あび卯月☆ぶろぐ

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「日本映画批評家大賞2016アニメ部門」授賞式(ガルパン関連箇所)書き起こし

2016-06-16 21:39:42 | 漫画・アニメ
平成28年5月25日に行われた日本映画批評家大賞2016アニメ部門の授賞式の模様をガルパンに関連する箇所だけ書き起こしました。
敬称は省略しております。

***************************

(前略)

【司会(吉川美代子】
さぁ、お待たせいたしました。いよいよ、第25回日本映画批評家大賞授賞式へ移ります。
まづ最初の賞です。新人声優賞の発表です。
(SE)
新人声優賞は2015年、数多く上映された作品のなかで、素晴らしい魅力と実力を開花させた新人声優の方に贈られる賞です。
本年度は二名の方が受賞されています。ではまず、お一人目の新人声優賞は。

【司会(江木俊夫)】
ガールズ&パンツァー劇場版!渕上舞さんです!

(拍手)

(※劇場版CM VTR流れる)

【司会(吉川美代子)】
では、新人声優賞の選考理由を川崎由紀夫さんから一言お願いいたします。

【川崎由紀夫】
はい、川崎でございます。この度はおめでとうございます。
渕上さんの作品を色々観させていただきまして、なんと云ってもですね、この可愛らしい声のなかにどの役をやっても、一本筋が通っているというか、非常に幹の強さを感じさせてもらいます。
やはり、天性のものとですね努力が作品に表れているというふうに思いまして、今回受賞となりました。
おめでとうございます。

(拍手)

【司会(吉川美代子)】
渕上さんには、ガールズ&パンツァー劇場版の舞台となった茨城県大洗町の小谷隆亮町長と大洗町商工会事務局長の坂本博様、さらに大洗町のゆるキャラ・アライッペがお祝いに駆けつけてくれました。
(※アライッペ登壇)
大洗町はシラスが特産ということで、はい、アライッペはシラスを纏っております。
では、大洗町の小谷町長、一言お祝いの言葉をお願いいたします。

(※小谷町長、坂本事務局長登壇)

【小谷隆亮 大洗町長】
御紹介をいただきました茨城県大洗町長の小谷でございます。
このたび、第25回日本映画批評家大賞において、各賞に受賞された皆様、まことにおめでとうございます。
心からお喜びを申し上げる次第であります。
そして、大洗町が舞台となっております『ガールズ&パンツァー』の劇場版において主人公である西住みほ役を演じられました渕上様がですね、名誉ある日本映画批評家大賞において、新人声優賞を受賞されましたことは心からお祝いを申し上げる次第であります。
地元といたしまして、大変嬉しく、大きな喜びを感じてるところであります。
改めてお祝いを申し上げます。
思い起こせばですね、5年前、東日本大震災により大洗町も地震、津波などによります、被害が色濃く残っている2011年の秋に大洗町を舞台としたアニメを制作したいと、作品のプロデューサーであります、現在は大洗大使としても御尽力いただいております杉山様から申し出をいただきました。『ガールズ&パンツァー』と大洗町の出逢いであります。
アニメ放映当時より全国各地から多くのファンの皆様方が当町の方にお越しをいただいておるところであります。
その勢いは劇場版上映によりまして一層強まっているところでありまして、町民ひとしく大きな喜びを感じているところであります。
お越しいただいたファンの方々が舞台となっている商店街などに訪れることによりまして、地域の方々との交流が生まれておりまして、地域の活力へとつながっているところであります。
この賑わいを全国的な取り組みである地方創生の原動力へと繋げられるよう町としても力を注いで参ります。
こうした賑わいに繋がったのも関係者の皆様方のお力添えの賜物でありまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
渕上様におかれましては、町の一大イベントであります、あんこう祭、あるいは商工祭、あるいは海楽フェスタなど、色々なイベントに御出演をいただいておりまして、様々なメディアを通じて大洗町の魅力を発信していただいているところであります。
『ガールズ&パンツァー』の西住みほ役以外にも様々な作品において御活躍されていると伺っております。
今後ますます御活躍をお祈り申し上げます。そして、大きな喜びでお祝いの言葉とさせていただきます。本日はまことにおめでとうございます。
(拍手)

【司会(吉川美代子)】
では、小谷町長より渕上さんに新人声優賞のトロフィーが贈られます。

(※小谷町長より渕上舞さんへトロフィーを贈呈)

【司会(江木俊夫)】
それでは、受賞された喜びのコメントを渕上さんよりいただきたいと思います。

【渕上舞】
御紹介にあずかりました渕上舞です。この度は本当に素敵な賞をいただいてまことにありがとうございます。
思い返せば、『ガールズ&パンツァー』そして、主人公の西住みほと出逢ったのは、もう4年近く前になってしまうんですけども、その当時は、色々と自分のまわりのこと、プライベートだったり仕事だったり、うまくいかないことがとても多くて、『ガールズ&パンツァー』はそんな中で、「これが私にとって声優人生最後の作品だな」と思いながら臨んだ作品でした。
そこからというもの・・・こうやって、こんなに華々しい場で私自身が立たせていただいているっていうのは奇跡だなぁって、毎回毎回本当に思わせていただいております。
それ以降、他の作品だったりいろいろとお仕事をさせていただくなかで『ガールズ&パンツァー』もそうなんですけれども、大切な作品、そして大好きなキャラクターたちと出逢うたびに、「あぁ、あの時辞めなくてよかったなぁ」って、すごく幸せを噛みしめる毎日です。
これから『ガールズ&パンツァー』劇場版がこうやって公開され、たくさんの方々に愛され、応援していただき、とても嬉しく思う毎日ではあるんですけど、ここから先も出来れば一日でも長く西住みほと共に毎日を過ごしていけたら嬉しいなと思っております。
ここから一歩一歩、もしかしたらゆっくりかもしれないですけども、一つ一つ階段を、声優という階段を一歩一歩踏みしめながら、毎日幸せに生きていけたら嬉しいなぁなんて思っておりますので、是非、応援してくださる皆様、引き続き応援していただけたら幸いでございます。
そして先輩の皆様、これから何かと御指導いただけたらとても幸いでございます。宜しくお願いいたします。
改めまして、本日はまことにありがとございました。渕上舞でした。
(拍手)


<中略>


【司会(吉川美代子)】
さぁ、続きましては、サンクチュアリ作品賞の発表です。
(SE)
この賞はアニメーションによって、地域活性化となる聖域を作りだした作品に贈られる賞です。
では、サンクチュアリ作品賞は。

【司会(江木俊夫)】
『ガールズ&パンツァー劇場版』です!

【司会(吉川美代子)】
本日は、大洗町クリエイティブマネジメント代表・常盤良彦様とバンダイビジュアル株式会社プロデューサー杉山潔様にお越しいただいております。
(SE)
(※ガルパン劇場版CM VTR流れる)
さぁ、スタッフの皆さんも、そして、新人声優賞の渕上様もアライッペも、どうぞもう一度ステージの方にどうぞ。
(拍手)

【杉山潔】
大洗の人たち上がってください。

(※各員登壇)
(※小谷町長、アライッペに軽く握手)

【司会(吉川美代子)】
さぁ、それではガールズ&パンツァーの選考理由を川崎選考員よりお願いいたします。

【川崎由紀夫】
おめでとうございます。(杉山Pに対し)えー、お仕事の方は大丈夫・・・?
すみません、余計なことを(笑)
えー、おめでとうございます。あの、この作品はですね、非常にセリフのテンポの良さ、それから戦車の描き方の精密さ、そして大洗の非常にリアルさですね。
これが非常にファンの人たちの気持ちをしっかりと捉えて、映画としてのクオリティも非常に高いものだというふうに思いました。
やはりあの、番組を映画化するときに一番悩むのは、ファンの人たちの期待値が映画の場合は非常に上がりますので、その期待にやはりあの見事に応えられたというふうに思っております。
これもスタッフの方々の熱意とこだわりの、非常に勝利と言いますか、そちらを感じた次第でございます。
本当におめでとうございました。

【司会(吉川美代子)】
では、常盤様、杉山様には川崎選考員よりトロフィーが贈られます。

(※川崎選考員より常盤さんにトロフィー贈呈)

【司会(江木俊夫)】
では、受賞された喜びのコメントを常盤様、杉山様宜しくお願い致します。

【杉山潔】
はい、えー、バンダイビジュアルのプロデューサーを務めております杉山と申します。宜しくお願いいたします。
今日は本当にどうもありがとうございました。

【常盤良彦】
その杉山さんと一緒に大洗町と『ガールズ&パンツァー』のパイプ役といったらいいんですかね?

【杉山】
そうですね。はい。

【常盤】
はい。というと、綺麗なんですけども、杉山さんにこき使われています。(杉山:いえいえ(笑))
大洗クリエイティブマネジメントの常盤と申します。宜しくお願い致します。

【杉山】
えっとー、サンクチュアリ作品賞ということで地域との活性化という話はいただいているんですけども、ちょっとあのー、きちんと御説明を短時間でしなきゃいけないかなと思っているんですが、実は元々、その、今となっては、地域振興の一つのモデルケースみたいに言っていただくことが多いんですけれど、元々はそういうつもりではまったくなくて、私どもとしてはリアリティを追求するために実在の町を壊す必要があったものですから、壊させてくださいというお願いに行ったというのが最初ですね。

【常盤】
そうですね。それで、私が各役場とか公共交通機関にお願いしにいったという形ですね。

【杉山】
なので、最初は、みなさん地域の方々も、ま、このおじさんもですね・・・

【常盤】
おじさん云わないでください。この場で。

【杉山】
(笑)えー、町を使わさせてくださいと云ったら、「は?」っていう感じだったんで、多分、何が起きるか全く分かってなかったと思うんですけども。
でもまぁ、どうですか?でも、正直ですね、TVシリーズを始めるときには、まったく原作のない作品だったので、いま非常にその沢山のお客・・・ファンの方が大洗来てくださっているんですけども、現状のようになるなんてまったく予想もしてなかったんですけども。

【常盤】
あのー、すみません、この場で云うのも何なのですが、普段、こんな堅い二人じゃないんです。ですから、今日、すごく緊張してまして。

【杉山】
そうですね。

【常盤】
いつのも通りいったらいいんじゃないですか?

