あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
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みずほがヘン

2009-09-29 00:51:48 | 政治・経済
福島瑞穂の様子がおかしい。
鳩山新政権で少子化担当大臣に抜擢された瑞穂だが、まづ「子供手当て」の所得制限を打ち出した。
これは悪くない、というか当然のことだ。
なぜ、金持ちをこれ以上支援する必要があるか。
瑞穂らしくないいい提案だと思った。

と思ったら、突如「保育所や学童クラブなど子育てインフラを整備するための財源が十分に確保できれば、所得制限はしないことを「考える余地はある」」と一転。
期待して損をした。

すると今度は「日本が共生社会になることが大事だ。ただ、日本が労働力不足を理由に、単純労働者(の移民)を受け入れることは慎重であるべきだ」 との見解を示した。
至極、まっとうな意見だがこれも瑞穂らしくない。
「今後移民を一千万人受け入れる」なんて云っていた自民党きっての売国奴・中川秀直よりよほどマシな議員に見えてくる。

ただ、これは移民が入ってきたら在日特権がなくなるので反対しているのではないかとの分析もある。
もう一つ言えば、福島瑞穂がマトモに見えてしまうのは、不良がたまにいいことをしたら凄くイイ奴に見えてしまう現象と同じなのかもしれない。

しばらく彼女の動向を注視したい。

温室効果ガス25%削減」は狂気の沙汰・続

2009-09-28 02:45:40 | 政治・経済
鳩山首相が国連で日本の温室効果ガス25%削減を明言したとき、会場が沸きかえった。
私はこの光景を見てゾッとした。

鳩山発言を聞いて喝采を送った国々はなぜ喜んでいるのか。
それは日本が自滅してくれることが嬉しくてしかたないからだ。
25%削減は日本の産業と家計を潰すことと等しい。
あの国連での光景は自滅宣言をした日本とそれをほくそ笑む各国、と見るのが正しい。
それを一部マスコミは「各国が絶賛」と外国と一緒になって喜んでいる。
再び、ゾッとした。

だいたい、この25%という数字はどこから来たのか。
1990年度比25%削減は現在比で35%の削減となる。
さぁ、明日から日本国民は全員車に乗るのをやめましょうというレヴェルだ。
あるいは、工場の半分をストップさせるか。
あるいは火力発電をやめて全部、原子力にするか。

こんな出来もしない目標を定めて、「夢はデッカく!」ということなのかもしれないが、思春期の少年少女じゃあるまいし、政府がそんな幼稚な考えで困るのは国民だ。

経済産業省は温室効果ガス削減費用について以下のような試算を出している。

・全住宅の断熱化(72兆円)
・すべての新築住宅への太陽光発電設備の設置義務付け(44兆円)
・ハイブリッド車、電気自動車など次世代エコカー以外の購入禁止(14兆円)
・粗鋼生産量を現行から18%削減
・セメント生産量を25%削減
・自動車交通量も23%削減(週2日規模で「ノーカーデー」を設ける)
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090825/env09082...

合計、190兆円ナリ。
思わず、笑みがこぼれる金額だ。

日本の産業界を潰し、家計への負担を増大させるというだけの政策にしかみえない。

マスコミはもっと解り易く、

この政策はあなたの給料が減らされる政策です。
大増税の政策です。
雇用もますます冷え込みます。
クビになる人も出てきます。
格差社会どころか、日本国民を全員貧乏にする政策です。

と、このように説明すべきではないのか。

25%削減が出来なければ、排出権取引で途上国や欧州に金を出して買い取るのか。
日本人の税金が何兆円国外へ流れていくのだろう。
この排出権取引は国内でもやるという。
しかも、買い取るなら実質的に温室効果ガスは減っていない。
地球環境のためにもならず、ただ、国外に税金をばら撒く政策なのか。

この排出権取引は国内でもやるという。
日本の各企業にはそれぞれ出してもいい温室効果ガスの上限が決められる。
例えばA工場がそれを超えるガスを出し、B工場は下回ったという場合、AはBから下回った分を買い取るというやり方だ。
この排出権に海外の(国内でもいいいが)投資家が飛びつけば、値段が吊り上げられる危険性もある。
ならば、排出権取引で善良な企業は苦しみ、肥え太るのはかつての堀江や村上のような投資家か。


政府は温室効果ガス削減の具体策を明言しない。
したがって予測で批判するしかないので、これ以上はやめにするが、鳩山の25%削減宣言は狂気の沙汰となぜマスコミは報じないのか。
(但し、新聞では読売、産経、日経あたりは批判的な記事を載せている)
それどころか、「国連でリーダーシップを取れて素晴らしい」とか褒めそやす。
狂っているとしか思えない。

環境税の導入で(これも具体的な話がまったく見えてこないが)、国民が血税を搾り取られ、経済的な意味での痛い目を遭ってこの国の民はやっと鳩山政権の幻想から醒めるのだろうか。
その時には経済だけではなく、あらゆる面で日本がボロボロにされた後かもしれない。

小泉に90%近くの支持を与えた国民だから、鳩山にも80%の支持を与えていえる。
本当に懲りない、懲りない国民だ。

虐殺者としてのオーストラリア人

2009-09-15 22:59:28 | 歴史・人物
オーストラリア人に祖先を訊くと決まって「ウチは1800年以降に入植した」と答えるという。
私の祖先は囚人ではありませんよという意味だ。
オーストラリアは元々イギリスの囚人たちの流刑地で、1801年以降は自由渡航が可能になった。

