のファンになったのではないでしょうか。
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Unknown (あび卯月)
2006-11-07 21:52:59
ですね。
どの国でもトップに立つ者は見習って欲しい姿勢ですね。

>その場所にいた人達は皆、陛下のファンになったのではないでしょうか。

私もその場に居合わせたかったです(笑)
文で読んでも感銘を受けるのに実際にそれを体験したら、きっとその何倍もの衝撃があるだろうと思います。
返信する

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