【杉山】
あぁ、そうですね(笑)

【常盤】
あのー、とても、この作品はですね、私が一番思うのは、ファンの方に、ファンの方と町の商店街の方が一緒に楽しんでいただいているというのが一番嬉しいです。

【杉山】
そうですね。元々はね、作品としてやっぱり・・・作品として認知されて人気が出ないと、そこに行ってみたいという風には思わないと思うので、やっぱり今回の劇場版も、大変ありがたいことに先日、興行収入で20億を超えるというですね、(常盤:はい、おめでとうございます)まったく予想をしていない事態になりまして。
それはとても嬉しかったんですけど、それはやっぱり、いい作品を創ったファンの・・・あ、ごめんなさい、スタッフの努力の賜物だったと思うんです。
で、その作品の舞台になった大洗に遊びに行きたいと思って、行ってくれたファンの人たちを大洗の人たちがですね、実はここにいっぱい並んでるんですけど、これ、大洗の商店の皆さんだったりするんですね(笑)
この方々が・・・普段こんな恰好してないんですよ?もっとラフな格好してるんですけど、やってきたファンの人たちをとてもフランクにもてなしてくださるという。実は商店のおばちゃんおじちゃんまで、作品のことちゃんと知ってて、キャラクターの名前も知っていて、どういう物語か、特に先程、そこにいらっしゃるですね・・・大里さん、大里さん。(大里さんを手招きする)
戦車が突っ込んだ肴屋本店という割烹旅館の若旦那なんですけど、この割烹旅館は劇場版を社員研修として、全員で観に行ってくださったりとか。そうやって、地域で非常に盛り上げてくださったということなんですね。
いまちょっと、写真が出たりするんですかね?はい。これは、今年のね・・・

【常盤】
海楽フェスタですね。3月20日にやったイベントですね。

【杉山】
これだけのお客様が来てくださるようになりました。
でも、こんなことホントに思ってなかったですね。

【常盤】
予想もしてなかったですね。

【杉山】
もう一枚ありますね。もう一枚あると思うんですが。
はい。あ、これは、去年のあんこう祭。

【常盤】
なんか、一番こちら側にちょっと違う方が映ってますけども。

【杉山】
格闘家の蝶野正洋さんも応援大使ということで、応援してくださっているんですが、こういう形でイベントをするたびに、これだけのお客様に来ていただいているんですけど、これもやっぱり町の人たちが支えて下さったからだと思うんですね。

【常盤】
はい。杉山さん、たくさん伝えたいことあると思うんですけど。

【杉山】
はい、時間が無いですね。

【常盤】
おそらく時間が結構押していると思うので。

【杉山】
まぁ、でもホントに一言いまの、この状況になったことに対して一言ちょっと。

【常盤】
あ、はい。えっとー、私、アニメのことをなにも知らずに、杉山さんのお手伝いをするうちにですね、ファンの方、そして商店街の方、みなさんと仲良くなれて。
で、渕上さんも私たちのことホント信頼してくださって、いつも大洗町に来ていただいてありがとうございます。
そして、私たちの活動にいつも快く協力していただきます大洗町の小谷町長と商工会の坂本事務局長、本当にありがとうございます。

【杉山】
で、あの、もう一つ附け加えます。商工会とそれから商店の方々だけではなくて、地元の若い人たちが、いまはKGOと云っていますが、当時「勝手にガルパン応援団」というですね、ボランティア組織を作って、キャストの皆さんのアテンドなんかを全部やってくださっています。
えっと、KGOは何人か来てるのかな?はい。KGO前に出て。
(※KGOメンバー一礼)
こういう人たちがですね、本当に無給で、なにくれとなく、朝から晩まで色々準備をしてくださっています。
こういう人たちに支えられていただいた賞だというふうに理解していますので、是非、ちょっと気になった方は大洗に来てください。
美味しいものいっぱいありますので。

【常盤】
そうですね。

【杉山】
はい、温泉もありますのでですね。
それと、商店街歩いていただければ、映画で壊された場所がいっぱい出てきますので。
是非、そちらの方を楽しんでいただければと思います。
本当にこの度は素晴らしい賞をいただきまして、ありがとうございました。

【常盤】
ありがとうございました。

【杉山】
心から感謝します。ありがとうございます。

【常盤】
あと、花束の方は。

【杉山】
あ、そうだそうだ。いけない。忘れてた(笑)
渕上さん、誕生日なんですよね?

【常盤】
27日ですか。

【杉山】
27ですけど、はい。
(※坂本事務局長が渕上さんに花束を渡す)
いけないいけない、大事なことを忘れてました(笑)
それともう一つ大事なことを忘れていました。今日、25日ですけども、27日にブルーレイとDVDが・・・

【常盤】
あ、宣伝ですね。ここでね(笑)

【杉山】
ちょっと、出して下さい。すみません、私の仕事なんで。こういう形であさってBDとDVDも発売になりますので、(常盤:楽しみにしています)是非、お買い求めいただければありがたいです。宜しくお願い致します。はい(笑)
本当に今日はどうもありがとうございました。

【常盤】
ありがとうございました。

【司会(吉川美代子)】
常盤様、杉山様本当におめでとうございました。そして、渕上様も御誕生日おめでとうございます。
スタッフの皆様、大洗町の皆様、そしてアライッペ、ありがとうございました。それでは、皆様どうぞお席へお戻りください。

***************************

以上です。

渕上舞さんにおかれましては、第25回日本映画批評家大賞新人声優賞受賞、まことにおめでとうございます。
また、杉山潔さん、常盤良彦さん、大洗町の皆様、そして『ガールズ&パンツァー劇場版』関係者の皆様におかれましては、サンクチュアリ作品賞の受賞、まことにおめでとうございます。
いちガルパン、大洗ファンとして改めて心よりお慶び申し上げます。

渕上さんのコメントを聴いていると、胸が熱くなる思いがしました。
また、杉山さんが仰っていましたが、サンクチュアリ作品賞はガルパン関係者とそして大洗町の皆様とそられを愛するファンの方々が紡ぎだして受賞した賞のように思えます。
それら人々の「想い」を御推察するとたいへん胸が熱くなる次第であります。

ガルパンという素晴らしい作品と大洗町という素晴らしい町に出逢えたことを関係者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。

末筆ながら、皆様のこれからのますますの御活躍と御健勝を、そして大洗町のますますの振興・発展を衷心よりお祈り申し上げます。

国営の漫画喫茶はいらない

2009-06-14 18:19:01 | 漫画・アニメ
麻生首相の政策で私が唯一といっていいほど批判したいのが「国立メディア芸術総合センター(仮称)」の建設だ。
なにゆえ、117億円もかけて国営の漫画喫茶とも揶揄されるハコモノを作るのか理解できない。
こんなもの作って喜ぶのは官僚と一部の漫画好きだけだろう。
こんなことでは官僚の言いなりとの謗りを免れない。

だいたい、私は国が漫画やアニメに興味を示すことそれ自体に反対だ。
日本の漫画やアニメがなにゆえ世界中を席捲するほどに興隆を極めたか、一言で言えば国が関与しなかったからだ。(ここでの国は政府や行政を指す)
およそ文化というものは国が関与するとろくなことがない。
国が関らないところで、文化は育まれ洗練されてゆく。
昨今の漫画・アニメはその最たるもので、民間の職人と大衆が築き上げた日本の一大文化である。
もっと褒めれば、今現在、日本が唯一世界に発信してなおかつ大好評を得ている文化ともいえる。
あれだけ反日をやっている中国でも日本の漫画・アニメは別で皆、熱を上げて観ている。
中共政府はそれを快く思っていないようで、様々な形で規制をかけようとしているが、却って政府に対する反感を買う結果になっている。
「萌え」という言葉も広がっていて、中国のメイド喫茶(これも日本から輸入された文化だ)では支那人のメイドさんが慣れない日本語で「萌え」と云っていた。
反日国家中国を親日に転ずる鍵を握っているのは日本の萌え文化と言っても過言ではない。
その他の世界で日本の漫画・アニメがどのように広がっているかは稿を改めて書くとして、ともかく文化は国から離れたところでこそより大きく成長するということだ。
反対に国が目をつけてしまったらすなわち衰退の始まりといってもいい。

というと、歌舞伎や能はどうなんだとか、もっと遡って平安文化は国と密接に関っていたではないかと反論されそうだ。
なら、「サブカル文化」と言い換えよう。
つまり、漫画やアニメは本来、サブカル文化であって、決して教科書に載せていいようなメインカルチャーではない。
それが、いまやメインカルチャーの地位を得ようとしているので問題だともいえる。
たしかに、これほど国内はもとより世界中に広まりもすればメインカルチャーのようだが、それでもやはり漫画・アニメはサブカルチャーであるべきなのだ。

いたづらに国が主導で漫画・アニメを広めようなんてしたら、漫画・アニメに順序をつけてしまうことになる。
言い換えると、政府推薦の漫画とそうでないものに分けられてしまうのだ。
何が言いたいかというと、政府推薦の漫画がそうでない漫画より面白かったり上だったりする道理はなく、もっといえば、政府非公認の漫画がこの世から消し去られてしまう危険性がある。
いや既にその動きは始っていて、萌え文化に目をつけてしまった政治家の一部はケシカラン漫画やゲームがあると云って規制にやっきになっている。
今後こういう動きはますます強まるだろう。
悪貨は良貨を駆逐するという言葉があるが、サブカル文化においては悪貨が良貨を下支えすることがあるのだ。
良識的な観点から悪貨を駆逐すれば良貨の質にかかわる。
こういうことを賢い賢い野田聖子あたりにいくら説明しても理解しないだろう。
政治家のような愚かな人種にサブカル文化が理解できるはずがないのだ。

さて、この国立漫画喫茶に反対する漫画家に牧村しのぶという人がいる。
文化面からの弊害も語ってくれるのかと思いきや
「漫画家も読者も日々の生活が苦しい中、ハコモノと天下りが残るなんて最低のギャグです」とのコメントで、ちょっとずれている。
それ以上にずれているのが御自身のブログで小沢一郎を「プリンセス小沢」と表現して持ち上げる美的感覚と言語感覚だ。
牧村さん、自身の漫画が売れなくて苦しいとのことだが、売れない理由がなんとなくわかる気がした。