だが、移住してきた人たちは囚人よりもタチが悪かった。
彼らはオーストラリアの原住民アボリジニをあらゆる殺し方で殺戮した。
アボリジニの集落の飲み水に毒を入れたり、アメリカ人がインディアンにやったように撃ち殺したり、そして最もポピュラーな殺し方は崖から突き落とすというものだった。
アボリジニは同じく大陸に住んでいたコアラやカモノハシのように温厚で、インディアンと違い大きな抵抗をすることなく次々に殺されていった。

第一次世界大戦後、ヴェルサイユ条約を取り決めたパリ講和会議で日本は人種差別禁止案を提案したが、これに反対したのはアメリカ、イギリス、そしてオーストラリアだった。
彼らがやっていたことを知ればそれに反対するのもよくわかる。

オーストラリア人はアボリジニの殺戮を20世紀に入ってもやめなかった。
日本では新しい昭和という時代に突入した1928年、オーストラリア人は週末ごとに「アボリジニ狩り」を楽しんでいた。
その日の狩りの成果として「アボリジニ17匹」の記載が残されている。(降籏学『残酷な楽園』)
20世紀に入っても彼らがアボリジニを人間とは思っていなかった証拠だ。

このため、タスマニア島にいたアボリジニーは全滅させられ、大陸に三百万人はいたとされるアボリジニはいまは三十万人が残るだけとなった。
この残されたアボリジニーたちはいまは農地を奪われ、就職口もない。
そこで表向き保護というかたちで僻地に作られた収容施設に押し込まれている。
ナチスがやっていたゲットーと同じような光景がここにある。

2000年、シドニーオリンピックの開会式でアボリジニの男女が会場いっぱいになって踊っていた。
「いまでは過去の暗い歴史は清算されて白人もアボリジニも仲良くやっていますよ」というパフォーマンスらしいが、踊っていたのは実はアボリジニではなくて体を黒く塗った白人で、本物のアボリジニは会場の外で「私たちを滅ぼさないで」と坐り込みの抗議をしていた。
それを知らずか朝日新聞は「民族融和、和解の証し」と称賛していた。
あまり笑えない冗談だ。

ところで、日本はオーストラリアと戦火を交えたことがあった。
第二次世界大戦のときだ。
日本は無視していたのに勝手にオーストラリアが宣戦布告してきたかたちになる。
この時も彼等の人種差別意識が剥き出しになった。
捕虜にされた日本軍兵士は射殺されたり、輸送の途中に輸送機から突き落とされたりと、アボリジニと同じように殺された。
なのに、いまでもオーストラリアは日本人は残虐だったと戦勝記念日には反日パレードが行われている。

そのオーストラリアが、いまは捕鯨問題で日本を叩くことに喜びを見出している。
今日も「緊急!世界サミット"たけしJAPAN "2009日本を考えるTV」という番組でオーストラリア人が捕鯨をやめろと日本人を非難していた。
自分たちは今ではカンガルーを殺しまくっているのによく言う。
その中で、あるオーストラリア人が「人間に近い鯨を調査と称して殺す日本人を私たちも調査目的に二三人殺してもいいですか?」というようなシーンがあった。
さすが、アボリジニを虐殺しまくっていた子孫のセリフといったところか。

そういえば、毎日新聞の英語版サイトで日本人を貶める記事を書いていたライアン・コネルもオーストラリア人だった。
その記事の中に「日本人がエクアドルで子供狩りをしている」というものがある。
人を狩るなんて、それは貴方たちの事だろう。
ついでにいえば、皇室を貶める『プリンセス・マサコ』を書いたのもオーストラリア人だ。

日本人はオーストラリアというとコアラやカンガルー、オージービーフ、エアーズロック、グレートバリアリーフ・・・と好印象を持っているが、オーストラリア観を改めるときかもしれない。

麻生内閣がやったこと

2009-09-12 00:02:42 | 政治・経済
麻生首相はなにかといっては叩かれていた。
やれ漢字が読めない、やれ庶民離れしている、やれ失言癖がある・・・。

しかし、彼が一体どんな失政をしたというのだろう。
麻生首相に失政があったというなら具体的に説明して欲しい。

少なくとも、経済については定額給付金をやり、エコカー減税、エコポイントと内需を喚起する政策をやり、まがりなりにもGDPが5四半期ぶりに上向かせた。
これは、麻生内閣の内需拡大政策によってGDPの約6割を占める個人消費が3四半期ぶりにプラスに転じたことによる。

また、麻生首相は中川財務大臣と組んで、IMFに一千億ドルを融資した。
IMFのストロスカーン専務理事は「人類の歴史上、最大の貢献だ」と日本政府に対して最大級の讃辞を送ったが、マスコミはこの言をスッパリと切り捨てて報道した。
麻生内閣に手柄があってはならないからだ。
それどころか、「IMFに一千億ドルもの血税を使うとは何事だ。国内にまわせ」というような批判もみられた。

まづ、この一千億ドルは日本政府が保有する外貨準備から拠出される。
これら外貨準備は主に米国債など眠っているマネーで日本にとってリスクは無い。
従って、血税でもないしそのほとんどが米国債なのだから国内に廻すこともできない。
米国債を国内に流通されるには円に替える必要があり、そんなことをすれば10円以上の円高は避けられないし、ドル崩壊の危険性もあるからだ。

また、世界一の対外純債権国(つまり、世界で一番外国にお金を貸している国)の日本は各国がデフォルト(債務不履行)に陥れば最も被害をこうむることになる。
この点で、IMFに資金援助することは大きな意義を持って来る。