アニメ「ヘタリア」放送中止

2009-01-18 03:53:02 | 漫画・アニメ
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090116-OYT1T00912.htm


アニメ版『ヘタリア』が放映中止になったとのニュースが飛び込んできた。
放映元の「キッズステーション」は中止理由を「諸般の事情」と発表しているが、読売新聞の報道にあるように「韓国人を侮辱する内容」が含まれると疑う韓国側に配慮したとみられる。

『ヘタリア』は各国を擬人化したキャラクターたちが登場するギャグ漫画。
タイトルの『ヘタリア』はヘタレなイタリアが主人公だからで、公式サイトによるとイタリアの説明には

「作中では兄貴と区別してヴェネチアーノとも。女の子とパスタが大好きな陽気でちょっと泣き虫なラテン息子。なにかとドイツ頼ってくるが、ドイツのいうことはあんまり聞かない。(略)
美的センスはローマ爺ちゃんに似て絵を描いたり歌を歌ったり、服デザインしたりするのがすごく好き」


とある。日本は

「東洋に浮かぶ武士の国。
物静かで真面目、ちょっと堅物なせいか周りに振り回され気味。
機械いじりと絵画が得意。
島国なのに加えて、ひきこもっていた時期もあったせいか独特の文化と雰囲気を負っており彼が普通だと思っていることはだいたい普通じゃない」


と説明されていて、ドイツなら「生真面目で苦労性な青年」、アメリカは「明るくパワフルで正義感が強い青年」という具合。
http://www.geocities.jp/himaruya/char.html

この中で韓国はやたら日本につっかかってきたりなんでも起源を主張したり、中国を兄貴と呼ぶちょっとテンション高めの「「~だぜ!」口調のゴーイングマイウェイ青年」に描かれている。
これに対して本物の韓国人が怒った。
はじめ、ネットユーザーが騒ぎ出し、今月十二日までに既に1万人を超す署名を集め、十三日にはハンナラ党の鄭美京議員が国会の独島領土守護対策特別委員会で『ヘタリア』について、「個人対個人として見れば犯罪行為にも等しい」と述べた。

しかし、いくらなんでも騒ぎ過ぎだ。
こういう類のエスニックジョークは世界中にあるし、たしかに韓国人にとっては不快なことかもしれないが、『ヘタリア』での韓国の描き方はちっとも悪意がない。
どころか、かなり可愛く描かれているくらいだ。
それに、日本につっかかってきたり、何でも起源を主張したり、中国を兄とする小中華思想を持っている(少なくとも持っていた)ことは事実といっていい。
第一、アニメ版の『ヘタリア』には韓国は登場しない。
これじゃあなんの為にアニメを中止させたのかも良くわからない。
なお、この『ヘタリア』。御覧になった方はわかると思うがかなり腐女子向けの内容だ。
だから、今回の件で韓国は日本の腐女子を敵に回したなんて意見もあるがそれについては今はおく。

興味深かったのはこの騒動に対するネット上における支那人の感想。
http://world.huanqiu.com/roll/2009-01/344281.html
http://fsokuvip.blog101.fc2.com/blog-entry-1072.html
上記サイトによると「この作者は韓国のことをよく理解している」「韓国に対するイメージはやっぱりかなり的確」という作者の韓国観に同意する書き込みに始まり、「卑しい韓国」とか「韓国人はまさにこんな劣等民族」「韓国人は厚顔無恥」など韓国を罵倒する書き込みが相次いでいる。
また、面白いのは「兄というのは近すぎる」という書き込みが多いこと。
これは、儒教文化圏においては歳上であるほど偉くなる。
だから兄というのは歳が近すぎで「お祖父さんと呼べ」とか「祖先と呼べ」となるわけだ。

最近、歴史観をめぐって中国と韓国が対立をしていることは知っていたが、ネット上でここまで嫌韓が進んでいるとは驚いた。
嫌韓は日本だけの現象ではなく、支那でもまたしかりということか。
(あくまで特定のサイトの反応だけであるが)
ところで、友人の支那人に「中国人にとって韓国ってどんな存在?」と問うたところ、「どうでもいい。とるに足らない存在」なんて答えが返ってきた。
日本人と違って韓国に変なコンプレックスがない分、あんな小国あまり相手にもしたくないということだろうか。

エスニックジョークは度が過ぎれば民族差別につながりかねない。
そういう類のジョークならば抗議してしかるべきだが、ささいなことでいちいち騒ぐならそれは民族としての器の小ささを証明することになる。
その点、日本人はナイーヴなほどエスニックジョーク、いや民族差別についてあまりにも無頓着。
世界各国に日本人を笑いのネタにした作品があふれているが、その存在にも気づいていない。
どころか、気づいても日本人の場合その外国人と一緒になって日本人を嗤ったりする。
韓国のあの敏感さを十分の一くらいは見習っていいのかもしれない。

宮崎駿はクソジジイだ

2008-11-29 00:12:33 | 漫画・アニメ
首相のマンガ好き「恥ずかしいこと」 宮崎駿監督発言でネット大混乱(見出し)

(略)
宮崎監督は現在の子供達の環境がアニメ、ゲーム、携帯、マンガなどバーチャルなものばかり。そんなバーチャルなものが子供達から力を奪い取っている、と指摘した。そして、「自分達のアニメの仕事も同様で、それが自分達の抱える大きな矛盾。その矛盾の中で、何を創ればいいのか、いつも自分たちに問い続けながら、映画を作っている」と語った。
麻生氏がはアニメ好きだと大々的に公言していることについてどう考えるかと聞かれた
宮崎氏は、「恥ずかしいと思う。それはこっそりやればいいことです」
と答えた。(以下略)


J-CASTニュース 2008年11月21日 20時07分
http://www.excite.co.jp/News/it/20081121/JCast_30823.html



いつものように少し古い話題だが、宮崎駿発言が話題を呼んでいる。
記事によるとネット上では「宮崎監督の発言の真意を巡って大混乱している」という。
この記事を読んで、宮崎発言を聴いて混乱をおこしている人はよほど宮崎駿という人物を知らないのだなと思った。
駿(私は愛着をこめていつもこう呼んでいる)がオタク批判をするのは今に始ったことではない。

スタジオジブリ関係者は
「麻生首相はマンガ好きであることを、若者に対する自らの政治アピールとして使っている。アキバに行って『オタクのみなさん』などと演説したりなど、見るからに、マンガを強引で露骨に全面に出しているのは、行き過ぎではないか、と批判しているのだと思います」(同記事)
と釈明しているが、駿は昔からアニメや漫画ばかり見ているオタクが嫌いで有名だ。

たとえば、『千と千尋の神隠し』がベルリン国際映画祭で金熊賞を授賞した時の記者会見で以下のような発言をしている。


・・・日本のアニメーションが世界いっぱいに広がっていったら、恥をかくだけの道具でもあることを忘れないでほしいと思います。
(略)
事あるごとに、「(アニメビデオを)あまり観せないで下さい」と言っているつもりなんですが、「うちの子は1日に3度は必ず『トトロ』を観ます」という母親の方などに会うわけです。

(トトロを観ている間に)この子は、本当ならどれだけの体験ができたのかってね。
トトロに抱きついて、ブラウン管にキスしたって何も生まれることはないんですよ。
『トトロ』のパッケージに「誕生日にだけ観せて下さい」と書けば良いのかもしれませんけども。
そんなことをやってて、まともな子供が育ったことはないんでね。それは人も殺すし、バットで人を殴りもしますよ!
そんなあたりまえの事を、なんで大新聞は指摘しないんだろうと思うんです。

※括弧内、あび卯月註。 (『アニメージュ』2002年4月号、13-14頁より抜粋)



これ、知らない人には結構衝撃的な発言だと思う。
まづ、日本のアニメが世界に広がってゆくのは恥だなんて云って、アニメばかり観ているとまともな子が育たないと説く。
いや、まともな子どころか、人を殺したりバットで殴ったりするらしい。
あまつさへ、そういうことをもっと新聞は指摘するべしと言っているのだから恐れ入る。
この言、「俗流若者論」の批判で有名な後藤智和さん(註)あたりが聞いたらなんと仰るか、伺ってみたいものだ。

さらに携帯電話、ゲームやパソコンについても厳しい。


お母さんは携帯をかけていて、子供は横でゲームをやっている。
こんなだらしない国になるなんて、いったいどうなちゃったんだろうと思うんです。

ナイフも使えないのにパソコンのキーだけ押すようになって・・・・・・こんな民族が健康に生きていくはずないじゃないですか、そんなの分かりきったことじゃないか!

(前掲書、14頁より抜粋)


やたらと「!」が多いが、駿が本気で怒っていることの表れだろう。
これらの発言の方が記事になっている発言よりもよほど問題だと思うが如何か。
逆に云うと、これらの駿の発言をしっていれば、今回の発言など驚くに足らないのである。

一応、私の意見を書いておくと、日本のアニメや漫画が世界に広がっていくのは日本のオタク文化が世界を侵蝕しているようでなんだかとても愉快な気がする。
世界中が汚染されてゆく感じがすごく楽しいわけだ。
アニメばかりみているとろくな大人にならないというのも条件附きで同意。
人殺しはいいすぎだけど、ファンタジーばかりでマトモな人間は育たない。
あと、ケータイやゲームも程度の差こそあれ、年寄りがそういう現状を嘆きたい心情は理解できる。


さて、以上のような発言からもわかるように宮崎駿は思想傾向にかなりクセのある人物だ。
『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』などの作風から駿をやさしいおじいさんと思っている方もおられようが、はっきりいってかなりクセのあるクソジジイだ。
知らない人のためについでに書いておくと、『千と千尋の神隠し』なんかもあれ、実は性風俗のお話なのだ。
あの映画を観て勘のいい人は直ぐに気づいたと思うが、だらしない親(まぁ、借金でも背負ったのでしょう。作中では食べちゃいけないものをたべて豚になる)のために「人とちゃんと挨拶ができないような女の子」が頑張って性風俗産業で働いて成長するという隠喩になっている。
湯屋とはつまり娼館(いまの言葉ではソープランド)で、千尋が千になるのも源氏名だから。
お客が男の神様ばかりだったことについても、もはや説明の必要はないだろう。
宮崎駿自身はなぜ風俗産業をモチーフにしたかについて
「今の世界として描くには何がいちばんふさわしいかと言えば、それは風俗産業だと思うんですよ。日本はすべて風俗産業みたいな社会になってるじゃないですか」(日本版『プレミア』の2001年6月21日号)
と語っている。

やはり、宮崎駿はクソジジと云わねばならない。
そして、そういうクソジジイだからこそ多くの人を惹きつける作品を作り出すことができるのだと私は思っている。


*****
註:後藤和智とは平たく言えば若者に対するあらゆる悪口を批判している学生さん。
ウィキペディアには「日本の評論家」とある。
学生の分際で「評論家」だなんて、この稿を編輯した人はよほどいぢわるな人とみた。


少し長い補足:(語り口調で)

念のために書いておきますが、私は宮崎駿監督が嫌いなのではありません。
まして、悪口を書いたつもりもありませんし、クソジジイというのも愛情表現のようなものです。
かといって好きかというと、それは「べっ、別にあんなじーさんのこと好きじゃないんだからっ!」と云わざるを得ないのです。
アンビヴァレンスと云う言葉がありますが(同一の対象に対して相反する感情を同時に抱くことを云うのですが)、私にとって駿はそういう存在なのです。
作品をみてもわかりますとおり、彼は天才です。
アニメーターとしての才能もおそらく日本で一番なんじゃないでしょうか。
ジブリ作品も最近のものは観ていませんが、ほとんどが好きな作品です。
特に『カリオストロの城』『ラピュタ』『トトロ』『魔女の宅急便』あたりは何度見ても面白い。
ところが、一方で、宮崎駿個人が好きかというとやはり、私の思想とは相容れない箇所が多々あるのです。
彼は根が左翼ですから、そういうところもちょっと合わないのかも知れません。
左翼といっても古い左翼ですから、今のサヨクよりもよほど共感できる部分は多いのですが、ちょっと極端なところがあるんです。(私にも言えることですが)
例えば、彼は「いまはプロが力を無くしている時代なんです」と云って、基本的にプロの声優を使いません。
私は「プロが力を無くしている」というのは一面的には事実だとしても、それゆえに声優を使わないというのはちょっと極端と言うか、論理の飛躍があるように思えてならないのです。
上のアニメばかり見ていると人殺しになるというのもそうですが、そういう極端なところがちょっと私の肌とは合わないなというのが確かにあります。
つまるところ、尊敬はするけども肌が合わないというところでしょうか。
だから、決して嫌いでも好きでもない。
「クソジジイ」という表現もそういうクソあび卯月の心情を踏まえた上で御理解していただければ幸いに存じます。

エロゲーは危険な社会を作り出す凶器?

2008-10-23 00:56:37 | 漫画・アニメ
「エロゲーは危険な社会を作り出す凶器」――規制を求める請願、衆議院に

「アダルトゲームで青少年は心を破壊され、人間性を失う」「ランドセルを背負った小学生の少女をイメージしているものが多く、幼い女の子にとって極めて危険な社会を作り出す凶器となる」――アダルトゲームやアニメ、雑誌の規制を求める請願が衆議院に提出されている。
「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」で、10月3日に受理された。紹介議員は村井宗明議員(民主党)。
アダルトアニメゲーム・雑誌は「幼い少女達を危険にさらす社会を作り出していることは明らかで、表現の自由などという以前の問題」と指摘し、製造・販売について罰則を伴った法律の制定を求めている。1万449人の署名も添えられている。
一方、児童ポルノ禁止法について、新たに単純所持の禁止などを追加する改正の動きに対し、慎重な議論を求める請願も、255人の署名とともに衆議院に提出されている。紹介議員は保坂展人議員(社民党)。
 児童ポルノ画像や映像の所持・取得に罰則を設けることは「多くのえん罪事件や捜査権の乱用、プライバシー侵害や行き過ぎた監視国家化が引き起こされる」と主張し、新たな罰則を設けないよう求めている。児童ポルノの定義を明確なものにすることや、イラストを同法に含めないことも求めている。
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/20/news067.html


「アダルトアニメゲーム・雑誌は幼い少女達を危険にさらす社会を作り出していることは明らか」って村井宗明議員とやらは何を根拠に言っているんだろうか。
ここに次のようなデータがある。


--------------------
年別の強姦件数
エロゲー他(ガス抜き)がない時代とある時代の比較(件/10万人)

・エロゲー他(ガス抜き)がない時代
 1959年 強姦[22.96] 団塊世代 10~12歳
 1961年 強姦[20.65] 団塊世代 12~14歳
 1963年 強姦[19.18] 団塊世代 14~16歳
 1965年 強姦[21.77] 団塊世代 16~18歳

・エロゲー他(ガス抜き)がある時代
 2006年 強姦[ 0.91]


国別の強姦件数
ガス抜きができない国とできる国の比較(件/10万人)1999年~2000年

 カナダ  78.08件  単純所持禁止   二次元禁止
 アメリカ 32.05件  単純所持禁止   二次元禁止(ただし違憲で無効)
 イギリス 16.23件  単純所持禁止
 フランス 14.36件  単純所持禁止
 ドイツ  9.12件 単純所持禁止
 ロシア   4.78件
 日本    1.78件
--------------------


これを見る限り、幼い少女達を守るためにはむしろ「アダルトアニメゲーム・雑誌」はあった方がよい良いように思える。
それに、いわゆるエロゲーがすべて反社会的な内容とみなすのは軽率だろう。
確かに、エロゲー雑誌をパラパラめくってみると「なんじゃこりゃ」といいたくなるような内容のものも多くある。(註1)
例えば、幼女を強姦するなどの内容は反社会的というか犯罪であるし、私も眉を顰めたくなる。
その一方で、『カノン』のような感動的なストーリーのものもあることも事実で一概に「エロゲー=幼女強姦、犯罪、反社会的」というわけではないのである。
これは同人誌にしても同じことがいえる。
また、上に掲げたデータが示すように反社会的な内容のものにしてもそれが「幼い少女達を危険にさらす社会を作り出している」という論理は説得力に缺ける。

それにしても、最近、改正児ポ法やエロゲー規制なんかに反対ばかりしているから、「あび卯月はどんだけエロゲー好きなんだ」と思われる向きもあるかもしれないが、私は別段エロゲー好きではない。
というより、私はゲーム自体をほとんどしないし、エロゲーに至っては後述する『つよきす』以外やったことない。
特にロリコン系や凌辱系はそういう属性がないこともあって見るのも嫌なくらいだ。
ただ、別に反社会的だからという理由ではなく、そういう性嗜好がないからというだけで、私自身、年上好き(姉属性もある)でMだから人の性嗜好をとやかくいえる義理はない。
ただ、自分の好みの内容だったにしても後述するようにそういったゲームをプレイしたいという気持ちには駆られない。

さて、私も『つよきす』というエロゲーを持っている。
これは自分で買ったのではなく、もらったものだ。
もっと厳密にいうと、『股人タクシー』や『ゆ・う・え・ん・ち』なんて笑えるタイトルのものも貰っているのだけども、パソコンにインストールしないまま本棚の隙間に埋まっている。
ついでにいうと、『つよきす』(PC版)すらもまだ一度もクリアしていない。
(私にくださった方、せっかく戴いたのに本当にすみません!)
なんというか、そもそも恋愛シュミレーションゲームに興味がない。(註2)
『つよきす』は元々アンソロジー漫画を読んで面白かったので、じゃあゲームもやってみるかと、まずPS2版(これはエロ無し)を買った。
その時、妹から「なんでエロ有りの方(PC版)を買わなかったんだ!」と叱られたのは有名な話。
で、『つよきす』PC版は乙女さんルートとカニルートをクリアした。
紙芝居を読むのは面倒だったけれど、随所に散りばめられたギャグがなかなか楽しめた。
たとえば、フカヒレ(鮫氷新一)というキャラの声優さんはベジータの声をやっていた人と同じ。
だから、作品中で「はんっ、きったねー花火だ」なんてセリフを吐かせていた。

以下、私がギャルゲーを好まぬ理由について某所で書いたものをそのまま転載する。

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私はギャルゲーとかエロゲとかそういう恋愛シュミレーションゲームの楽しさがよくわからない。
『つよきす』は作中にちりばめられたパロネタが面白いというのはわるのだけども、あの会話を読む作業が耐えられん。
だから、私が『つよきす』好きというのは本編よりはアンソロ本などを読んだことによる。
本編のPS2版すら半分は妹にやらせて全部やっていないし、PC版に至っては一度もクリアしていない。
そもそも、ギャルゲは自分でやることといえば選択肢を選ぶことくらいで、あとはほとんど読むわけで、これが圧倒的にツマラナイ。
なら、初めからアニメかラノベにすればいいのにと思う。
そして、たいてい主人公に共感できない。
なんか、精神的に病んでいたり、わけもわからずモテたり非現実的すぎて、なんかイラっとくる。
ストーリーも大抵は陳腐なものだ。(あぁ、問題発言を・・・)
エロゲに関してはみなエロ目的でやるのだろうけど(違う?)、ならCGだけどっかで集めればいいのにと思ってしまう。
(エロゲファンにぶん殴られそうな発言ですね)
もっといえば、パソコンでゲームをするという習慣が無いというのもあるのかも。
何だかんだいいましたけど、私はギャルゲもエロゲもあっていいと思うし、そういうのを規制しろという勢力には真っ向から反対する立場です。
-----------

マイミクの方々でギャルゲーが好きな方すみません。
でっ、でも、ギャルゲーが悪いとかは一言もいっていないんだからね!(ツンデレ?)
いや、むしろ、私ははそういうものはあるべきだと思っている。
日本文化は多様性の文化である。
メインカルチャーからサブカルチャーまで幅が広い。
そしてその幅広さ、多様性がメインカルチャーを足元でささえているのだ。
漫画文化に例えていうなら、エロゲーやら同人誌やらが栄えているからこそ、世界的に評価されるような素晴らしい漫画作品が数多創造されるのである。
猥雑だからとサブカルチャーの方を切り捨てるとこうはいかない。