まとめてみると、IMFへの一千億円の融資は寝ていた資金をリスクゼロでIMFに提供し、多くの国のデフォルトを防ぎ、結果的に債権国である我が国の国益になる。
さらに「人類史上最大の貢献」と謝辞まで送られるという完璧な施策になる。

こういう説明をきちんとしたマスコミは私の知る限りでは皆無だ。
むしろ、中川大臣というと泥酔会見のことばかり取りざたされ、挙げ句、辞任に追い込まれた。
善政は取り上げず、本来政策と関係ない失態ばかり強調しネガティブキャンペーンをやる。
とにもかくにも、マスコミは麻生内閣を潰したかったことがよく解る。

一方で、民主党の汚点は取り上げないか、限りなく小さな扱いにする。
次期首相の鳩山由紀夫は個人献金ならぬ故人献金を受けていたが、極めて低い扱いだった。
田母神論文が問題になったとき、田母神氏と懸賞論文を主宰していたアパグループの社長がともに会食(ワインの会)している写真が公開された。
田母神氏とアパグループの関係が深いことを示す証拠ということらしいが、実はこのワインの会には鳩山由紀夫も夫人を伴って出席していた。(※写真参照)
にもかかわらず、鳩山氏にとって不利と判断されたのか、「ニュース23」は鳩山由紀夫が映っている部分を切り取り、夫人の顔にはボカシを入れて報道した。

麻生首相は金持ちだ、世襲だ、高級バーで食事をして庶民感覚が無い、などと批判されたが、それなら鳩山由紀夫は麻生太郎の上をいく金持ちだ。
預貯金だけで12億8100万円、他に不動産と時価総額100億円以上有価証券を持つ。
世襲も四代目になる。
食事も麻生太郎に負けない高級店に行っている。
先日もランチ一食一万円もする日本料理店で昼食をとっていた。

それなのにマスコミは鳩山夫妻がモスバーガーで食事をしましたなんて庶民派を演じたパフォーマンスの方はしっかりと報道する。
こういうバランス感覚の無さにはもはや驚かないが、極端すぎやしないか。
それでいて自分たちは中立のような顔をする。
別に中立でなくていいからそういう顔をするのだけはやめにして欲しい。

民主党「温室効果ガス25%削減」は狂気の沙汰

2009-09-10 00:19:06 | 政治・経済
鳩山由紀夫が、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減すると云っている。
はじめ、冗談かと思ったら本気らしい。
いやいや、やはり冗談でしょうと笑いたくなるのは私くらいなのか。
産業界は笑うどころか青褪めていると思う。

日本の温室効果ガス排出量は、2005年の時点で90年比で5%増えていて、2005年比でいくと30%の削減をしいられることになる。
30%は電気を節約しましょうとかそんなレヴェルで減らせる数字ではない。
限りなく、実現不可能な数字だ。
CO2は国民が経済活動をする限り排出される。
仮に、実現しようと思ったら日本の産業全体をストップさせるくらいの覚悟がいる。

麻生内閣がやったようなエコカー減税やエコポイントのように国内の需要を喚起するような環境対策(実態はその名を借りた経済対策なのだけども)なら歓迎したいところだが、具体策はまったく見えてこない。
ただ、環境税を導入すると聞く。
それで家計と企業に税負担をしいるということか。
産経新聞によると家計負担は最大で650万円程度になるという。
流石にこの数字は産経の飛ばしすぎだと思うが、環境税が導入されればどのようなかたちで税金を徴収されるのかわかったものではない。
こども手当てやら高速道路無料化やらで足りない財源をの増税分で補うのだろうか。
あるいは排出権取引をやる代金に廻すのか。
そんなことなら、はじめからこども手当ても無料化もいらない。

各国はこの鳩山目標を歓迎しているという。
そりゃそうだろう。
日本の産業界が潰れてくれたらライバルがいなくなって、先進諸国の産業界は万々歳だ。
さらに、発展途上国にとっては30%と増えた分たっぷりと排出権を買い取ってもらえる。
世界恐慌にあえぐ世界各国が歓迎しないはずがない。

また、そもそも論になるが、温暖化の原因が本当にCO2にあるのかという疑問もある。
まぁそれを言い出すと話がややこしくなるので、それはとりあえず認めるとして、では日本が30%減らしたところで、どれほど温暖化抑制効果があるというのだろうか。
このあたりの科学的な実証(できないだろうけど)データを出して欲しいものだ。

鳩山民主党政権は地球温暖化を配慮するあまり、日本経済をぶっ潰そうということか。
小泉構造改革は日本の中流を潰しに掛かり、株主配当を三倍に、企業の役員の給与を倍近くに増やした一方で非正社員を四百万人に増やし、貯蓄ゼロの家庭は24%に増やした。
鳩山政権はその企業を含め日本の経済全体をぶっ潰しに掛かろうとしている。

そういえば、選挙の時、自民党による民主党ネガティブキャンペーンの一環として、鳩山似の男が女性に「僕と結婚すればバラ色の人生が待っているよ」と根拠の無い夢物語を語るCMがあった。
「出産や子育ての費用も教育費も、老後の生活費も介護の費用も、ボクに任せれば全部OKさ!高速道路も乗り放題だよ!」
という男に対して女性が「お金は大丈夫?」と訊くと、
男は「細かいことは結婚してから考えるよ!」
と無責任なことをいうといった内容だったが、なんだかその通りになってはいないか。

今回新たに飛び出した25%の温室効果ガス削減目標は無責任以前に狂気の沙汰としか思えない。
私は先ごろ「今度の民主党政権で国民はどんな痛い目をみるのだろう」(あび卯月日記)と書いたが、早速大きな痛みを与えてくれそうだ。

自民は鳩山に投票すべし

2009-09-09 02:22:04 | 政治・経済
自民党が首班指名に誰の名を記すかで揉めている。
いや、正確には揉めて「いた」。

敗戦の将麻生太郎の名前は書きたくない。
かといって、白票というのも憚られる。
いやここは麻生太郎と書くべきだ。
いやいや白票だ、と自民党内が紛糾していた。

結局、間をとってといおうか若林正俊両院議員総会長を指名することに決定した。
一体、若林って誰だというのが多くの国民の感想だろう。

実は自民党も鳩山由紀夫を指名すべしという意見があった。
これは主に評論家の三宅久之さんが唱えていたもので、「これこそ憲政の常道だ」と。
「憲政の常道」とは前回説明したように

一、衆議院の第一党が政権をとること。
二、その政権が失政によって倒れたときには、野党第一党が代わって政権をとること。

を意味する。
いま、衆議院の第一党は民主党なので、「憲政の常道」からすれば当然鳩山由紀夫を総理に指名すべしとなる。
実際に先例もある。
それが、麻生太郎のお祖父さんにあたる吉田茂が率いた自由党が新憲法初の衆院選で第一党の座を社会党に譲り渡したとき。
選挙後の首班指名で第二党の自由党も社会党の片山哲に投票したのだ。
(これも前回書いたとおり)

もちろん、いまは憲政の常道なんて時代ではないのでナンセンスと見る向きもあるだろうが、事情が事情だ。
自民党が一本にまとまって自党からこの人を指すという人が居ないという今、妥協の産物として若林議員なんて聞いたこともない人を指すよりも、鳩山由紀夫と書く方がどれほどスッキリするか。
三宅さんはこれを政治のロマンティシズムと云っていた。
同じことを「たかじん委員会」でも「TVタックル」でも提言した三宅さんだが、「TVタックル」では麻生太郎と書くべしとする山際澄夫氏と対立し激論に発展していた。
山際さんの意見もわかるが、私はやはり三宅さんの考え共感する。
自民党としても民主党党首の鳩山由紀夫を支持した上で、のちの国会で堂々と論戦を挑めばいい。

・・・と、そういう風に思っていたのだが、いまの自民党にそんなロマンスを期待できるはずも無く、結果的に若林氏を推すことに決定したわけだ。
鳩山由紀夫にすれば少しは国民の見る目も違ってくるだろうに、そういう戦略もロマンスも覚悟もない。
この分では来年の参院選の結果も見えてくるというものだ。

「憲政の常道」とは何か

2009-09-07 02:55:37 | 言葉・国語
政治家が好んで使う言葉に「憲政の常道」というものがある。
例えば、今日も石破茂議員が次のように云っていた。


自民党の石破茂農水相は6日のフジテレビの番組で、党執行部が特別国会での首相指名選挙は白紙投票で調整していることについて「白紙で入れるのはどんな理屈を付けても国会議員としての職場放棄だ。白紙は憲政の常道に反する行為だ」と述べ、反対する考えを改めて示した。
(時事ドットコム 2009年9月6日 14:47)


石破さん、憲政の常道をどのような意味で使っているのだろう。
また、先の衆院選挙の翌日、朝日新聞の一面には次のような論説記事が載っていた。


大正から昭和にかけ、当時の2大政党が交互に政権を担う時代があった。
「憲政の常道」と呼ばれた慣行である。
(朝日新聞 2009年8月31日)


なお、こちらの文章は政治エディターの根本清樹さんのもの。
「二大」を「2大」と算用数字を使って表記していることにもかなりの違和感があるが、憲政の常道の解釈にも幾ばくかの違和感を拭えない。
と言っても、責める気はない。
「憲政の常道」は好んで使う人が多い反面、かなり複雑で難しい言葉だからだ。

「憲政の常道」とは、ウィキペディアの定義をそのまま借りると、

「天皇による組閣の命令(いわゆる大命降下)は衆議院の第一党の党首に下されるべきこと。また、その内閣が失政によって倒れたときは、組閣の命令は野党第一党の党首に下されるべきこと」とする大日本帝国憲法下の政党政治時代における政界の慣例。あくまでも慣例であり、法的拘束力はなかった。

となる。
ウィキにしてはなかなか的確な説明だ。(偉そう!)
これを解り易く書くと

一、衆議院の第一党が政権をとること。
二、その政権が失政によって倒れたときには、野党第一党が代わって政権をとること。


となる。
一の「衆議院の第一党が政権をとる」はこんにちでは当り前のことで、わざわざ常道なんていうのは不思議に感じるかも知れないが、当時は非政党人や軍人が首相になることが多く、政党が政権をとるべきだということを敢えて云う必要があったのだ。

しかし、複雑なのは二の「その政権が失政によって倒れたときには衆議院の野党第一党が代わって政権をとる」だ。
一見、これも普通のことのように思えるが、ここでは選挙を想定していない。
つまり、選挙を経ずして野党第一党が政権をとることになる。
すると、どういうことが予想されるかというと、野党は国会における少数派ゆえに野党なのであって、すべて多数決の国会において法案が一つも通らないことになってしまうのだ。
さらに、「失政によって」という条件がある以上、なにを以って失政と定義するかが非常に困難になる。