そんなわけで文化的な意味でもエロゲー等の規制は反対いたします。
(これを言いたいが為に余計なことを随分書いてしまったような・・・)


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註1:余談だが、エロゲー雑誌を見ていて今までで一番笑ったのが『人妻大相撲』というやつで、なにやら相撲のまわしを着用した人妻が描かれていた。
世の中には様々な性嗜好を持った人がいるのだなと感心させられる。
・・・本当に余談でしたね。
註2:以前にも書いたように大谷育江さんの声が聴きたいがために『ときメモGS』を買ったことはある。

「萌え」を教科書に載せてはならない

2008-03-27 02:03:58 | 漫画・アニメ
大修館書店(東京)の現代文で四方田犬彦氏の評論「『かわいい』現象」を採用。文中の「萌(も)え」には「アニメやゲームなどのキャラクターに対する深い思い入れ、興味を表す語」と注釈をつけた。人気キャラクターに扮(ふん)するコスプレ(コスチュームプレー)の写真も掲載。編集者は「ある種の冒険だが、現代を考える上では必要な視点」と話す。

【2008年3月26日附 「毎日新聞」より】



この記事を読んで私はほとんど怒りに近いものを覚えた。
順を追って説明すると、私はかつて(そうオタクブームという奇妙な現象が起こる前)「萌え」という言葉を解説・称賛する小文を書いた事がある。
長くなるが、重要な箇所を引用する。


・・・
「萌え」とは本来、二次元のキャラクターを愛でる際に用ゐられてきた。
それも、どちらかと言ふと「熱烈に愛する」といふやうなニュアンスが強かつたと思ひます。
ところが、次第に意味が広がり二次元でなくとも萌えは使へるようになり、
強い愛情というよりも「好き」と「愛する」の中間的な意味で用ゐられてゐるのが現状だと思ひます。
具体的な解釈を求められますと、私は
「ある対象を愛でる感情。主に二次元人や美少女に対して向けられる。
 好きといふ感情とは微妙に違ひ、一種の幽玄さを伴ふ。好きよりも更に深みのある感情。」

などと答へます。つまり、萌えは日本人がもつ特有の感性に由来してゐると考へます。

何故、日本のアニメや漫画が世界中でヒットするのか。これは、萌えとふ感情を持つてしてのことです。
この繊細な感性があるからこそディティールのしつかりした作品が作れるのだと思ひます。
日本のアニメが世界のアニメ市場を席捲してゐることも頷けませう。(漫画も同様)
確かに外国にも良作のアニメや漫画は存在する。ですが、萌えをテーマにしたものは無い。
日本人が外国の作品を観るとどれも大味に感じてしまふのです。
云ひかへると、アクション系の作品を観るなら外国作品が良いと云へませうか。
とはいへ、やはり日本の作品にはかなはないと思ふ。誤解の無いように書いておきますが、
日本のアニメや漫画が全て萌えをテーマにしたものだといふわけでありません。
むしろ、萌えのみをテーマにしたやうな作品はどうかと思ひます。
つまり、”萌え”という感性があるからこそ良い作品が作れるのだといふことであります。
萌えを生み出した感受性の豊かさこそが日本のアニメ・漫画の強さなのであります。

”萌え”は”わび”、”さび”を生み出した日本人だからこそ生み出せた言葉なのです。
ですから今後、萌えを理解できる方々は胸を張つて「私は繊細な感性を持つてゐる。」
と思つていただきたい。平安時代の貴族と同様、風流心を持つてゐる優雅な方なのです。
むしろ、「萌えなどわからぬ」とか「キモイ」などと言ふ輩は風流心のない感受性の低い野暮なやつだといふことです。
別に萌えといふ言葉を他人から「キモイ」とか云はれた覚えはないですが、云はれる前に書いておきました。
今後、「萌え」は「moe」といふ国際語になつてゆくのではないでせうか。
また一つ、日本が世界に発信できるものが増えましたね。
世界の中心で愛を叫ぶのも良いですが、これからの時代
世界の中心で萌えを叫ぶのもなかなか良いかと思ひます(笑)。

平成16年10月6日(水)



正仮名遣ひを使用していて何箇所か間違っているところは御愛嬌。当時勉強中だったのだ。
さて、後半は平安貴族がどうとか怪しいことも書いているが(当然、当時としても本気でそんなことは思っていない)、前半部分のなぜ日本アニメは強いのかについてまでは今でも同じ考えを持っている。

注目したいのは「今後、「萌え」は「moe」といふ国際語になつてゆくのではないでせうか」と半ば冗談で書いていたことが本当になってしまったこと。
いまや欧米人のオタクで「萌え」という単語を知らない人はいない。
先日もフジの報道番組で見たのだが、
最近、中国ではメイド喫茶が流行り始めていて、そこでは日本語が使われている。
入店した客はみな支那語訛りで「モエー!」と言っていた。
台湾やタイでも似たような現象が起きている。
「また一つ、日本が世界に発信できるものが増えましたね」もギャグで書いていたのだ。
それほどに、当時は「萌え」なんて言葉を知っている人はオタクに限られていたのに日本ではすっかり知らない人の方が少数派というほどの一般名詞になってしまった。

私はテレビや一般人が「萌え」を使うようになって我が意を得たりと喜んだか。
実情はまったく逆で自分の浅はかさというか読みの甘さを恥じている。
というのも、テレビや一般人が「萌え」を使うようになって「萌え」という言葉の定義が壊れはじめた。
みな萌えを本当に理解して使っていないし、酷いのになると萌えをエロと同義で使う馬鹿が表れたことだ。

いや、「萌え」が使われ始めたこと自体は大した問題ではない。
「萌え」が一般に知れわたったのはあくまでも象徴的な一例でしかない。
本当の問題はここ数年でメイド喫茶(これが一番マスコミで取り上げられる)をはじめとしたオタク文化が一般に知れ渡るようになってしまったことだ。
最近では「ツンデレ」なんかも取り上げられていて憂鬱になった。
「あび卯月の憂鬱」だよまったく。
オタク文化は一般に晒されてはいけない。
オタク文化はサブカルチャーであり、サブカルチャーであるからこそオタク文化なのであるし、そのサブカルチャー性にこそ良さがある。
したがって、オタク文化が天下に晒されることはオタク文化の興隆ではなく、衰退を意味する。
個人的な愚痴を言えば、声優業界も一般人を取り込むためか、女性声優のアイドル化、メディア露出が以前にも増して顕著である。
オタク業界も商売の為に一般人に積極的にすりよりはじめた。
なんと嘆かわしいことか。

そして極めつけが、今度の「萌え」の教科書掲載である。
コスプレ写真なども掲載しているようで、もはや狂気の沙汰としか思えない。
官までもがオタク文化を「理解」(あくまでも括弧附きの)しようとしているのだ!
いまから予言しておくが、オタク文化は近いうち目に見える形で衰退してゆく。
官から認められたら終わりである。
この「萌え」教科書掲載がオタク文化衰退の記念碑になるだろう。

『ヤッターマン』と声優の重要性

2008-02-26 02:06:19 | 漫画・アニメ
平成版の『ヤッターマン』を今日はじめて見た。
山本正之さんが主題歌を歌わないとかで批判も出ていたが、それ以外は申しぶんのない出来。
特にドロンボー一味の声が変わっていないのは大変嬉しいことだ。

御存知の通り(?)、ドロンジョ様の声は旧ドラえもんののび太をつとめた小原乃梨子さん。
御年七十二歳。
いやはや、あの妖艶なキャラクターの声がのび太と同じ声と思うだけで複雑であるが、七十二という御高齢というのもまた凄い。
で、トンズラーは旧ドラえもんのジャイアンの声優さんと同じたてかべ和也さん。
ドラえもんののび太とジャイアンが共演していることも面白いが、本作では立場が逆転しているのもまた面白い。
(声優オタクはアニメを観るときこういう楽しみ方をしているのである)
そして、ボヤッキーは界王様だったり一反木綿だったりで一言では説明できない八奈見乗児さん。
たてかべさんの御歳も七十三と御高齢だが、八奈見さんはさらに上をゆく七十六。
ドロンボー一味はかくも御高齢なのである。
どうぞ、いつまでもお元気で。

それにしても、やはりアニメは声が大事である。
アニメ作品がリメイクされて声が同じという例は実は少なく、ヤッターマンは例外にあたる。
ドラえもんはリメイクされるにあたって声優陣も一新したが、私はどうも新声優陣の声に馴染めなくて観るのをやめてしまった。
断わっておくが、決して質が低下したとは思わないし、新声優陣もよくやっていると思う。
わさびドラに違和感を持つがが故に、一部の声優オタクには水田わさびさんを叩く向きもあるようだが、私はそれに与さない。
クリカンルパンもまたしかり。
(クリカンルパンについては別に機会をもうけて論じたい)

日本映画の父と言われているマキノ省三は「一スジ、ニヌキ、三ドウサ」と云ったそうである。
つまり、映画は一番目に内容(スジ)、二番目に映像(ヌキ)、三番目に演技(ドウサ)が大切、ということだ。
これをアニメに当てはめると、一スジ、ニヌキ、三コエとでも云おうか。
しかし、私はコエ、つまり声優の演技や声質は映像よりも優先して二番目に大事ではないかと思っている。
あるいは私が単に声ヲタだからそう思うのかもしれないが、ヤッターマンを観てアニメにおける声優の役割の重さを改めて実感した次第である。

『銀魂』は『ルパン三世』の子

2008-02-10 23:40:20 | 漫画・アニメ
木曜日、久々に銀魂をリアルタイムで観た。
いつもはビデオに録画して週末など暇な時にゆっくり観る。
銀魂は現在放送されているもので私が唯一好きなアニメだ。
このことは今までも日記に何度か書いてきた。

で、今週、銀魂を観た時、エンディングのスタッフロールをぼんやり眺めていると、「脚本:大和屋暁」という文字が見えた。
大和屋暁・・・大和屋?はて、どこかでみたことのある苗字だ。
いや、大和屋なんて珍しい苗字だからこそ覚えている・・・。