それでも、戦前において憲政の常道が機能した理由は戦前の政界では現在とは異なる力関係が存在したからだ。
それは、元老の存在だ。
現在では内閣総理大臣(首相)は国会における指名によって選ばれる。
戦前では主に元老が指名した首相候補に対し、天皇が大命降下をくだすという形式をとっていた。
だから、ライバル党であっても「元老が指名した人だから」「天皇から大命も下っているし」と少数与党に協力したのだ。

これが実際に機能したのは朝日新聞の記事にもあるように大正から昭和にかけてだ。
もう少し詳しく言えば、加藤高明内閣(憲政会)から第一次若槻禮次郎内閣(憲政会)、田中義一内閣(政友会)、濱口雄幸内閣(民政党)、第二次若槻内閣(民政党)、犬養毅内閣(政友会)までとなる。
元号で云うと、大正十三年から昭和六年あたりまで。

実は戦後も「憲政の常道」に従った例がある。
それが、第一次吉田茂内閣(日本自由党)の後の片山哲内閣(日本社会党)だ。
昭和二十二年四月に第一次吉田内閣のもと、日本国憲法施行後初の衆議院選挙が行われた。
そのとき、吉田はトップ当選したが、選挙の結果は日本自由党131議席、社会党143議席、日本民主党124議席、国民協同党31議席(以下略)と社会党に敗れ、第一党の座を奪われた。
普通はここで同じ保守勢力である民主党と連立を組んで政権に就くところなのだが、吉田は敢えてそうはせず、選挙後の首班指名で社会党党首の片山哲をほぼ全会一致で指名し、片山内閣が誕生した。
しかし、元老が居なくなった戦後では憲政の常道に従った政権交代はうまく機能しなかった。
社会党は民主党と国民協同党を与党に迎えたが、社会主義政党である社会党と保守政党民主党はウマが合わず、社会党内も右派と左派で争い分裂。
わずか十ヶ月で崩壊してしまった。

つまり、「憲政の常道」とはあくまでも大日本帝国憲法下において機能した概念であり、戦後の日本国憲法下において「憲政の常道」はもはや機能しないのだ。
それにもかかわらず、よく野党議員は「憲政の常道に従って政権を譲るべきだ」という言い方をする。
しかし、いままで述べて来たように国会で過半数以上の議席を持たない野党に選挙を経ずして、政権を渡したところですぐに政権運営に行き詰まるのがオチだ。
いまの時代に「憲政の常道」を口走るのは時代錯誤と心得るべし。

さて、冒頭の石破さんの言葉に戻ろう。
石破さんは国会の首班指名で「白紙は憲政の常道に反する行為だ」と云う。
確かに、憲政の常道に従うならば、自民党議員は全員、衆議院の第一党となった民主党の党首、すなわち鳩山由紀夫を指名するべきで、白紙で投票することは当然、憲政の常道に反する。
だから、石破さんは「自民党議員は鳩山由紀夫に投票すべきだ」と云うのかと思いきや、同記事によると、石破さんはこのあと


「麻生(太郎総裁)さんの名前を書くのも民意の否定だ。両院議員総会長でも、去年の総裁選で2位だった与謝野(馨財務・金融相)先生でもいい」



と続けている。
これならどちらにせよ憲政の常道に反することになる。

次に朝日新聞の根本さんの記事。

「大正から昭和にかけ、当時の2大政党が交互に政権を担う時代があった。
「憲政の常道」と呼ばれた慣行である」

これは誤用ともいえなくないが、二大政党が交互に政権を担っていたわけではない。
すでに書いたように加藤内閣から、犬養内閣までの政党は、
憲政会→憲政会→政友会→民政党→民政党→政友会という順で、別段交互ではない。
これは「憲政の常道」の二にあった「失政によって」の文言が重要になってくる。
加藤内閣は首相の加藤高明が肺炎をこじらせたことによる病死によって倒れたので失政によってではない。
したがって、あとに同じく憲政会の若槻禮次郎が首相に指名された。
濱口内閣は濱口雄幸が右翼の佐郷屋留男に銃撃され、その傷が元で登院できないようになり総辞職、という具合だ。

また、憲政の常道は二大政党である必要はない。
二大政党が交互に政権を担うことを憲政の常道というのはやはりちょっと違和感がある。

今後、無理矢理この「憲政の常道」を機能させるには、今度の民主党政権に失政があったとき民主党政権が野党第一党である自民党に政権を譲ることだ。
その上で、少数与党の自民党政権に協力すれば憲政の常道となる。
が、こんなこと現実に起きるはずがないことは誰にでもわかる。

「憲政の常道」は思わず使ってみたくなる言葉だが、使用にはくれぐれも御用心。

まだある選挙の感想

2009-09-06 20:05:33 | 政治・経済
今度の選挙を一口に言うと、日本の社会を駄目にした自民党が国民の支持を失った結果とでもなろうか。
日本の社会を駄目にしたことの最たるものは格差(所得格差、地域格差)を招いたことだろう。
早い話、経済問題に終止する。

右派がいくら民主党は親中、親韓がヤバイとか、人権擁護法(これは本来、左派が問題にすべき事柄なのだが)や外国人参政権を確立させようとしているからヤバイとか、日教組や自治労、民団ほかが支持母体だとかを訴えたところで一般国民の関心はもっぱら経済問題にある。
だから、自民党とそのシンパが経済以外の事柄について民主党に対するネガティブキャンペーンをやったところで勝てるはずはかなったのだ。