・・・私は声優ヲタであってもアニヲタではないので(端から見りゃ同じようなものなのだろうが)、アニメの脚本家がどうのとかそういう事情には明るくない。
余程気に入っているアニメの監督などの名前を知っているくらいだ。
クレヨンしんちゃん『オトナ帝国の逆襲』の原恵一監督やでじこの桜井監督とかね。

でもやはり、脚本家となるとまったくと言っていいほど知らない。
そう、知っているのは最近激ハマリしたルパン三世くらいのものだ。
そうなのだ、ルパン三世1st(旧ルパン)の脚本に参加していた人も大和屋という苗字だった!
といっても、まさか同一人物なわけないよな・・・と思いつつ、ウィキで調べてみたところ驚愕の事実が発覚した。

なんと、大和屋暁さんは旧ルパン三世の「魔術師と呼ばれた男」などの脚本を手がけた大和屋竺さんの実の子だったのだ!!
これにはビックリ仰天。
私はかつての日記で銀魂をルパンと並べて称賛した。
どちらも煙草が似合うオトナが出てくるアニメだ、と。
しかし、まさかその二つのアニメの脚本家が親子だとは思わなんだ。

一応、正確に書いておくと、竺さんは旧ルパン三世の全ての脚本を担当したわけではない。
旧ルパン三世の脚本は毎回違う人で竺さんはその中でも二話と七話を担当した。
とはいえ、この二話は珠玉の作品で、旧ルパンのあのハードボイルドでオトナな雰囲気を正しく表現している。

宮崎駿の子、宮崎吾朗は不肖の息子だが、大和屋暁さんは御父上の才能をしっかり受け継いでいるようだ。
しかも、ギャグも出来るのだからある意味なお凄い。
今度、ルパンの新作を作るときは是非とも暁さんに脚本を担当してもらいたいものである。

『孤独のグルメ』新作、読みたかった・・・

2008-01-27 03:35:59 | 漫画・アニメ
『孤独のグルメ』10年ぶりの新作が「SPA!」1月15日号に掲載されていたという。
知らなかった・・・。これは、読みたかった!
明日にでも本屋でバックナンバーを註文してみよう。

『孤独のグルメ』は原作・久住昌之、作画・谷口ジローの漫画。
貿易古物商を一人で営む主人公(見た目は普通の若いサラリーマン)が様々な処で食事をする場面を描いた作品。
グルメと題しているがありがちなグルメ漫画とはわけが違う。
ふつう、グルメ漫画やグルメ番組というと「料理」にこだわる。
素材がどうだとか、味付けがどうだとか、この店は創業何年で云々かんぬん。
そうではなくて、この作品では「食べること」にとことんこだわっているのだ。

例えば、知らない店に一人で入る時、我々は色々なことを考える。
店の雰囲気はどうだ、こんなメニューがあるのか、そして出てくる料理。
食べてみて、「これは意外に旨い!」と思ったり、「少し味が薄いな」「別のメニューを頼めばよかった」「え!?大盛り無料だったの?」・・・などなど一人で様々なことを考えながら食べるのではないだろうか。
そういう時、人は小さな哲学者になっている。
なんて、ちょっと大袈裟だけども私はこの主人公にとても共感を覚える。
まさにそういう食事の仕方が大好きだからだ。
この楽しみは大勢では無理だ。勿論、二人でも。
一人で孤独に食事をする時にしか味わえない楽しみ。
それこそが「孤独グルメ」である。

このような食に対するこだわりを書かせたら久住昌之先生の右に出るものはいないだろう。
古い作品では「夜行」(扶桑社文庫『かっこいいスキヤキ』所収)にその原型を見ることが出来る。
「夜行」は夜汽車の中で独り駅弁を食べる男の話だ。
このときの御飯とおかずのせめぎ合いが本当に楽しい。
のちに「世にも奇妙な物語」で映像化もされている。

ところで、ふだん久住先生は泉晴紀先生と組んで「泉昌之」名義で漫画活動をやっている。(「夜行」もその作品の一つ。)
本作では谷口先生が作画をつとめたが、本作の作品観にはギャグっぽさが無く、書き込みも細かい谷口先生の作画がぴったりだったといえる。
『孤独グルメ』は今、扶桑社文庫にも入っている。
何度でも読み返したくなる名作である。


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お薦めサイト:

孤独グルメ
http://masan.sakura.ne.jp/htm/kodoku.htm

『孤独グルメ』に登場する店を実際にまわってらっしゃいます。
写真もあってとても楽しい。

煙草が似合うルパン三世

2007-12-09 00:32:05 | 漫画・アニメ
アニメ『ルパン三世』の1stを見た。
ルパン三世の1stは旧ルパンとも呼ばれる。ルパンの服が緑だった頃だ。
のちのルパン三世(つまり服が紅いヤツ)と比べ、ハードボイルドで渋く大人の作品だ。

ルパンは私が小学生の低学年くらい(90年代前半)に再放送をやっていて毎日楽しみに見ていた覚えがある。
幼いながらにルパンの独特の魅力に魅せられていた。
旧ルパンの本放送は1971年だからもうかれこれ三十七年ほど前の作品だ。
今見てもじゅうぶん面白いどころか、今のアニメにはない面白さがある。
エンターテイメント作品でここまで面白く大人を感じさせる作品が今あるだろうか。

次元もルパンも全く煙草が良く似合う大人だ。
いま、煙草が似合う大人はあまりいない。若者に至っては皆無である。
私は煙草を呑む若者が大嫌いなのだが、何故かというと似合っていないからだ。
煙草は子供の呑むものではない。それなりに資格が要る。
幼稚で知性も品格も無いような学生が煙草を呑んでいる場面に出くわすと、「ガキが大人の振りをするな!」と叫びたくなる。
しかも、煙を出して臭いのだから、あんなもの取り締まってしまえ!とさへ思う。

話がそれた。ルパンの話だ。
最近の子供たちは旧ルパンを見たことの無い子が殆んどだろう。
私は幸いにして子供の時分に旧ルパンに出逢うことが出来た。
まったく幸運なことであった。
ルパン以後それを越えるアニメに出逢っていない。
ギャグとかそういうジャンルを別にしたら当然、ルパンに匹敵する良い作品は沢山あるのだけども「大人が見ても面白い」という観点を入れるならばやはりルパンの右に出るものはない。

いま、世界中で日本のアニメがブームである。
アニメと漫画こそが日本が唯一といってよいほど世界に発信してる文化ではないだろうか。
あの反日中国でさえ、日本製アニメは別らしく、みな嬉嬉としてみている。
日本のアニメキャラをテーマにしたコスプレイヤーも中国はもとより世界中にいる。
イラク支援に派遣された自衛隊の給水車には「キャプテン翼」の絵が描れた。
アメリカでもオタクはギークと呼ばれてカッコいいものとされている。
フランスで若者に一番人気の番組は「kawaii」(カワイイ)という名の日本文化(主に漫画、アニメ、音楽、ファッションなど)を紹介する番組だという。
とにもかくにも、日本のアニメ、漫画は世界を席捲しているのである。

では、日本のアニメは本当に面白いのだろうか。
なるほど、確かに面白いと思う。
特に素晴らしい点は様々なジャンルがあることだ。
あるアメリカ人が言っていたが、アメリカのアニメは子供向けのものしかない。
したがって、アニメは子供しか見ないが、日本は子供向けから大人向けのものまであり、
ジャンルが多く、また深いテーマを扱ったものが多い。
これこそが日本アニメの強さである、と。
なるほど、その通りだろう。
私も日本アニメは世界一だと思う。

しかし、しかしだ。
その事実にあぐらをあきてよいものだろうか。
というのも、最近のアニメは子供向けとオタク向けに二極化しているように感じるからだ。
確かに萌えは素晴らしい。私も「萌え」は大好きだ。
(とはいえ、最近「萌え」をちっとも解っていない「萌えモドキ」が氾濫しているのでこの言葉も使用する場合、注意が必要)
が、それを追及するあまりオタク向け作品ばかり氾濫し、『ルパン三世』のような渋いアニメが世に出なくなった。

近頃、煙草に対する風当たりが強いことからアニメでも喫煙シーンは排除されつつある。
それは同時に煙草が似合う大人が出てくるアニメを排除しようとしていまいかと、一抹の不安を覚えるのである。
第一、煙草が健康に悪いからと煙草そのものを滅ぼしてしまおうという発想が幼稚である。
アメリカはその発想のようで(さすが清教徒が作った国だ)、アニメから一切の喫煙シーンが削除ないしは改編されている。
例えばワンピースのサンジが呑んでいる煙草は飴玉に変えられている。
ルパン三世は今の基準で言えば煙草は呑むわ、暴力シーンはあるわでほとんど規制の対象だろう。

やはり、もうルパン三世のような名作は生れないのかもしれない。
絵はやたらと小奇麗になったが、演出や構成の面では殆んど進化していないし、むしろ退化しているようにも思う。
そう考えれば、いまアニメの黄金時代のように言われているけど、
実はアニメの黄金時代はとうの昔に過ぎているのではないだろうか。
それとも私が知らないだけか。
すくなくとも今わたしの心を揺さぶってやまないアニメは『銀魂』のみである。
そうそう、『銀魂』には煙草の似合う大人が出てくる。