ところで、私はいつも麻生さんに好意的なことばかり云っていたので自民党支持者と思われている方があるかもしれないが、とんでもない。
以前に「自民党をぶっ潰せ!」という記事で「革新政党に堕した自民党なんぞ、早く潰れてしまうがいい」なんて書いたくらいで、自民党自体は決して支持などしていない。
議員レヴェルでみれば支持できうる議員が比較的多いという程度だ。
大体、自民も民主も世界的にみれば中道左派といった具合で、自民党が保守政党で民主が左派政党なんていう単純な括りはなにかの間違いでしょうといいたくなる。
だから、民主党にも支持している議員はいるし、そもそもあまり政党単位で支持不支持を判断することがあまり好きではない。

私が政党レヴェルで絶対的に支持しているのは民社党くらいのもだ。
民社党は平たく言えば労働者のための保守政党で共産主義を否定し資本主義の修正を求める福祉国家建設路線を標榜していた。
日本の伝統文化、国家間、国防など国益を最重視した上で民主的な労働運動を支援するという魅力的な政党だった。
いま、こういう政党はない。
(国民新党が一番近そうだが労働者の政党ではないよね)

ところで、前回の衆院選でも感じたことだが、日本には小選挙区は向いていないとつくづく思う。
小選挙区制のデメリットとして死票が数多く出るというのがあるが、それ以上にやはり、少数派の意見が蔑ろにされることが最大のデメリットだと思う。
前回は自民党が大勝して、今回は民主党が大勝。
党名が変わっただけで、非常に偏った結果になるのは小選挙区制の弊害だ。
民主党政権はその気が皆無だろうが、是非とも中選挙区制に戻して欲しいと思う。
これ、社民党支持層も喜ぶのではないか。

×××

私は自民党支持者ではないと既に書いたが、それゆえ、今回の自民党の大敗は一面で愉快なことでもあった。
特に小泉構造改革を推し進めた国賊とでも云うべき議員が多数落選したことは一種の痛快さを感じざるを得なかった。
例えば、前回の衆院選で郵政民営化に反対して自民党の公認から外された城内実氏が小泉チルドレンの片山さつきを破って当選したことはめでたいことだった。

一方で、自民党内でもっとも構造改革に積極的だった一人の中川秀直はしっかり当選していて、その反対のことをやろうとしていた中川昭一は落選。
小泉構造改革からの路線変更をしようとした麻生内閣のメンバーはみな辛酸をなめている。
みんな、そんなに小泉改革が良かったのかねえ。
ついでに、小泉改革には反対だったがゲーム規制だの、食品規制だのとロクなことをやらない野田聖子も当選した。
本来、落とされるべき自民党議員が多数通っていて、河野太郎が「自民党は勝ちすぎた」と評したのも一理ある。
いづれにしても、今度の大敗は自民党が頭を冷やすいい機会だ。

×××

ロシヤのスパイとも噂される元外務官僚の佐藤優が「自民党はうんこ味のカレーで、民主党はカレー味のうんこ。その違いしかない」と随分、下品な云い回して両党を評していた。
つづけて、「だが本質的に自民党はカレーだが、民主党はうんこ」なのだと。
なるほど、これも一理ある。
私なら、自民党は国賊政党で、民主党は売国政党とでも云おうか。
国賊は国内から日本を混乱に陥れ、売国は国外から日本を陥れるというほどの意味だ。
つまり、自民は構造改革によって内側から日本を混乱に導いた。
民主党は親中、親朝鮮政策によって日本を外から混乱に導くということだ。
もっとも、民主党についてはまだ未知数なので、これからのお手並み拝見といきたい。

×××

2ちゃんねるでネトウヨ叩きが隆盛を極めている。
ネトウヨとはネット右翼を指す。
ネトウヨ叩きをしている連中はネトサヨ(ネットサヨク)なんだろうが、自民党が大敗したのでここぞとばかりネトウヨ叩こうという魂胆らしい。
それにしても、ネトウヨとは自民党支持層を指す言葉だったのか。
それは知らなかった。
ネトウヨが本当に自民党支持だとすれば、保守政党でもなんでもない政党を支持するウヨクって一体なんなんだろう。
(あ、だから片仮名でウヨクと書くのか!)

それに、ネトウヨとネトサヨの罵り合いはお互い差別心剥き出しの非常に醜いものとなっており、読んでいるだけで不快になるものばかりだ。
よくそんなことで(ウヨなら)国家がどうとか、(サヨなら)人権がどうとか平和がどうとか云えたものだ。
自分たちの言説がそれらの理念から最も遠いところにいることに早く気づいた方がいい。

また、ネトウヨとネトサヨの争いは詰まるところ反特定アジア(中国及び南北朝鮮)派と親特定アジア派の争いといえる。
議論の内容が経済問題を度外視して中国や朝鮮など主に外交問題や国家観の争いになっていることからもそれは伺える。
いづれにしても、こういう連中とはあまり関り合いになりたくないのは確かである。


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追記:
民団の記者が同胞女性から「参政権獲得運動を誹謗中傷するネット・ウヨクと毎日闘っている」という電話を貰った、という話が民団のホームページに掲載された。
ネトサヨの正体は朝鮮人だ、とネトウヨは云うが、あながち間違っていなかったということか。

http://www.mindan.org/sibu/sibu_view.php?newsid=11743&page=1&subpage=2982&sselect=&skey=

民主党「こども手当て」は損か得か 改訂版

2009-09-04 22:04:36 | 政治・経済
選挙前、民主党の「こども手当て」は損か得かという記事を書いた。
「子ども手当て」は中学校修了までの子どもを対象に、一人当たり月額二万六千円を支給するというものだ。
年額にして子ども一人あたり三十一万二千円の支給になる。

その財源の一部として配偶者控除と扶養控除の廃止が予定されている。
そこで、世帯にとってどれほどの増税になるのか表を作ったのだが、一部誤りがあった。
それは、16歳以上23歳未満の「特定扶養控除」と70歳以上の「老人扶養控除」を含めて表を作成してしまった点だ。
これらの控除は廃止されないので、お詫びして訂正しておきたい。

現在、所得税における配偶者控除は38万円。
70歳以上の配偶者(老年控除対象配偶者)なら48万円。
そして、扶養控除は38万円となっている。
(なお、満16歳以上満23歳未満の扶養家族なら63万、70歳以上なら58万(同居していない場合は48万)となっているが、これらは廃止されないのでここでは触れない)

だが、これでは、実質的にどれほどの増税になるかがわからない。
そこで、実質的に手取りの額がどれほど減るのかを年間所得に応じて計算したのが以下の表だ。

表を御覧になる前に二点注意しておきたい。


1.以下の表にある「一般の扶養家族」とは16歳以上23歳未満及び、70歳以上の扶養家族を除いた扶養家族を指す。つまり、16歳以上23歳未満及び、70歳以上の扶養家族については税金の控除の変化は無い。

2.配偶者の年間所得が38万円(収入で言うと約103万)を超える場合は、配偶者特別控除が適応され、また別の計算が必要となってくるので以下の表では扱わない。

3.以下の表は所得税についての増税を列挙したもので、住民税は含まれない。


以上、これらを踏まえた上で以下の表を御覧下さい。

×××

・年間所得が1,000円~ 1,949,000円の人

配偶者が居る場合・・・年間一万九千円の増税
(70歳以上の配偶者なら二万四千円)
一般の扶養家族一人あたり・・・年間一万九千円


・年間所得が1,950,000円~ 3,299,000円の人

配偶者・・・年間三万八千円の増税
(70歳以上の配偶者なら四万八千円)
一般の扶養家族一人あたり・・・年間三万八千円の増税


・年間所得3,300,000円~ 6,949,000円の人

配偶者・・・年間七万六千円の増税
(70歳以上の配偶者なら九万六千円)
扶養家族一人あたり・・・年間七万六千円の増税


・年間所得が6,950,000円~ 8,999,000円の人

配偶者・・・年間八万七千四百円の増税
(70歳以上の配偶者なら十一万四百円)
扶養家族一人あたり・・・年間八万七千四百円の増税


・年間所得9,000,000円~ 17,999,000円の人

配偶者・・・年間十二万五千四百円の増税
(70歳以上の配偶者なら十五万八千四百円)
扶養家族一人あたり・・・年間十二万五千四百円の増税


×××

年間所得が一千八百万以上の人は省く。
気になる方は以下の国税庁のサイトで自分で計算してみてください。
(控除額から自分の所得に応じて課税される税額のパーセンテージを掛けると実質の増税額がわかる)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/a/index.htm

なお、所得は収入とは異なるので注意が必要。
サラリーマンの場合は源泉徴収表の「支払金額」の右の欄に書かれている「給与所得控除後の金額」が年間所得額に該当する。

云うまでも無いが、中学生以下の扶養家族がいる家庭は月額二万六千円支給されるので配偶者控除や扶養控除が廃止されても、一般の扶養家族をよほど抱えていない限り、家計にはプラスになるはずだ。
ただ、中学生以下の子供が居ない家庭のほとんど増税しそうだ。
(例外は一人暮らしの世帯や16歳以上23歳未満及び70歳以上の家族のみを扶養している世帯や配偶者控除対象の配偶者や扶養対象家族が居ない世帯)

なお、「上の表だけじゃよく解らない。私の世帯はどうなるの?」という方が居られましたら、家族構成と年間所得(収入でも可)を掲示していただければ、いくらでも計算いたしますので、コメント欄やメールにて。

四年前の衆院選で感じたこと

2009-09-04 00:53:13 | 政治・経済
以下の文章は今から四年前に小泉郵政選挙に圧勝した自民党について書いたもの。

********
さて、衆院選から早くも一ヶ月が経とうとしています。
ここらで、私の意見を書いておきたいと思います。

この一ヶ月間マスコミなので見られる言動はおよそ次の通りです。

一、小泉首相は名実ともに独裁者になった。
二、自民党の独裁政治がはじまる。
三、民主主義の危機である。今後の日本のゆくへが恐ろしい。

マスコミというよりほとんど筑紫哲也の言動ですね。
マスコミさん失礼しました。

それはそうと、反自民勢力から「民主主義の危機」という主張が聴こえてくることは噴飯ものです。
「この選挙は民主主義に基づいて行なわれたのではないですか?」と訊き返したくなります。
そもそも、問題が大有りだと言われている「小選挙区比例代表並立制」も
当時の自民党はもちろんのこと、社民党さえも推進していたではありませんか。
負けたから問題ありだという主張は聞いていて見苦しい。
そんなに、自民党が勝つ民主主義が嫌ならそれこそ独裁主義、ないしは寡頭政治、貴族政治を目指せばいいわけです。