『らき☆すた』ファン禮讃

2007-12-03 15:04:12 | 漫画・アニメ
3万4000人の町に「らき☆すた」ファン3500人集結 埼玉・鷲宮

 人気アニメ「らき☆すた」の舞台のモデルになり、アニメファンの“聖地”となっている埼玉県
鷲宮(わしのみや)町で2日、声優らを招いてイベント「『らき☆すた』のブランチ&公式参拝
in鷲宮」が開催され、人口3万4000人の静かな町が、詰めかけた約3500人のファンらの
熱気に包まれた。
(中略)
 熱狂的なアニメファンが多数集まることに対して、近隣住民の反発も予想されたが、事前に
「徹夜禁止」を呼びかけた商工会のメンバーが前夜から警備にあたり、イベント運営では地元の
学生など約20人のボランティアスタッフが協力するなど万全の態勢で臨んだこともあり「トラブルや
マナーの面での問題は特にありませんでした」
「(町の)歳末売出スクラッチカードを(近隣の商店を利用してもらえるよう)あえて『茶屋』以外の
店舗で配布しましたが、『在庫が空になっちゃったよ』と話す酒屋さんもいたほど。今回のイベントに
合わせて用意した特製桐絵馬ストラップについても、きょう用意した2000個がすぐに売り切れました。
あすの一般発売分についても予約が入っています」と、商工会の“狙い”である町おこしにもかなりの
手応えを感じた様子。今後も「地域の活性化につながるのであれば、(同様のイベントを)またやって
いきたい」と話していた。
 また、鷲宮神社の担当者も「多くの方々にお参り頂いた。参加者のマナーが素晴らしく、近所からの
苦情もなかった。神社側からの要望などもよく聞いてくれて助かった」と話しており、前代未聞の
“アニメと神社と地域商店のコラボレーション”はひとまず成功のうちに幕を閉じたようだ。

産経新聞 2007.12.2 18:27



私はオタクのくせに平素オタクの悪口を言っているので味方を撃つこともしばしばである。
最近はハルヒヲタがキモイだのなんだのと、自分のことは棚にあげて妹(私以上にオタク嫌い)と一緒に言いたい放題言っている。
なんてことを書くと誤解を受けそうだが、『かってに改蔵』を描いていた久米田康治先生と同じスタンスといえば理解していただけようか。
つまり、自虐ギャグのようなもので自分のことも含めて悪口をいっているのだ。
ゲーマーズのスタンスとも同じ。

とはいえ、最近は本心で痛罵したくなるようなマナーの悪いオタクが増えた。
周りが見えていないのは昔からだろうが、それでも他人に迷惑をかけたたり、非社会的行動をとるのはどういう料簡かと思う。
具体的な例をあげるならば、麻生太郎が秋葉原に演説に来たとき、ハルヒのコスプレをして軍艦マーチを歌いながら福田康夫の顔が印刷された紙を踏みつけていた男などである。
このような手合いは下品で下劣でどうしようもない馬鹿だ。
この馬鹿のせいで私のハルヒファンに対する印象は急激に悪くなった。
一般人が見たらなおのことだろう。
また、私の妹もわけのわからんオタクにストーカーまがいの行為をされ閉口しているし、 蒼華さんから伺った話では、某声優のイベントで一部、悪質な席取りをしていたオタクがあったそうだ。
いささか極端な例もあげたが、些事を挙げたらきりがない。
ともかくオタクに対して偏見を持ちつつあった私だが、今度の「らき☆すた」記事でその思いを改めた。

MSNの記事では写真も紹介されていて、なんとも和気藹々としていて思わず笑みがこぼれた。
いやはや、らき☆すたファンは立派である。
マナーはきちんとしているようだし、なにより地域の活性化に一役買っている(笑)
いざ、オタクの集まりを取材してすきあらば叩いてやろうと思っていたマスコミは拍子抜けしたことだろう。
特に産経新聞はオタクに対する偏見が強いようで、二日の記事では「関東最古の神社にアニヲタ殺到 地元困惑、キモい絵馬も」(すべて原文ママ)という題を掲げ、しきりにオタクへの偏見をあおっていたが、イベント終了後、冒頭に掲げたような記事を掲載し、悪口を書いた以前の記事は一日をへずして削除された。
いやはや、産経の変わり身の早さにもおどろいたものだが、ともかく、らき☆すたファンのお蔭でオタクへの印象が向上したことは確かだろう。
少なくとも私はすこぶる良くなった。
良く考えてみると、マナーの良し悪しを言うのなら野球ファンやサッカーファン(特にワールドカップの時期に生まれる俄かファン)、さらにはエコバックに行列していたセレブモドキなどの方がよほどマナーがなっていなかったりする。
ワールドカップの時には暴動まがいの行為を起こしていた輩もいた。
ストーカー行為や悪質な席取りをするのもオタクに限った事ではない。
オタクだけ叩くのは酷だろう。

さて、私は『らき☆すた』を見たことがないので(薦めてくださった方々ごめんなさい)、機会があったら見てみようかなと思っている。

ヤンデレとヤンキモ

2007-09-29 23:29:31 | 漫画・アニメ
妹が「あびさんはヤンキモやね」と云ってきた。
「ヤンキモ」とは何かと問うと、曰く「病んでいてキモイこと」と。

・・・
いま、ツンデレから派生した言葉に「ヤンデレ」という言葉がある。
(ツンデレについてはこちらを参照→http://blog.goo.ne.jp/tuneari/e/dce914c598adbeb51df565c51042428c
これは「病んでいる+デレ」ということなのだが、定義は難しい。
先月、出版された『ヤンデレ大全』に詳しく解説されているが、私もまだ完全に理解しきれないでいる。
代表的なヤンデレキャラに『SchoolDays』の桂言葉、『ひぐらしのなく頃に』の竜宮レナ、園崎詩音が挙げられていたが私には「つよきす」のよっぴー(佐藤良美)が解り易かった。
私なりに解釈すると好きな人と結ばれる為に病的な行動をとる、あるいは愛するがゆえに病的な行動をとる、また「恋愛によって精神を病んだ状態・人」ということになろうか。
実在の人物でいうと阿部定や戸川純あたりというと解りやすいかもしれない。
椎名林檎も多分に演技が含まれるとはいえヤンデレ的である。
ストーカー行為もヤンデレの一種であろう。
そう考えるとヤンデレとは厄介なものである。

例えば、つよきすのよっぴーは対馬レオ(主人公)が好きなのだが、レオはよっぴーの親友である霧夜エリカ(エリー)に恋心を抱いている。
よっぴーが下した決断は「・・・あ!そうだ、そうだよ。エリーが綺麗じゃなくなればいいんだ」というものであった。
あゝ、なんと恐ろしい!

ヤンデレも所謂「萌え」の一種なのだろうか。
日本人は古来からどこまでも萌えを追求してきた。
源氏物語、枕草子の昔から萌えはある。
岡田斗司夫さんは「いとをかし=萌え」説を唱えているが、私もその考えに同意するものである。
「萌え」はオタクが生み出したものではなく日本人が生み出したものだと考えている。
そして、開闢以来こんにちまで日本人は萌えを追求してきたのではないか。
とするならば、ヤンデレは日本における最新の萌えである。
いや、昔からヤンデレはあった。
あったが、最近になってそれをはじめて言葉にしたという方が適切であろう。

しかしながら、ヤンデレはツンデレと違い多くの人々から支持を得るのは難しいと思う。
なにせ、一歩間違えると猟奇殺人である。
近頃、親を鉈で殺す事件が続いた。
一部のマスコミが『ひぐらしのなく頃に』の影響であると騒いだので『ひぐらしのなく頃に』のアニメは放送中止になった。
あの事件が『ひぐらし~』の影響から起こったという解釈はかなり怪しいと思うし、それによって放送を中止するというのは如何なものかと思う。
(後藤和智さんはこの件について「マスコミのオタクに対する偏見だ!」という論調で是非とも批判していただきたい)
ともあれ、ヤンデレ作品はこのようにややもすれば危険視され、挙げ句放送中止になる。
一般人からみるとヤンデレはただの気違いか猟奇に見えるという良い例である。
事実、危険な面はあるし、危険だからこそヤンデレなのであるが。

さて、話を戻して「ヤンキモ」である。
グーグルで検索しても妹のいう意味での「ヤンキモ」は出てこないから、この言葉は妹の造語であろう。
病んでいてキモイ・・・最悪ではないか。
キモイはとりあえず置いておくとして、私の何処が病んでいるというのか。
再び問うてみたら「いやぁ・・・病んで・・・ないんじゃないの・・・?」と言葉を詰まらせながら返答してくれた。
なるほど、ブログにヤンデレがどうのとか日本はどうとか書いているのだから十分病んでいる。
しかし、キモイって・・・。
やっぱり酷い妹だなぁ。

私の声優史 第四回(最終回)

2007-08-27 01:33:12 | 漫画・アニメ
はい。今回で終わりです。
最後は声優界の問題点と今後を書こうと思ったのですが、暗い話になるし大儀なのでやめにします。
早い話、声優界の問題点は給料が極めて安いことと、枕営業の実態があることです。
ね、暗い話になりそうでしょ。

ということで、最後は大谷さんの話。
「私の声優史 第一回」の冒頭で「最近、私の中で大谷育江ブームが到来している」と書いた。
書いたままで詳細を明かさないままだったので、今回はそれを説明して終わり。

私が大谷さんの名前を初めて知ったのはポケモンブームの頃。
だから、平成九年か十年頃のことと思う。
ピカチュウの役をしていたのが大谷さんであった。
といっても、私は当時ポケモンにさほど興味はなくアニメの方も数回見たくらいだ。
それよりも遡って『コボちゃん』をよく見ていた。
コボちゃんの声を担当していたのも大谷さんだった。
『コボちゃん』はポケモンよりも五年程前に放送が開始されていて、ポケモンが始まる前に放送終了している。
また同時に例のフルハウスもよく見ていた。
私はその時分、大谷さんの名前を知らず、後にピカチュウで名前を知って大谷さんがコボちゃんやステフの声をやっていたことを知った。

それから数年経った平成十五年頃、『ナースウィッチ小麦ちゃん』というアニメを見た。
このアニメ、少々説明を要する。
元々、『The Soul Taker~魂狩~』というシリアスなアニメがあった。
それに登場する中原小麦を主人公に『The Soul Taker~魂狩~』とはパラレルワールド(別世界)で且つ、同じ人物を使って作ったアニメが『ナースウィッチ小麦ちゃん』である。
『ナースウィッチ小麦ちゃん』は『魂狩』とまったく違って、完全なるギャグアニメでマニアックなネタ満載のオタクのためのオタクによるオタクのアニメだった。
但し、全体に漂うオタクであることに自虐的なノリはブロッコリーのそれと通じるものがあり、単なる萌えアニメとは一線を画すものがあった。
いうまでもなく、私の好きなタイプのアニメである。
その『小麦』に登場する小麦のライバルであるまじかるメイドが国分寺こよりというキャラでその声を担当していたのが大谷さんであった。
私はこの大谷さんの演技にやられてしまった。
大谷さんの役にしては珍しく、高飛車で意地悪なライバル(というより敵)の役だった。
中でも「おーっほっほっほっほ!脳無し貧乳チビナースー!悔しかったらここまでおいでー!ベロベロバー!・・・でございすわ!」というセリフなどは白眉である。
(↓下の動画参照)
http://www.youtube.com/watch?v=WZF0rxk2tXA

また、大谷ブームの直接のきっかけになったのは、今年の三月に妹が借りてきた『ときメモ ~ガールズサイド~』だった。(詳細は別の記事で説明します)
この須藤瑞希役が大谷さんで元々大谷さんが好きだったこともあり、瑞希の声と演技を聴いて急激なブームが押し寄せてきた。

大谷さんの魅力は何と言ってもその声なのであるが、大谷さんの声は単に可愛らしいだけではない。
細い声から太い声まで自在でなによりこぶしが効いているのだ。
この特性がよく生かされているのが前述の国分寺こより役においてである。
こぶしの効いた声というのは強い。
こればかりは真似しようと思っても中々出来ない。
例えば、小麦役の桃井はるこさん(モモーイ)の声も特徴的だがこれはまだモノマネしやすい。
この違いはやはりこぶしが効いているか否かによると思う。
そんなわけで大谷さんの声は唯一無比で本当に良い。

女性の年齢を書くのは失礼だが、敢えて書かせてもらうと今月の十八日で四十二歳になられた。
声優界でいうと中堅からベテランへ移る年頃で、脂も乗って絶好調といったところだろうか。
やはり、声優は四十を越えてからである。
若手アイドル声優のアンチテーゼとしても大谷さんたち中堅ベテラン声優に頑張っていただきたいところだ。

あび卯月は大谷育江さんを応援しています!

私の声優史 第三回

2007-08-21 22:47:46 | 漫画・アニメ
今回は最近のイチオシ声優を紹介したい。


・沢城みゆき

誕生日が私と二ヶ月しか違わない若手声優。(学年は私の方が上)
若手声優でもっとも演技が素晴らしい。
デビューは十三歳の頃。
ふつう、若くしてデビューした役者は大人になって凋落することが多いが、沢城さんは年を重ねるごとに腕を上げている。
デジキャラットのぷちことローゼンメイデンの真紅が同じ声だとはじめ気づかなかった。
つまり、様々な声も出せる演技派である。
私はほとんど尊敬している。


・堀内賢雄

フルハウスのジェシーの声と聴いたらなるほどと思う方も多いと思う。
洋画や海外ドラマにはなくてはならない声優さん。
なんといっても声が良い。
「トリビアの泉」のトリビアの種において「工事現場の看板に声を入れるとしたら誰になるか」というテーマの回で、音響監督の浦上靖夫、大熊昭、田中章喜が「聞いていて飽きない」「安心感がある」などという理由から選出されたこともある。


・井上喜久子

自称、永遠の十七歳。
しかし、私は十七と言うより永遠の三十歳くらいの印象だ。
というのも、お姉さんや年上の妖艶な女性の役にこの人の声は缺かせない。
洋画でも随分活躍されている。
優しいお姉さん系の役においてはかなりの癒し系ボイスで不覚にも癒されてしまう。
また、その天然キャラも特筆すべき事項である。
ラジオCDで「冷やしラーメンくんはラーメン界で仲間外れにされるのでは?」と本気で案じていた事には爆笑させていただいた。


・小林ゆう

銀魂のさっちゃんの声優さん。
かつてモデルをしていたこともある。
私の場合、さっちゃんに萌えたという理由もあるのだが、なんといっても小林さんの描く絵画作品を見ていっぺんでファンになった。(※上の画像参照)
ファンの間では広く小林ゆう画伯と呼ばれている。
どんな絵を描かれるかというと前衛藝術家が裸足で逃げ出すような作品である。
また、演技力も申し分なく、かなりぶっ飛んだ演技も出来る声優さんだ。
(↓事務所のサンプルボイスを聴いてみてください。驚きますよ。)
http://www.holypeak.com/artist/?id=1148921247-488802&page=1


・千葉紗子

私は初め千葉紗子をアイドル声優だと思っていたので高く評価することはなかった。
見た目は可愛いらしいがなんだか魂の抜けたような感じで演技もそんなものだろうと踏んでいた。
しかし、人は見た目で判断してはならない。
舞-HiMEEの玖我なつき、撲殺天使ドクロちゃんのドクロちゃんの演技をみて私はただ脱帽するのみだった。
アニメを観ないという人も撲殺天使ドクロちゃん(第1作の方)は是非見て欲しい。(今ならYouTubeでも見られるはず)
作品自体もパンクな感じで凄まじいが、千葉紗子の凄さを知ることが出来る。
私は今だに玖我なつきとドクロちゃんの声が同じ人によるものだとは思えないのである。
最近、「北へ。」をしていて、春野琴梨の声もまた千葉紗子だと知ってますます評価が高くなっている次第である。


・うえだゆうじ

中堅声優の中で変態役をやらせたらこの人に敵う人はいない。
特に好きな役は「すごいよマサルさん」のマサル、でじこの暴れん坊、おじゃる丸のキスケ、ポケモンのタケシ、「ナースウィッチ小麦ちゃん」のむぎまるなど。
当人は大のオタク嫌いだという話でその点も私は好感を持っている。


・金田朋子

声に破壊力がありすぎる。
声に関しては好きとか嫌いとかそういう次元の話ではない。
レジのバイトをしていたときに、客にレジの機械音と勘違いされた逸話があるほど。
私が金田さんが好きな理由は金田さん自身のキャラクターにある。
とにかく、天然ボケなのである。
詳細を知りたい方は以下のサイトを参照。
http://www.geocities.co.jp/Playtown/2649/tomo.html


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私の声優史 第二回
私の声優史 第一回

私の声優史 第二回

2007-07-12 23:25:23 | 漫画・アニメ
声優は大きく分けて二つに分けられる。
アイドル声優と非アイドル声優である。
アイドル声優は声優雑誌ではよく見かけるが、どちらかというと普通のアニメで見かけることは少なく、オタクアニメでしか見かけない人もいる。
非アイドル声優は普通のアニメや洋画の吹き替え、テレビのナレーションなどで活躍している。

九十年代後半の第四次声優ブームはこのアイドル声優が多く登場した時代だった。
以前、女子アナの話をした時にも書いたが、声優の過剰なアイドル化は演技力の低下を招いた。
しかし、演技力あってこその声優である。
アイドル性だけで売っていた声優は今はすっかり消えてしまった。
長い目で見ればやはり実力主義なのだ。

二十一世紀になって一時ブームは冷めた。
2000年の末に「アニラジグランプリ」が休刊になり、2002年の二月には「ボイスアニメージュ」(徳間書店)が休刊になった。
ただし、2002年の五月にはボイスアニメージュと入れ替わるように角川書店から「VOICE Newtype」が創刊された。
言い換えればこの時期はアイドル声優の世代交代の時期であった。
象徴的だったのは丹下桜の引退だ。
つまり、2001年から2002年の間に第四次声優ブームを担ってきたアイドルの一部が消え、それを補うように新人のアイドル声優が参入してきたということである。
したがって、世代交代とはいえ緩やかなものであった。
そういえば、声優雑誌の大御所「声優グランプリ」がリニューアルされたのもこの時期だ。
2003年以降、声優業界は再び活気を見せはじめた。
これが「第五次声優ブーム」と謂われる潮流だ。
いまでもそれは続いていて、去年の「涼宮ハルヒブーム」はそれに拍車をかけたかたちになる。
第五次声優ブームを担う声優たちの名前を挙げるならば、

堀江由衣、新谷良子、能登麻美子、水樹奈々、野川さくら、中原麻衣、小清水亜美・・・
特に近年人気がめざましいのは平野綾、釘宮理恵、田村ゆかり、井上麻里奈、杉田智和あたりだろうか。
私の独断と偏見なので御意見のある方はどしどし書き込みされてください。
特に最近は声優雑誌を講読していないので新興のアイドル声優はちっともわからない。
第一、声の区別が付かない。

ところで、男性のアイドル声優は女性のそれと事情が少し異なっていて、多くの人は第四次声優ブームからずっと活躍している。
つまり、人気の息が長い。(石田彰、保志総一朗、緑川光、子安武人、三木眞一郎、阪口大助・・・等々)
これは絶対数が少ないことに加え、新規参入の男性声優が女性声優に比べ圧倒的に少ないからであろう。

以上、アイドル声優の事情について述べてきたが、非アイドル声優にとっては第四次声優ブームや、第五次声優ブームの潮流など殆ど関係のない話であった。
非アイドル声優にはベテラン声優が多い。
お笑い業界に譬えるならば、お笑いブームが起ころうとも大御所芸人にはあまり関係ないのと似ている。

私はあからさまなアイドル声優を好まない。
声優としての優劣は第一に声、第二に演技力だと思うので、アイドル声優をその基準で判断するならばどうしても非アイドル声優に劣ってしまう場合が多い。
じじつ、オタクアニメでは信じられないような演技をする声優が散見される。
洋画などを見ていてベテラン声優の声や演技にはほれぼれすることがしばしばだが、アイドル声優ではそういう経験が少ない。
とはいえ、一般にアイドル声優といわれる人たちにもしっかり演技できる人も居るし、アイドル声優が全員演技ができないというわけではない。
(それにしても『GAる~ん』の声優はもっとどうにかならなかったのか)
また、声優という職業は専業で生計を立ててゆくのが難しいという事情もあり、一概に声優のアイドル化を非難できない面もある。
アイドルとして売り出さなければどうにもやってゆけないという側面もあるのだ。
しかし、それは声優の出演料の安さに問題があり、その点を改善するのが先であると思う。
同時にアイドル声優は居ても良いと思う。
需要がある以上、双方に利益をもたらすからだ。
(私もアイドル声優と呼ばれる人で応援している人が多く居る)
ただ、本業を蔑ろにしてアイドル化ばかりが先行しないことを願っている。


つづく