それは冗談にしても、選挙結果が気に喰わなければそれは有権者のせいでしょう。
「日本は民度が低いから自民党が圧勝するのだ。」と恐れずに主張していただきたい。
少なくとも私はそういう主張も一理あると思います。
例えば輿論調査で「靖国参拝賛成か」という調査があったとして、
A級戦犯の意味も正しく理解していない人たちも分母に入っているわけです。
輿論調査にどれほどの意味があるのでしょうか。
同時に選挙にしても小泉自民党に票を投じた人の何パーセントが
自民党の政策方針の内容をどれほど理解して票を投じたのかはなはだ疑問です。

いえ、逆にいえば民主主義とはその程度のものなのです。
戦後の日本は民主主義を至上のものとして称賛してきましたが、
民主主義が最も素晴らしい政治形態なはずがありません。
一番危険性が少ないという消極的な理由から多くの国で民主主義をとっているに過ぎません。

さて、ここまで書いてきて読まれている方々は私が自民党圧勝を歓迎しているように映るかもしれません。
が、そうではありません。
私が述べたい事はマスコミで吹聴されている自民党批判は的外れだと言いたいのであります。

では、なにが問題なのか。

それは一言で言うと、自民党が保守を棄ててしまったことだと思います。
小泉首相の言動をみてみてください。あれの、どこが保守なのか。
保守派の方々にも「靖国神社参拝」などの姿勢で小泉首相が保守だと勘違いしている方が多いですが、
彼は決して保守ではありません。
そもそも、郵政民営化にしろ、国民の財産を守る立場であるならば
少なくとも現在の法案での形の民営化は避けるべきです。
また、人権擁護法を容認する発言をきいて改めて失望してしまいました。
これでは、民主党とあまり違いはないでしょう。
ですから、自民党が圧勝した事によって日本が右傾化することはありません。
自民党の保守派の一部は造反議員として自民党を離党させられてしまいました。
また、私の見るところ小泉チルドレンと呼ばれる人たちの中で
保守主義を基調とした人はほとんど居ないように思えます。
もちろん、一人ひとり吟味したわけではありませんので、迂闊なことは書けませんが、
彼らは果たしてどれほどの政治信条を持ち得るのでしょうか。
仮に小泉首相の思想に付き従うだけの議員であるならば、これこそ事態は深刻だと言えましょう。
少なくとも自民党の議席が増えたとはいえ、保守派の議員が増えたことを意味しません。
日本が右傾化することはないと述べたのはそういうことです。

そして、最大の懸念は
「日本が今後アメリカ式の資本主義国家の道を歩んでゆくのではないか」ということです。
保守が増えない代わりに増えたのは小泉チルドレン。
言い換えれば、アメリカ主義一直線の議員が増えたわけです。
日本は有史以来、本格的な資本主義を実行したことはありません。
特に戦後の日本は社会主義だと言ってもよいでしょう。
少なくとも、資本社会主義だったと思います。
事実、世界で一番豊かでかつ経済格差が最も少ない国家が日本でした。
現在でもそうですが、それが少しづつ崩れてきているのが現状です。
私は経済面では日本的な資本社会主義を守るのが保守だと思います。

小泉首相は確かに自民党をぶっ壊しました。
もちろん、それは良い面もあったでしょう。
自民党を壊したこと以外にも道路公団民営化や、
ハンナン問題に関して利権へ大きく切り込んだことなど
評価できるところは評価したいと思います。
ですが、同時にぶっ壊してはいけない事まで壊そうとしています。
その最たるものが、日本独自の経済形態であると思うのです。

このままでは文化だけでなく経済もアメリカナイズされてしまいます。
これでいいのでしょうか。
もちろん、それを待ち望んでいる人もいるでしょう。
実名を挙げれば堀江貴文社長などはその最たる人です。
早い話が日本は今後勝ち組みと負け組みがハッキリ分かれる社会になっていくでしょう。
それは詰まり、金持ちと貧乏人がくっきりと分かれる社会です。
そうならないようにしてきたのが戦後の日本ではなかったのでしょうか。
自民党はそこを保守せずに何を保守するのか。
外交問題などその他の諸問題は別として改めて問い質してみたいことであります。


【平成十七年十月十一日】
http://blog.goo.ne.jp/tuneari/e/14c4fae29287e7157ca1ff578490d0bb
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小泉自民党への懸念、つまり今後日本は格差社会になってゆくという危惧が現実のものとなってしまったことは残念。
思えばこのときすでに民主党が勝つ遠因が出来ていた事になる。
小泉純一郎は「自民党をぶっ壊す」と云って選挙に勝った。
彼の言葉に偽りはなかったわけだ。

すっかり忘れていたが、この時の自民党の躍進をマスコミが「民主主義の危機」と評していたことも興味深い。
マスコミは今度の民主党の大勝も民主主義の危機というだろうか。
絶対に云わない。
マスコミは自分たちの都合の悪い事態が起きると大仰な言葉を使って批判するといういい例だ。
今回は自分たちが応援していた政党が勝ったので言わないだけ。(産経だけは別のようだが)
むしろ、いつもマスコミを批判している右派が日本の危機と叫んでいる事がこれまた小泉郵政選挙の裏返しで興味深い。

私はまた別の稿で自民党が圧勝したことについて、

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ある意味で民主主義が成就してきたことの証拠。
民主主義なんてものが成就するからこんなことになるんです。
ヒトラーは当時、世界でもっとも民主的と言われたワイマール憲法下に登場した。
民主主義なんてそんなものです。
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と書いた。
今回の民主党の圧勝でもまったく同じことを感じている。
民主主義なんてこんなもの。
本質論は蔑ろにされ、その時の空気や雰囲気で政治状況がガラリと変わる。
民主主義の成就は即ち衆愚政治を意味するものだと理解している。